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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第三章「春期(スプリングシーズン)へようこそっ!」 【行間2】
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第三章  【052】




  【052】




 俺は、今、右手を天井に向け、手を挙げた状態で立っていた。


 これから、ここで『神通具現化ディバイン・フォース』の力を皆に『見せつける』ために。



 さっき、体育館に向かう前、シーナは言った。


「お兄ちゃん…………派手に頼むわよ!」


 まあ、シーナの『派手』と俺の『派手』が、どこまで『疎通』しているかはわからないが、俺なりの『派手』をやってみようと思う。とりあえず、今回で『神通具現化ディバイン・フォース』の発動は三回目でもあるので、『カンジ』は掴めている…………つもりだ。なので、前回のように『建物を浮遊させる』という『派手』ではなく、『魔法力測定をごまかす程度の派手さ』を俺は考えた。


 それじゃあ、やってみますかね…………シーナの『妙案』を成功させるため、『魔法力測定』をごまかすため。


 そして俺は、イメージをより強く、より正確に、構築していく…………そして、



神通具現化ディバイン・フォースっ!?」



 隼人が大声で叫んだ。


 すると、天井にかざしている隼人の右手から『炎』が具現化される。


 その炎は、隼人の手のひらでグルグルと回転し、『炎の渦』と化していく。そして、その渦は次第に大きさを増していき、隼人の手のひらサイズだったその『炎の渦』は、あっという間に、直径10メートルほどの大きな『炎の渦』へと成長していった。


「…………な、なんだ、この馬鹿でかい炎の渦は?!」


 サラ・スカーレットが呆気に取られながら呟く。


「…………」


「…………」


「…………」


 他の生徒たちは、呆気に取られすぎて、つぶやきすら上がっていない。


 これだけでも、すでに皆へのインパクトには十分だった…………しかし、


 隼人は、これだけでは終わらなかった。



神通具現化ディバイン・フォースっ!?」



 隼人は再び、『神通具現化ディバイン・フォース』を発動。


 すると、『神通具現化ディバイン・フォース』発動と同時に、右手と同じように天井にかざしたその左手からは、今度は『水の渦』が具現化される。そして、その『水の渦』も、さきほどの『炎の渦』と同様、グルグル回ってどんどん『肥大化』していき、これも、あっという間に『炎の渦』と同じ直径10メートルの『水の渦』へと成長した。


「ひ、左手から『水の渦』……だとっ?!『炎』『水』……それを同時に発動なんて…………聞いたこと、ないっ!」


 サラ・スカーレットは、生徒の目も忘れて、ただ、ただ、思いの丈を吐く。


 さらに隼人は、その『炎の渦』と『水の渦』を近づけ…………くっつけた。


 すると、交わった『炎』と『水』の渦は、お互いを消し去ることなく、共に融合し合い、『炎』と『水』の『二重構造の渦』という『二色のグラデーションの渦』へと進化した。


「き、きれい……」


 思わず、女子生徒がポロッと呟いた。


 そして、さらに隼人は叫ぶ。



神通具現化ディバイン・フォースっ!?」



 すると、今度は、その『炎』と『水』の『二色の渦』……『水炎の渦』を風を起こして天空へと舞い上がらせた。


「か、風……だとっ?!」


 サラ・スカーレットは、もう周りの生徒は気にせず思いを吐露する。


「きゃああーーーっ!」


 下では、隼人の起こした風の影響を受けて、多少、女子生徒が反応していたが、しかし、ほとんどの生徒はその程度の風には物ともせず、じっと隼人から目を離せないでいた。上では、下よりもさらに激しい風が巻いており、それは『水炎の渦』を、右へ左へと動かし、まるで『八の字』を描くような動きをみせる。


 そして……、



神通具現化ディバイン・フォースっ!?」



 すると、『八の字』を描いていた『水炎の渦』は、さらに高速さを増し、それは……『龍の姿』へと変わっていった。


「ド、ドラゴン…………だとっ!?」


 サラ・スカーレットが目を見開いて叫ぶ。


 そして隼人はそのまま、その『炎と水の二色の渦』……『水炎の渦』からできた『水炎の龍』を、『赤い壁』へと叩きつけた。



 ズドーーーンッ!


 ズズズ……ズズ……ズズ……。



 体育館に、物凄い音と振動がこだました。


 あたりは一面、『煙』で覆われ、上からは『温かい水の雨』が降っていた。


 その雨により、煙も晴れ、雨もまた、次第に無くなり、あたりが見渡せるまでに視界が回復していく。


 すると、そこの『赤い壁』…………いや、



『そこにあったはずの赤い壁』



 は、ぽっかりと『直径10メートルほどの穴』へと変わり、『赤い壁』は消失していた。


 そして、そこには壁に手をかざしたままの隼人の姿があった。



「ふう……」



 隼人は『一仕事終えた』という感じで、そこで構えを崩し、額の汗をぬぐう仕草をした。


 彼は、今回、前回のように『建物を浮かす』というような『派手』なことは慎み、できるだけ『魔法』に近いものをコンセプトに『神通具現化ディバイン・フォース』を発動させた。これなら『魔法』に身近なこの世界の生徒たちには受け入れやすいだろうという『狙い』からだ。


(これなら、どうだっ?!)


 俺は、シーナにそんなアイコンタクトを送った。すると、シーナはそんな俺のアイコンタクトにニコッと微笑み、そして……、


(……『派手』にするにも『程』があるだろ、バカ!)



 どうやら、今回もシーナとは『疎通』が合わなかったようでした。







  「更新あとがき」




こんばんわ。



明後日は、いよいよ『OVL大賞 一次選考の発表』です、


mitsuzoです。




今日は、いつもより少ない文字数でのアップとなりましたが、一応、少しでもいいから更新頻度を上げていこうと思い、投稿しました。


基本的に、この作品は、一話の文字数は大体『2000~3000文字』。なので、『話数』は現在『52話』となっていますが、他の作家さんの作品と照らし合わせると、『二話で一話分』と見ていただければと思います。


なので、現在、実質は『52話』の半分の『26話』という感じで見ていただければと思います。


今週、木曜日は仕事がお休みなので、続きは『木曜日』にアップとなると思います。



…………たぶん(一応、それを目標にがんばります)



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)


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