表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第二章「王立中央魔法アカデミー(セントラル)へようこそっ!」
41/104

第二章  【040】




  【040】




――教育棟……通称:本館 2F『生徒会ルーム』



 王立中央魔法アカデミー(セントラル)の学生たちが勉学に励む建物の二階部分は、全フロア『生徒会のためのエリア』となっている。


 地球の感覚では考えられないほど、この世界アナザーワールドの……この国での『学生』らの社会的地位は高い。理由は、この国での『学生』とは、将来、国のために戦う『軍人』という構図があるからだ。『地球』…………とりわけ『日本』に住んでいた俺からすれば…………『平和が当たり前という平凡な日常』を送っていた俺からすれば、その感覚はどうしてもついていけない部分がある。


 とまあ、そんな社会的地位の高い『学生』たちにはたくさんの国費が使われており、そのひとつがこの『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』や、その他の地区にもある『学校アカデミー』だったりするのだが、そんな学生の中でも、さらに『特別視』されているのが、この『生徒会』となるらしい(マルコ談)。


 そして、その『生徒会』を束ね統率している、いわば、この『王立中央魔法アカデミー(セントラル)の学生の中のトップ』と言っても過言ではないだろうその人が『生徒会長』……『風属性の名門貴族』である『ヴィクトリア・クライフィールド』である。


 そんな『学生の中のトップ』……『生徒会長』らが、自分たちを探しているこの状況は何なのか? ということを直接聞きに行こうとなり、今、こうして『本館2F』の入口に俺たち三人は立っていた。



「つ、着いちゃったね……」



 アイリが珍しく緊張した面持ちでいらっしゃる…………それだけの人物ってことなのか?


 まあ、寮で見ただけではあるが、アイリのその反応もわからなくもない。しかし……、


「何よ、アイリ、そんなにこの生徒会長が怖いの? らしくないわよっ!」


 と、何も知らないシーナがアイリに発破をかける。


…………無知とは怖いですな。


 シーナは、アイリに発破をかけた後、俺たちの前を歩き、『生徒会室』へと向かい歩き出した。すると、ちょうど、その途中の通路を曲がったところで死角から出てきた人とシーナが軽くぶつかった。


「あいたっ!? す、すみません……」

「す、すまない……大丈夫か?」


 と、シーナとその「ぶつかった相手」が同時に謝った。


「「あっ……」」


 俺とアイリが二人を見て、そんな声を上げた。


「?……何っ?」


 シーナは俺とアイリに向かって尋ねる。すると……、


「か、会長っ! 大丈夫ですか? お怪我は?」


 と、その「ぶつかった相手」の後ろにいた学生から声をかけられていた。


「か、会長……?! ま、まさか……?!」


 シーナもその声に反応し、俺とアイリの反応を理解する。


 170センチの隼人よりも『長身』で、背中まである長い『エメラルドグリーンの髪』…………シーナが「ぶつかった相手」、それは、「王立中央魔法アカデミー(セントラル)生徒会長 ヴィクトリア・クライフィールド」その人だった。



「このくらいのことで騒ぐなっ! こんなもの大したことではない。それよりも……お前、大丈夫か? 怪我はないか?」



『ヴィクトリア・クライフィールド』は、そう言ってシーナに手を差し伸べる。


 シーナも、彼女のその行為や、オーラに圧倒されたらしく、


「あ、は、はい……だ、大丈夫です。ありがとうございます」


 と、「借りてきた猫」のように大人しくなり、ヴィクトリア・クライフィールドの手につかまった。


 シーナの手を取ったヴィクトリア・クライフィールドは、スッと力を入れていないかのようにシーナを立たせると、


「わたしの不注意で危ない目に会わせて悪かった。今、少々、『人探し』していて急いでいたもんでな……」


 と、ヴィクトリア・クライフィールドは笑顔で答える。


 シーナはそんな彼女を見て、少し頬を染めてボーッとしていた。



 そ、それにしても、何だろう……?


 何だか、さっき学生寮で会った時とは「別人」のようなんですが。


 さっきの『勝手に自己解釈する怖い先輩』は、どこへ?



 すると、ヴィクトリア・クライフィールドは、シーナの後ろにいた俺に気づくと、


「んっ? 何だ貴様? どうして貴様みたいな部外者の男子学生がこの『生徒会ルーム』にいる? そうか、侵入者か? そうなんだな? そうか、そうか、では、排除せねばなるまい……」


 寮で会った『勝手に自己解釈する怖い先輩』みつかりました。


「えっ? えっ? ちょ、ちょっと……待って」


 あせる俺を見て、シーナが我に返り、そして、


「ま、待ってください、生徒会長っ!?」


 シーナがヴィクトリア・クライフィールドを止めた。


「んっ? どうした? やはり、どこかケガでもしたのか? もしくは、この男子学生に何かされたか? なるほど、そういうことか……」


 なるほど、どういうことだよっ?!


 おいおい、すぐに『自己解釈するそのクセ』直して、もうちょっと人の話、聞いてくれよ、生徒会長さん。


 こえーよ、ただただ。


「ち、違います。この人はわたしのお兄ちゃんですからっ! 怪しい人ではないですからっ!」


 シーナは、すぐにヴィクトリア・クライフィールドの性格を『察した』らしく、あわてて止めに入る。


「そうか、兄か…………んっ? ということは、もしかして、『シスコンの兄からのセクハラ』についての相談だったか? だったら、話は早い。即刻、この場で『鉄拳反省』させてやろうっ!」


 そんなに話を早くしてまとめんなっ!


 なんだよ『鉄拳反省』って…………それって、ただの『暴力』ですから。


 もう、本当怖い、この人……。


「ち、違います、違います……っ! そういうことじゃなくて…………」


 シーナはさらに必死になって止めに入る。すると、


「んっ? 黒髪……? おい、男子学生……お前、名前は?」

「ハ、ハヤト……ハヤト・ニノミヤっていいます」

「ハ、『ハヤト・ニノミヤ』…………ま、まさかっ?!」


 ここでシーナが説明する。


「はい……そして、わたしはシーナ・ニノミヤ。生徒会の皆さんが探している『特別招待生』です」

「お、お前らが、『特別招待生』の兄妹…………」



 ヴィクトリア・クライフィールドは、やっと理解したようだった。







  「更新あとがき」




こんばんわ。


購入した中古ノーパソが届いたのでつかってますが、辞書登録が大変です


ちなみに「ノーパソ」って「ノーパン」みたいですね


mitsuzoです。



「ヴィクトリア・クライフィールド」……濃いですね~。


果たして、彼女の目的は何なんでしょうかね?


いずれにしても……個人的に好きなキャラです。



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ