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文学青年・ユキコ
私は服装や見た目、声の低さ、言動から友人からはあまり遊びに誘われない。
最初は気にしていたけれど、もう慣れたので基本的に一人で行動するようになった。
休日は一人で旅に出る。ある日京都でヤスタカという文学を好んでそうな男性に出会った。
ヤスタカは私が今まで出会った男性の中で一番さらっとしていた。
女好きそうでもなくかといって暗いわけでもない不思議な人だった。
私はヤスタカが恋しくなって名古屋から毎週京都に通うようになった。
日差しが強くなった頃、ヤスタカのところに住むようにもなり、京都の先斗町のバーでバイトをしながら過ごした。
バーなのに京都らしいお店だった。制服は着物で夏は浴衣だった。最初は着るのが大変だったけどだんだん慣れてきて普段も着るようになった。
こんなにキラキラしたのは初めてだった。
私は達哉のアドレスを消した。




