SPW・楓
私は月刊誌SPW(spot pictureword)マガジンを担当して3年が経つ。仕事の主な内容は各コラム著者から毎週届く原稿の字体やレイアウトを変えたり内容に合った写真やイラストを載せる編集をしている。
SPWのコンセプトは「言葉+写真=art」なので約150ページの単行本サイズにコラム、小説の連載、写真、イラストが詰まっている。10人の著者にコラムや小説をお願いし一人の持ちページは10ページと他誌に比べて多い。写真は私や著者が撮ったものに加え読者からテーマに沿ったものを募集し選び載せている。
毎月となるとそれはそれはハードだが著者は1ヶ月ごとに続けるかの確認をして毎月少しずつではあるが著者やテーマを変えている。著者はプロアマ問わないがただひとつ条件として「日常」を与えている。要するに普通の生活がフィクションであれノンフィクションであれ書かれていたり映っていること。妖怪や巨大ロボットは出て来ない。そして毎月封入されているアンケートからランキングを作り年に一度総集号を出している。総集号では唯一編集部の者も文章を載せることができる。
昨年の人気No.1は涼花さんの昼夜逆転コラムだ。私は担当者として毎月テーマや更新の話を含め会っているが(涼花さんはちゃんと昼に会ってくれる)涼花さんは一見デキる女性な感じだが中身がとてつもなく変わっている。
そのことを昨年の総集号に私のコラムに書いたところ、かなりの反響があり別冊として涼花特集を組むこととなった。本人の意向とSPWのコンセプトを大切にし 本人の顔写真は載せず、パソコンに向かう後ろ姿や手元の写真を中心に彼女の直筆イラストや原稿も載せた。
特集を組むにあたって自称ミュージシャン 兼 文筆家 兼 役者 の文志くんと一緒に作業を進めた。締切が近づくにつれて私たちは疲れていることを忘れるほど長時間パソコンに向かい、話し合い、コピー機と格闘した。作業開始から2週間、私たちも涼花さんも納得のいくものができた。
この仕事は休みなんてない。けれど、この達成感がたまらない。だから続けられるのだなと気づいた。
これが仕事への答えだった。
さて、来月号に取りかかろう。




