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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第三章「春期(スプリングシーズン)へようこそっ!」 【行間2】
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第三章  【049】




  【049】




 キーン、コーン、カーン、コーン。



「では、授業はこれで終了。二時限目は『魔法力測定』を行うので、着替えて『第一体育館』に集合…………以上、では解散! 遅れるなよっ!」



 一時限目の授業が終わった。


 次は、いよいよ『魔法力測定』…………一番のやっかい事がついに訪れた。


 俺とシーナは、この世界の人間ではないので『魔法力』を持ってはいない。だから、『魔法力はゼロ』ということになる。実際、前に理事長室で測ったときも『魔法力はゼロ』だった。


 そのときもそうだったが、『魔法力がゼロ』だと他の生徒から、俺たちが『特別招待生』だということを疑問視する奴が出てくるだろう。そうなると、変な目立ち方になってしまい、あまりよろしくない。


 さて…………どうしたものだろう。


 と、その前に。


「おいっ! シーナッ! 早く起きろっ!」


 隣で寝ていたシーナを俺はたたき起こした。


「あ、お兄ちゃん、おはよー………………朝ごはん?」

「なんでだよっ! 今、授業受けてただろ?!」

「あ……そうか、ごめん、ごめん」

「お前、それにしてもよく寝れるな~」

「ふふん。『目を開けながら眠る』という高度なテクニックは、わたしの隠れた能力スキルだ」


 知らんがな。


 俺は、シーナの耳元に顔を近づけ、小声で説教をする。


「お前さ~、俺の指導者ガイドなんだから、もう少し、こっちの世界のこと勉強しろよ……!」

「きゃっ! お兄ちゃん、くすぐったいよ~!」


 シーナが、『わざと』変な声を出した。


 ガタガタッ!?


 気づくと、聞く耳を立てていた男子が俺を取り囲んだ。その内の一人が呟く……、


「ハ、ハヤト……いくら『お兄ちゃん』でも、やっていいことと悪いことがだな…………」

「…………はっ?」

「いや、だから…………『妹の耳を舐める』だなんて、そんな『うらやまけしからん行為』はやっちゃいけないんだぞっ!」

「はぁああぁ~~? そんなことして……」

「もう、お兄ちゃん……ビックリ…………したじゃない……」


 シーナは頬を染め、俺から顔を背ける。


「お、おま……ちょっ……?!」

「何ぃぃい~~~っ!? ハヤト、お前~~っ!」

「ち、ちくしょう…………『特別招待生』の兄妹関係とは、かくも親密なのかっ?! 特別招待生、ぱねぇよっ!?」

「うちとは大違いだっ!?」


 周りの男子(シーナ@ファンクラブの連中)が阿鼻叫喚を上げる。


 シーナめ、俺の説教をめんどくさがって……ワザと、あんな…………ちくしょう…………シーナの野郎~。


 とは言え、頬を染めたシーナは少し、ほんの少しだけど………………かわいかったな。


「はいはい、もうその辺にしなさい、あんたたち。次の授業に遅れるわよ、さっ、行こう、ハヤト、シーナ」

「「アイリ……!」」


 そこに救世主のように現れたアイリにより、俺はファンクラブのツッコミから解放された。


 そうして、俺たちは次の授業である体育館へと移動した。



――移動中。



「ところでさ、ハヤトッ! 昨日、シーナから話聞いてビックリしたけど、あれって本当のこと……なんだよね?」


 アイリが早速、『その話』を切り出してきた。


 そう……実は、アイリは昨日、生徒会室から女子寮に戻った後、シーナから『俺たちの事情(異世界の人間であること)』を聞いていた。アイリに話すのは、ヴィクトリア・クライフィールドにも承諾を得ていたこともあるが、何よりアイリにはどのみち隠せないだろうという判断からでもあった。ちなみに、そのアイリに話したというのを聞いたのは、昨日、夕方シーナと会って別れたとき、『あ、そう言えば……』と言って戻ってきて俺に報告をしたときだった…………そのとき、『そんな大事な話、忘れるなよ!』とツッコんだのは言うまでもない。


「ま、まあな……」

「へー、そうなんだ~。まあ、でも、シーナからそのことを聞いたときは、すごく納得したよ」

「えっ?」


 すると、シーナが入ってくる。


「アイリ、実は、わたしとお兄ちゃんのこと、最初からいろいろと『謎』だったんだって……」

「謎……?」

「そりゃ、そうだよ~。魔法のこともよく知らないみたいだし、誰でもわかるようなこの世界の常識みたいなこととか、いろいろと聞いてくるし……」

「は、はは……」


 仰るとおりです。


「……でも、どうして『南地区サウスエリア出身』なんて『ウソ』…………じゃなくて『設定』にしたの?」

「それはね……わたしたちのボスみたいなのがいて、その人の命令なの。理由はわたしたちもわからないわ、ね、お兄ちゃん?」

「あ、ああ……」


 アイリには、俺たちが『異世界の人間であること』のことは話しているが、何故か『シーナが俺の妹という設定』というのは、そのままとなっていた(なんでだろ?)。それと、『俺たちの異世界に来た目的』は本当のことは言わず、『人探し』とだけ言っているとのこと。


 あと、シーナがコンタクトしているのが『神様』ということも隠している…………まあ、当然と言えば、当然だが。『神』と会話しているなんて言っても、それはさすがに、『信じない』か、『気味悪がられる』かのどっちかだろうしな。なので、アイリには『俺たちをこの世界に送ったボスがいて……』という話にしておいたらしい。


 ちなみに『神通具現化ディバイン・フォース』については、『魔法とは違う力』ということしか話しておらず、『神の力の具現化』ということまでは話していない。なのでアイリからすると『魔法とは違う力を持っている』という程度の理解となっている。


「まあ、つもる話はまだまだいっぱいあるから、その辺はまた、今日のお昼休みにでもまた聞くわ。それよりも…………どうするの?」

「……何が?」

「次の授業…………『魔法力測定』」

「「…………」」


 ズーン。


 俺とシーナは一気にへこんだ。


「シーナの話だと、二人とも『魔法力はゼロ』なんでしょ?」

「あ、ああ……」

「それだと、ちょっとやっかいかもね…………『特別招待生なのに魔法力がゼロ』だなんて結果だったら、いろいろと『騒ぐ人たち』もいるかも…………」

「や、やっぱり……?」

「うん。『特別招待生』はどうしても『特別視』されちゃうからね……」

「うーん…………だよな。シーナ、お前も何か良い案とか無いのか?」

「…………」

「?…………シーナ?」

「…………グー、グー」


「「寝んなよっ!」」


 俺とアイリの絶妙なツッコミが響き渡った。






  「更新あとがき」




こんばんわ。



今日は夜からすごい雨、でも今は雨があがって、ヒンヤリと気持ちの良い風が入ってきてます、


mitsuzoです。



更新しましたが、最近、ちょっといろいろと忙しいので更新頻度が遅れそうです。


という言い訳を先にしておきたいと思いますww



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)


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