第四章 【075】
【075】
「マルコ・デルフォード――たしか『デルフォード家』は『レッドフォード家の分家貴族』……だと記憶しているが?」
「……は、はい。その通りです」
ジュリア・フランヴィルの追及に、マルコの表情が険しくなった。
「『レッドフォード家』と言えば、『北地区』の『王立北地区魔法アカデミー(ノース)』に通っているものだと思うのだが、なぜ、お前はこの『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』に在籍している?」
「そ、それは……」
マルコが話しにくそうにしている。
しかし、ジュリア・フランヴィルの追及は終わらない。
「答えよ、マルコ・デルフォード!」
ジュリア・フランヴィルの声が一段また厳しさを増す。
「は、はい! じ、実は……」
周囲の空気も「緊張感」を増す。
「わ、わたくし、あまりにも魔法が未熟なものでして、ハハ……。そ、それで、『名門貴族のレッドフォード家』と自分の家である『デルフォード家』から『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』で修行してこい! と、それはそれは厳しく言われまして……」
一同……ガクッ。
「そ、それって、つまり……」
「は、はい……。本当はこんなこと滅多にないのですが、『レッドフォード家当主様』から王立中央魔法アカデミー(セントラル)のアカデミー長であるカルロス・ワイバーン様に直々に頼み込んで何とか入れてもらえた次第です」
悲しい顔でそう告げるマルコ・デルフォード。そして、そんなマルコを見て、申し訳ないことを言ったと反省顔のジュリア・フランヴィルがそこにいた。
「な、なんか……すまん」
「あ、べ、別に、大丈夫……です」
周囲の空気は「緊張感」から「やっちまった感」に早変わりした。
「よ、よーし、皆の者! わらわたちグループは、これより『マルコ・デルフォードを支えること』を主眼として実習を始めるぞ、よいな?!」
「「「は、はあ……」」」
隊長ジュリア・フランヴィルのその一言は、ただただ余計に傷口を広げる形となり、そしてそのまま幕は閉じた。
マルコ……なんて不憫な子っ!?
「更新あとがき」
おはようございます。
今日から9月 でも沖縄まだ暑い~、
mitsuzoです。
短いですが、更新しました。
プチ更新です。
最近、プチ更新ですみません。
というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。
<(_ _)>( ̄∇ ̄)




