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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第四章「夏期(サマーシーズン)へようこそっ!」 【069】
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第四章  【087】




  【087】




「エックハルト……貴様が、どうして、ここにいる?」


 ジュリア・フランヴィルが、エックハルト・シュナイデンに厳しい口調で問いかける。


「おいおい、ジュリア、そんな怖い顔すんなよ。幼なじみの仲だろ?」

「ふん……よくも抜け抜けと。今更、そんな軽口な会話ができる仲じゃないだろ?」


 エックハルト・シュナイデンは笑みを浮かべ、ジュリア・フランヴィルは厳しい顔を崩さず、今も緊張の糸を張って、臨戦態勢を取り続けていた。


「し、師匠……」

「おお、サラ……サラ・スカーレットじゃないか。久しいな」


 ここで、サラ先生がエックハルト・シュナイデンに声をかけた。


「な、なんで、その…………幼女なんですか?」


 そう……そうなのだ。


 俺もシーナもアイリも、サラ先生から聞いていた『エックハルト・シュナイデン像』があまりにもかけ離れている……というより、性別が違うという『かけ離れているを通り越したかけ離れ方』に驚いていた。『30代後半の男性』とは何だったのか?


「ああ、これか? 気にするな……ちょっと『契約』をして性別が変わっただけだ」

「はっ?」

「だから~、『契約』したからこうなっちゃったの」

「「「…………」」」


 いやいやいや……、意味わかりませんから!?


 答えになってませんから~!?


「『契約』? 何だ、それは?」


 ジュリアが尋ねる。


「ん? ああ、『神』と『契約』を交わした」

「「「「「「か、神……?!」」」」」」


 その場にいる皆が驚く。


「ちょっとややこしくなるから、大まかにしか言わないが、わたしを含めた『英雄五傑ファイブスター』全員が、あの『第一次種族間戦争ファースト・スピーシーズ・ウォー』の終結のために、身を投げて死んだのはわかるだろ? あの後、『英雄五傑ファイブスター』全員はな……一度死んで、『あの世とこの世の狭間』? ていう世界に行き、神とあったんだ。」

「「「「「…………ええええええええええええええ!!!!!」」」」」」

「そんで、生まれ変わった時に『契約』をさせられてな……」

「「「「「な、何の契約……?」」」」」


 皆が、エックハルト・シュナイデンに聞く。


 エックハルト・シュナイデンは、笑みを浮かべながら俺とシーナを見て呟いた。


「……二ノ宮隼人の『管理者アドミニストレーター』になってくれ、と」

「「!!!!!!!!!!!」」


「「「「???????」」」」


 エックハルト・シュナイデンの言葉に俺とシーナが驚く横で、皆は、何を言ってるのかさっぱり……? という表情でポカンとしていた。


「シ、シーナ……これって……」

「ああ、こんなの聞いたことがないが……だが、間違いないだろう。あいつは『あの世とこの世の狭間の世界のこと』、そして、何より、お前の記憶を管理している『管理者アドミニストレーターのこと』も知っているのだからな。エックハルト・シュナイデンは、本当に神と会っている」


 シーナは、必至に冷静さを装って話をしているようだったが、明らかに動揺していた。


「い、一体、な、何が、起こっているんだ……?」

「わからん。何がどうなっているのか……」


 シーナが、眉間にしわを寄せ、苦悶の表情を浮かべる中、幼女・エックハルト・シュナイデンは、俺の方に向かって寄って来た。


「……二ノ宮隼人。わたしがお前の『管理者アドミニストレーター』だ。お前の『記憶の一部』はわたしが所持しておる」

「「!!!!!」」


 俺とシーナがエックハルト・シュナイデンの発言にさらに驚愕する。


「まあ、驚くのも無理は無い。それは、そこにいる『指導者ガイド見習い』も知らないことだからな」

「!! な……」


 シーナは、エックハルト・シュナイデンの言葉に、ただただ、驚くだけだった。


「しかし、わたしが持っているのは、あくまでお前の『記憶の一部』でしかない。残りは、他の『英雄五傑ファイブスター』が所持しておる」

「えっ……? 英雄五傑ファイブスターが?」

「うむ。あと……そこの『指導者ガイド見習い』よ」

「?! えっ? あ、はい……」


 シーナは、突然、話かけられたのもあり、気の抜けた返事を返す。


「お前が知らないのも無理は無い。実は今、『神側の世界』で『大きな事件』が起きていると言っていたからな。それをお前に伝えろとも告げられている」

「そ、そうなんですか……」

「うむ。あと、あのお前が使っている『メモ帳』があるだろ?」

「!?……」

「別に隠さなくても良い。わたしは『そこまで』は聞かされている」

「…………は、はい。メモ帳は、持っています」

「あれはな……もう使えん……」

「えっ?」

「らしい……」

「らしい?」

「うむ。わたしも『そこまで』しか聞かされていないからな。とにかく、あのメモ帳は使えなくなったと言っていた。だから、今後のことは、わたしが、いろいろとアドバイスをして、二ノ宮隼人の『記憶のカケラ』を持つ、残りの『英雄五傑ファイブスター』を一緒に探すことになる。これが、わたしが『神』と『契約』した内容だ」

「……」


 シーナは、すぐには状況を飲み込めずにいた。無理も無い。


「まあ、そういうわけだから、これからよろしくな、シーナ。ところで、二ノ宮隼人よ……」

「は、はい……!」


 エックハルト・シュナイデンは、俺のことを『ハヤト・ニノミヤ』じゃなくて『二ノ宮隼人』と呼んでいる。


 やっぱり、こいつ……本物だ。


 隼人は、シーナよりも、少しは状況を飲み込み始めていた。


「さっきのサラ・スカーレットの質問の話に戻るが、おそらく、お前も、それについては知りたがっているだろう……? わたしが、なぜ、『幼女』として転生してきたかを?」

「えっ……あ、はい」


『幼女が気になる』ということではないが、男性が女性として転生するのに『理由』があるなら、それは、知りたい。


「それはな、わたしが、お前の『記憶の一部』を所持している『管理者アドミニストレーター』だからだ……」

「??」


 ん? どういう意味だ?


「つまり……、わたしたち『管理者アドミニストレーター』は……お前に、こうやって……『記憶』を……渡すからだ」

「!?!?!?!?」


 そう言うと、エックハルト・シュナイデンは、俺にさらに近づき、両肩に手を置くと、背伸びをして…………口唇を重ねた。


「「「「「「!!?!?!!!!!」」」」」」


 エックハルト・シュナイデンのその行為キスは、俺はもちろん、周囲の空気を一斉に凝固コールドさせた。






  「更新あとがき」




おはようございます。


いろいろと時間がせっぱ詰まっている現状の、


mitsuzoです。



更新しました~。



『エックハルト・シュナイデン』……グイグイ、来ております!



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)


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