第三章 【061】
【061】
――現在、理事長室は『カルロスさんVSサラ先生』『シーナVSロマネさん』という二大闘争が勃発していた。
そして、その横では俺がリサ・クイーン・セントリア女王陛下に「イジりたくなる男」として設定完了されていた。
どうも、「イジリたくなる男」……二ノ宮隼人です。
さて、そんなことよりも、二大闘争のひとつ……今度は『シーナVSロマネさん』に目を向けてみると、シーナがかなりロマネさんに対してツッコミを入れているようだった。
「ロマネさん、今回の問題の中心人物であるエックハルト・シュナイデン氏のことなんですが、彼が謀反を起こすことは到底信じられないと仰っていましたけど、私には『エックハルト・シュナイデン氏が謀反を起こす可能性はつねにあった』という風に聞こえたのですが……?」
「い、いえいえ、そんなことは……シーナ様は深読みし過ぎです」
「そうでしょうか? あと、サラ先生がさきほど『私はあなた方を全面的に信用なんてしていませんから』と言ってました。それって……エックハルト・シュナイデン氏と一番弟子だったサラ先生が、以前に政府と何か『確執』があったんじゃないですか?」
「!?……シ、シーナ様」
「もしかして、今回の事件、この以前の『確執』が原因なのでは?」
「…………」
シーナにツッコまれたロマネさんの口が閉口する。それって、つまり……、
「ふう、わかりました……お話しましょう。今回の件は、正直、わたしやカルロスだけでは対応は難しいので、できればお二人にも協力をお願いしたいのですがよろしいですか?」
「それは、話の内容によります。サラ先生が抱いている政府への不信感が何であるのか現時点ではわからないので、同じく、今の時点では協力するかどうかはなんとも判断できません。でも、いずれにしても、ロマネさんは話してくれますよね? だって、カルロスさんとロマネさん、お二人だけでは解決が困難と言ったのですから……」
「!?……ふう、シーナ様にはかないませんな。まだお若いはずなのに並ならぬその『洞察力』……それは、異世界人だからなのか、はたまた別の何か……? といったところですかな?」
「!?……い、いえ、そんな大層なものじゃないです」
「ふふ……まあ、いいでしょう」
最後に、ロマネさんが一言シーナにチクリと言い返した……が、その後は特に突っ込まず、そのまま、話を始めようとした……その時、
「し、室長っ! 良いのですか、そこまで話されて!」
カルロスが相手をしていたサラをそっちのけでロマネに進言する。
「今回の件、確かに我々だけでは解決が困難かもしれませんが、だからと言って、この国家機密レベル(トップシークレット)の情報を彼らに公開しても良いのですか?」
「構わん。いずれにしても、エックハルト・シュナイデンは我々のところを目指しておるだろう。それに、サラの誤解もここで解消させたいのでな」
すると、今度はサラも話に入ってきた。
「誤解? 誤解だと?! わたしは何も誤解などしておりません!」
「いいや、サラ。おぬしは誤解をしておる。その誤解をこれまでちゃんと説明しなかった我々がいけなかったのだ……申し訳ない。だが、今日、ここでその誤解を解消しようと思う。なので、どうか話を聞いてはもらえぬか?」
「……」
閉口するサラ。
「し、室長!」
「カルロス!……今じゃ、今なのじゃよ。サラの誤解を解いてあげられるのは」
「……わかりました」
カルロスは室長の言葉を聞き、ためらいながらも納得した。
俺はもちろんのことだが、リサもそのロマネさんのこれからの話はどうやら聞いたことがないらしく、少し複雑な表情でロマネを見ていた。その表情は『まだ一国の主として認められていない』『一人前の君主になれていない』という思いを浮かべているようにも感じられた。
そんな中、一通り、場が収まるとロマネはゆっくりと話し始めた。
「……今回の謀反の件、シーナ様の仰るとおり、エックハルト・シュナイデン主犯の可能性が高いのですが、それは、今から十五年前の第一次種族間戦争終結後、一年経ったセントリア王国での『ある事件』から始まります」
「更新あとがき」
おはようございます。
一週間ぶりです。
mitsuzoです。
更新しました~~~~~!
……そして、
申し訳ありません~~~~!
更新したものの、すごく短くてすみません。
とりあえず週一更新は最低でも行うと決めて書いているのですが、先週から今週にかけて特に時間が取れなかったので、こんな短い内容での更新しかできませんでした。
本当にすみません。
何とか、今週はもう一回更新できるようにしたいと思います……たぶん。
<(_ _)>スミマセン
というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。
<(_ _)>( ̄∇ ̄)
PS:近いうちに、「小説あらすじ」も変更しようと思っています
ではでは。




