第四章 【073】
【073】
俺たちはサラ先生の号令により、三人の前へ整列していた。
「これより『組合実習』をスタートする! まずは『組合』の本拠地である、この『セントラルベース』の代表であり、『組合の総隊長』である『ジュリア・フランヴィル殿』より一言あるので心して聞くようにっ! では、お願いします、フランヴィル殿」
サラ先生は、俺たち生徒に『組合の総隊長』を紹介した。
ん? ジュリア・フランヴィル?
あんな『屈強な大男』にしては女の子みたいなかわいい名前だな、おい。
サラ先生が紹介して後ろに下がると同時に前に出てきたのは『屈強な大男』……ではなく、なんと「紅い髪の少女」のほうだった!
「えー、おほん。苦しゅうない、皆、ラクにして聞かれよ……」
俺、ポカーン状態。
シーナを見ると、シーナもポカーン状態。
しかし……他の生徒は特にそんなことはなく、むしろ、その『総隊長』に対して『尊敬』『憧れ』といった想いを瞳に輝かせていた。おそらく相当、有名な人物なんだろうということは簡単に想像できた。
でもさ~、でもさ~、あんな人形みたいな『かわいらしい女の子』が『組合の総隊長』て本当かよ。
この『組合』って組織大丈夫か?
俺は、そんなことを考えながら『総隊長』の話を聞いていた。すると、
「おい! そこのお前!」
総隊長……『ジュリア・フランヴィル』は、冒頭いきなり俺に向かって声を掛けた。
ま、まさか、俺の考えていたことがわかるのか?! シーナと同じような『直感』みたいなものも持ってるってのかよ?!
俺は、ふいの名指しに動揺した。
「ひゃ、ひゃい!」
……噛んだ。
「お主だな。お主が学校設立以来、初めての『特別招待生』と言う奴は」
皆の視線が一斉に集まる。
「話は聞いておるぞ。よろこべ、お主はわらわが直々に実習指導してやる」
「は、はあ……?」
俺は、そんな総隊長の言葉に特に反応することはなかった……が、周りは違っていた。
「えええっ! マジかよ!」
「うそー! それって、すごいことじゃない?!」
「総隊長直々なんて……今まで聞いたことないぞ?!」
「な、なんて、うらやまけしからん奴っ!」
いつものテンプレ的な感じで申し訳ないが、しかし、それだけ『特別なこと』だってことは何となく理解した。
「あ、ありがとうございます……」
とは言え、この総隊長による『直接指導』がどれだけ特別なことなのか理解できないでいた俺は、とりあえずお礼を言った。
「うむ、苦しゅうないぞ、愛い奴め」
「……」
どうやら正解を選択したようだった。
――それにしても。
何となく……ただ、何となくではあるが…………『ヴィクトリア・クライフィールド』と同じ『ニオイ』がした。
「更新あとがき」
おはようございます。
気持ちの良い午後です、
mitsuzoです。
今日の更新、内容が短くてすみません。
ちょっと今は現状、手一杯な状態なので、更新が遅くなると思います。
本当にすみませんが、よろしくお願いします。
というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。
<(_ _)>( ̄∇ ̄)




