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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第四章「夏期(サマーシーズン)へようこそっ!」 【069】
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第四章  【088】




  【088】




「……!!!」


 エックハルト・シュナイデンに、いきなりキスをされた隼人は、一瞬、硬直し、その後、すぐに、エックハルト・シュナイデンを引き離した。


「な……なな……な……」


 隼人が、どもる中、エックハルト・シュナイデンがクスクス笑いながら呟く。


「どうじゃ、隼人? 記憶は戻ったか? これが、わたしたち『英雄五傑ファイブスター』が神と契約して『管理者アドミニストレーター』となり、お前に『記憶のカケラ』を渡す際の方法だ。だから、スキを見せやすい『幼女』に転生したのだ」

「そ、それは、まるで、『俺が幼女が好きだ』と言っているように聞こえるんですけど……」

「違うのか?」

「当たり前だろ?!」

「……本当に?」

「本当だ!」

「本当に?」

「当然……」

「本当に、本当に?」

「うっ……?!」


 エックハルト・シュナイデンが下から上目遣いで再度訪ねる。


「……い、妹を見ているような愛らしさを感じているだけ……だ!」

「ふっ……まあ、そういうことにしておくか。わたしはそこまで鬼ではない」


 はぁ~……と、ため息をこぼす隼人だったが、直後、頭が割れるように痛み出す。


「う……うう……」

「は、隼人……?!」


 シーナが隼人に駆けつける。


「大丈夫、心配するな。今、隼人の中に失われた記憶の一部が入っていった。そして、それが隼人の頭の中で『再構成』をしている最中だ。なーに、少し、頭痛は走るようだが、すぐに元に戻る」

「ほ、本当ですか……?」

「ああ、本当だ。わたしは管理者アドミニストレーターだぞ、心配するな」

「う……うあ……うああ……!!!」


 隼人は、頭を抱えたまま、膝を突いた。


「「「「「「「ハ、ハヤト……!!?」」」」」」」


 シーナや他の皆も隼人の状態を見て駆け寄る。


「!!!!!!!!」


 隼人は、自分の『記憶のカケラ』のひとつを垣間見た。



            ※



「……こ、ここは?」


 気がつくと、隼人は『部屋』のベッドの中にいた。


「こ、ここって…………俺の……生きていたときの……部屋?!」


 そこは、地球で生きていたときの『自分の部屋』だった。


 隼人はベットから身体を起こし、部屋を見渡す。


「そうだ……ここって俺の部屋だ」


 時間はちょうど昼下がりのようで、開いている窓からは、そよ風がカーテンを揺らし、同時に、車の通る音や、子供の笑い声といった喧騒が聞こえてくる。


 隼人が生きていたときの『いつもの日常』がそこにあった。


「そっか、俺は、夢を見ていたのか……」


 隼人は、しばらくベットに腰掛けたまま、ボーッとしていた。


「何だろう? 何か変な夢だったな。俺が一度死んで、異世界に行って、そこで敵と闘って、魔法みたいな力で『チート無双』で、ハーレムで…………はあ、ちょっとアニメ観すぎたかな? さすがに、あそこまでリアルな『厨二病夢ちゅうにびょうむ』を見る俺ってどうよ?」


 隼人は自分の現状にへこんだ。


「もう、手遅れなのかもしれないな……俺」


 そうして、隼人の自己嫌悪が一通り終わった後、


「あれ? そう言えば、今日って何日だっけ?」


 隼人はドアの前に掛けられているカレンダーを見る。


「げっ! 12月23日! 終業式じゃん! ど、どうしよう。一応、式が終わったらHRがあるから、今から行けばHRには間に合うけど……でも、完全に遅刻だ。担任に絶対怒られる……!」


 隼人は、しばらく考え、 


「まだ、ちょっと頭もボーッとするし、と、とりあえず、風呂に入ってスッキリしてから判断しよう」


 そういうと、隼人は、ベットから立ち上がり、一階にある浴室へ向かおうとした。


 すると、突然、ドアがバンッと開く。


「!?」


 そこには、一人の少女がいた。


「お兄ちゃん!……」


 そう呟く少女を見て、隼人は驚きのあまり固まる。


「シ……シーナ!?」


 そこには、夢で見た「シーナ」という少女が立っていた。


「お兄ちゃん……どうして…………」


 少女は涙を溜めながらベットへと近づいてきた。


「な……?! なんで、夢に出ていたシーナがここにいるんだ? し、しかも、お兄ちゃんって……俺、妹がいたのか?! ていうか、シーナって俺の本当の妹ってこと? あ、いや、でも、何か雰囲気違うし、顔もちょっと違う? で、でも、声もそっくり……えっ? な、何が……どうなって……」


 隼人がシーナを見て混乱している中、シーナはベットに腰掛ける隼人に向かって飛び込んできた。


「お、おい、シーナ!」


 隼人はてっきり、シーナが自分に抱きついてくると思って身構えていた。


――しかし。


「!!……なっ?!」


 少女は、隼人の身体を『すり抜け』、その『ベットに横たわっている隼人』に抱きついた。


「お、俺が…………二人?!」


 そこには、目を瞑り横たわっている…………『二ノ宮隼人』がいた。






  「更新あとがき」




おはようございます。


一週間ぶりくらいかな? の、


mitsuzoです。



更新しました~。



いろいろと、ここから話が一気に展開していきます。


年内までには、これまでの『第一部』を完結させるつもりです。



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)


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