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アナザーワールドへようこそっ!  作者: mitsuzo
第二章「王立中央魔法アカデミー(セントラル)へようこそっ!」
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第二章  【034】




  【034】




 一通り、街中をブラブラしていると、アイリが、


「あっ! ねえねえ、あのカフェに入ろうよっ!」


 と提案。


 どうやらアイリは、王立中央魔法アカデミー(セントラル)に入学が決まってから、いろいろと中央区セントラル・エリアで行ってみたいお店などを探していたらしく、このカフェは、そのお目当てのひとつだったらしい。


 特に断る理由もなかったので(実際、この場でお金を出してくれるのはアイリだしね)、俺たちはそのカフェに入った。




 そのカフェは、モノトーンの外観で統一されており、少し、スタイリッシュな雰囲気のある建物で、店内も外観の雰囲気そのままだった。けっこう大人のカフェという感じなので『場違いじゃないか?』とも思ったが、店内はほとんどが学生だったので、少しホッとしつつ、俺たちはメニューから『今日のおすすめケーキ』とコーヒーを注文した。


「やったーっ! ここは前からずっと行きたかったカフェのひとつなのよねー。まさか、入学初日で行くことになるなんて…………『生徒会』様々だよっ!」


 笑えない冗談である。


「ちょっと、アイリ! こっちはそれどころじゃないのよっ!…………って言いたいところだけど、すごく素敵なカフェね」

「でしょー! きっとシーナも絶対気に入ると思ったんだー」


 シーナもアイリに乗っかり、二人はワイワイとカフェを楽しんでいた。


「おいおい、シーナまで乗っかってどうすんだよ。今は、『生徒会対策』のための会議だろ?」


 一応、男一人ということもあり、いまいち、女の子のカフェトークにはついていけないので、すぐに本題を切り出した。


「ごめん、ごめん……そうだね。では、早速始めましょう。コホン…………『第一回緊急生徒会対策会議』~っ!」


 アイリの適当な宣言により、『第一回緊急生徒会対策会議』が開かれた。


……て言うか、『第二回』あるのかよ。


「きゃー、アイリーッ!」


 シーナは、よくわからないが楽しそうという感じだけで、アイリの宣言に拍手で応える。


「ところでさ……すっごく基本的なこと、聞いていい?」


 と、いきなりアイリから俺とシーナに向かって質問を投げかけられた。



「ハヤトとシーナって、どうして特別招待生になれたの?」



 それは、不意打ちで、急所を突く質問だった。


「えっ? ど、どうしてそんなこと、いまさら……き、聞くの?」


 俺は必死になってアイリに『いまさらそんな話してどうするの?』というニュアンスで質問を煙に巻こうと考えていた…………が、しかし、


「いやいや、いまさらも何も……わたし、まだ二人からそのことは聞いていないからね」


 と、アイリが即答で、かつ、はっきりと確認していないと旨を伝える。


 こ、こりゃあ、本気だ……アイリの奴。


『今、ここで確かめる』という覚悟でいやがる。


 俺がシーナのほうを見ようとしたと同時にシーナが質問に答えた。


「そうね、アイリには言ってなかったわね。どうして、わたしとお兄ちゃんが『特別招待生』に選ばれたのかっていう話……」

「うん。そうだよ、だから、聞かせてよ。わたしも参考にしたいからさ」


 アイリは口ではそう言っているが、おそらくそういうことではなく、本心では、俺たちの『正体を暴く』というのが目的なのだろう。考えてみれば、アイリからすれば、俺とシーナは『謎だらけの存在』のはずなのだ。それもそのはず、例えば、さっき話した『マギカライト(魔法封入石)』や『フロートカー』といった話でも、この世界アナザーワールドでは『常識』のことなのに俺たちは知らないのだから。


 そうなると、このアイリを煙に巻くのはたぶん…………無理だろう。


 それ相応の答えじゃないと、おそらく納得しない。


 俺では、到底、対処できないが、ここはシーナの『交渉術』に託すしかない。


 頑張れ、妹よっ!


「あのね、アイリ、わたしとお兄ちゃんが『特別招待生』になれたのは…………」


 ここで、シーナは一息入れ、すぐに続ける。



「『魔法』以外の『力』を持つ存在で…………『天才児ニューエイジ』とも違う存在だからよ」



 !?


 シ、シーナッ!?


 お、お前、それって……、


媒介役メディエーター』、『神通具現化ディバイン・フォース』のことなんじゃ……。



 俺はシーナについ今思ったことを口にしようとした…………が、シーナはそれを察していたらしく、俺をキッと睨み、『余計なことはしゃべるな』というアイコンタクトを送る。


 アイコンタクトって便利。



「ま……『魔法以外の力』?」



 アイリはシーナの答えに理解が追いついていないようだった…………無理も無い。


 俺はそんなシーナのまさかの『カミングアウト』にただただ驚いていた。


 アイリにそんなことを話して大丈夫なのだろうか?


 だが、シーナのことだから、この『カミングアウト』は必要なことだったんだろう……と、シーナを全面的に信頼している自分がいた。



「そうよ。わたしとお兄ちゃんは『魔法以外の力』を持っている。だから、リサ・クイーン・セントリア女王陛下はわたしとお兄ちゃんを『特別招待生』としてこの学校アカデミーに招いてくれたの」



 シーナは、俺たちが『異世界の人間』とか、リサの『天啓メッセージ』とか、リサの母・イヴの『予言ビジョン』の話は触れずにアイリに説明した。


「そ、そうだったんだ……。でも『魔法以外の力』って…………それって何?」

「それは、わたしとお兄ちゃんにもわからないの。『わからないけど力は使える』っていう感じ? なんだけど…………意味わかる?」



「さっぱり」



 そりゃ、そうだ。







  「更新あとがき」




こんばんわです。


更新しましたよー。


mitsuzoです。



二月も変わらず、少しずつ、少しずつ更新していきますねー。



ちなみに。


今、執筆用に使っているPCの動作が鈍く、もう執筆が難しそうなので、新しいPCを購入予定。


しゅ、出費が……。


_| ̄|○



というわけで、本日も読んでいただき、ありがとうございました。


<(_ _)>( ̄∇ ̄)

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