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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第四章「夏期(サマーシーズン)へようこそっ!」 【069】
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第四章  【091】




  【091】




 ジュリア・フランヴィルが、サラ先生によって隼人から引き剥がされた後、再度、隼人が説明をした。


「と、とりあえず、現状は一刻を争います! すぐに皆でセントリア王国に戻りましょう」

「うむ、そうじゃな。急いで向かうぞ」


 ジュリアは、今度こそ真面目に答え、皆に指示を出す。


「しかし、その前に……セントリアに行くのは急務じゃが、もう一つやらなきゃいけないことがある。それは、生徒や組合ユニオンの生存者の保護だ。なので、班を2つに分ける。セントリアに向かう班は、わらわとハヤト、シーナ・ニノミヤ、エックハルト・シュナイデン、バスティアーノ副隊長、ヴィクトリア・クライフィールド……以上だ。他の者たちは生存者の救護に当たってくれ。では、向かう……」

「ちょ、ちょっと待ってください……ジュリア様!」

「ん? なんだ、ミラージュ家の娘?」

「わ、わたくしも連れて行ってくださいませ!」

「ダメじゃ」

「ど、どうしてですか?! 戦闘に使えないからですか?」

「そうじゃ」

「!?」


 ジュリアは、はっきりとフレンダに告げる。


「ここからは演習でも、試合でもない。生きるか、死ぬかの、命のやりとりしか存在しない世界となる。お主は、まだ実戦経験が無い。そんな奴が今、しかも、クーデターという混沌の場に行けば確実に……死ぬ」

「そ、そんなことありません。実戦経験が無くても、それを補うだけの力は……!?」

「無い……今のお主ではな」

「?!……そ、そんな」


 ジュリアはフレンダを完全否定した。


 何の躊躇もなく。


 しかし、それが、ジュリアの「やさしさ」であることは、周りも、そして、フレンダ本人もわかっていた。


 それでも、ジュリアに完全に否定されたフレンダは、悔しさと、歯がゆさと、情けなさとで、震えながら身体を崩れ落と……。


 ガッ!


「?!…………ヴィ、ヴィクトリア・クライフィ……」

「ジュリア様!」

「む……? ヴィクトリア、どうした?」


 崩れ落ちそうになったフレンダをしっかりと掴んだのは、ヴィクトリア・クライフィールドだった。


「ジュリア様、この娘……ミラージュ家の娘も、ぜひ同行させてはもらえないでしょうか!」

「ならん! お主、それは、ミラージュ家の娘を死地に追いやるのと同義……」

「わたしが、フレンダ・ミラージュを守ります!」

「!? ヴィ、ヴィクトリア。な、なにを……」


 フレンダは、ヴィクトリアのその発言に耳を疑った。


「……お主が?」

「はい! もちろん戦闘にも参加します。女性一人、守りながら戦うくらい、わたしには問題ありません。むしろ、相手に対して、ちょうど良いハンデですっ!」


 ヴィクトリア・クライフィールドが、力強く言葉を発する。


 他の者が言うなら「自信過剰な発言」に感じるのも、ヴィクトリア・クライフィールドの口から出た言葉ならば、十分な説得力があった。


 しかし、相手はジュリア・フランヴィル。


 いくら、我らが生徒会長ヴィクトリア・クライフィールドと言えど、それは「自信過剰だ」とジュリアに一蹴され……、


「そうか……ならば良いだろう。ヴィクトリア、頼むぞ?」

「はっ! ありがとうございます!」


 あっさり!


 ジュリアは、あっさりとヴィクトリア・クライフィールドの進言を了承した。


 それだけ、ジュリアもヴィクトリア・クライフィールドを認めている……ということか。


「ジュ、ジュリア様、あ、ありがとうございます!」

「わらわに礼はいらぬ。ヴィクトリアにしろ」

「!? あ、ありがとう、ヴィ、ヴィクトリア・クライフィールド」

「うむ、問題ない! もちろん、これは『貸し』だ。ちゃんと後で『お返し』は請求するぞ。ハッハッハ!」

「くっ! こ、この……」


 ヴィクトリアは、何の気遣いもなく、いつもの力強い口調で、堂々と『お返し請求宣言』をする。


「……ふっ、ヴィクトリア・クライフィールドか。中々の奴だな」


 二人のやりとりを側で見ていたエックハルト・シュナイデンが呟く。


「そうですね。天然のような振る舞いしてますけど、案外、天然ソレって、計算なのかも……しれませんね」


 エックハルト・シュナイデンの横にいたアイリも、エックハルト・シュナイデンの言葉に同調した。


「むっ? 君、中々よく見ているな。名は?」

「アイリ……アイリ・カールトンといいます」

「アイリ・カールトン……? もしかして、ユリイ・カールトンの?」

「?? はい、父です」

「なっ! き、君はユリイ・カールトンの娘……なのか?!」

「?? そ、そうです……父をご存知なのですか?」

「あ……いや、その、まあ……ちょっと、な」

「?……シュナイデン様?」


 エックハルト・シュナイデンは、動揺しながら、しどろもどろにごまかした。


「よし! では、いくぞ! 皆の者、自分の仕事を果たせ、よいなっ?!」

「「「「「「「はい!」」」」」」」


 ジュリア・フランヴィルの掛け声と共に、『セントリアに向かう班』『生存者救出班』と二手に分かれて一斉に飛び出した。






  「更新あとがき」




おはようございます。


何だか最近、冷えますね、


mitsuzoです。



更新しました~。



来週から12月ですね。


この作品も、あと一ヶ月で第一部を完了させるべく、頑張って更新を続けていきたいと思ってます。


ちなみに「第86話」の修正をしました。


修正部分は、「ヴィクトリア・クライフィールド」は「ジュリア・フランヴィル」の教え子という設定だったのですが、ヴィクトリアがジュリアを見つけたときの二人の最初のやりとりが「初めて会った」っぽい内容になっていたので、その部分の修正です。


今頃、気づいてすみません。



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)


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