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パート6

(42)上り坂

  屋敷へ続く上り坂。

  植え込みの中から突然現れた、赤い薔薇を持つ白ランの美形男。

白ラン「残念ながら、ここから先へは通すわけにはいかない。」

ノリコ「おっ、お前は野上高校生徒会長!」

樹麗「ノリコ、ここはこの蓮皇樹麗にまかせなさい。」

白ラン「ほう、お前が噂に聞く、成り上がり蓮皇財閥のひとり娘か。」

樹麗「そのような口が聞けるのもいまのうちだけですわ。」

  スッと立つ樹麗。前に突き出した手には紫のリップスティック。


(43)変身シーン

樹麗「チェィンジ・ロォータス、ルージュ・アップゥ!」

  テーマ曲が流れ、ルージュ・ロータスにルージュ・アップ。


(44)42と同じ

  紫のジュリ扇を手にすっくと立つルージュ・ロータス。

ロータス「口先男は、このわたくしルージュ・ロータスが成敗して差し上げますわ!」

白ラン「ふっ…口先と格好だけは一人前だな! …ゆくぞ!」

  ハッと気がつく間もなく、薔薇を投げ捨てて突進してきた白ラン。

  驚くルージュ・ロータス。

白ラン「奥義、ジェット・ラリアート!」

  下から襲うラリアート。ルージュ・ロータス、扇子に腕を交差させて受けるが、吹っ飛ばされる。

  スローモーションで植え込みに突っ込むルージュ・ロータス。

4人「樹麗!」

  白ラン男、サッとふりむいて前髪を跳ねる。歯が光る。

白ラン「さあ、お嬢さんがた。私はこんな風に女性に暴力をふるうのは嫌いだが、帰るつもりが

 なければ一人づつ潰していくぞ」

ロータスの声「お待ちなさい、愚か者」

  驚いて振り返る白ラン男。

  植え込みから立ち上がり、汚れを払うルージュ・ロータス。

ロータス「いきなり奥義を使うとは、味なことをしますわね…おかげで服が汚れてしまいましたわ」

白ラン「なるほど、さすがにあれだけではまだ倒せないというわけか」

  スウッと扇を構えるルージュ・ロータス。

白ラン「貴様の必殺技は知っているぞ。扇を使った”パープル・スラッシュ”、はたして私に通じるかな?」

  ニヤリと笑いを漏らすルージュ・ロータス。

ロータス「甘いわ! 必殺、すーぱー・パープル・スラッシュ!」

  背中を見せながら左右に体をひねって肘・拳・膝・足・首を一瞬で叩く必殺技。

  白ラン男、咄嗟に上着を脱いでこれを受け止めるが、首の一撃だけかすってしまう。

  驚いて飛び下がるルージュ・ロータス。

白ラン「ムウ…やるな!」

  一瞬で上着を着て、首のホックをぱちんと止める。襟元に血がひとすじ。

ロータス「わたくしの裏奥義をここまで完璧に受け流すとは、褒めてあげてよ」

白ラン「光栄だね。ではお礼に私の究極奥義」をお目にかけよう」

  緊張するルージュ・ロータス。

白ラン「タァァッ!(横回転して突進)エルボー・スピン・キック!」

  旋風がせまり、肘と蹴撃が襲う。

ロータス「ああっ!」

  全身に連打を受ける、ルージュ・ロータス。

  旋風が収まると、膝をついている白ラン男。

  ユラリと倒れかかるルージュ・ロータス。

白ラン「私にこの技を使わせるとは、たいした女だ…しかしここまでのようだな」

  だが、ルージュ・ロータスは倒れる寸前で踏み止どまる。

白ラン「なにっ!」

ロータス「わたくしは…わたくしは、敗北という言葉がこの世で一番嫌いですの…」

  ふらつく足に力を入れて、必死に立つ。

ロータス「素敵ですわ…ここまでの技を駆使する貴方…敵でさえなければ、素敵な恋が芽生えたかもしれませんのにね。」

  ルージュ・ロータス、白ラン男にゆっくりと近づく。

  あせる白ラン男の頬に、ルージュ・ロータスの手のひらがふれる。

ロータス「残念ですがお別れですわ。(エコーかかりまくりの声で)究極奥義、パープル・ブリーズ…」

  画面がネガポジ反転し、レントゲンで首の骨がが折れるシーンが。

  スローモーションで倒れる白ラン男。

  ゆっくりと広がる土けむり。

  サッと扇を開くルージュ・ロータス。

4人「やったあ!」

ロータス「さあ、先を急ぎましょう!」


(45)彫像が並ぶ庭

  駆け込んでくる5人。

カンフー「待ちな!」

  驚いて立ち止まり、身構える5人。

  彫像の台座にすわっていた、カンフー服の痩せた男。

カンフー「よくここまで来た。だが、お前たちもここまでだ。ケガしないうちにとっとと帰りな。」

麒麟「そうはいかないんですう!」

  前に出る麒麟。

麒麟「悪いのは、そっちなんですからぁ!」

カンフー「悪いのがどっちだろうが、(拳を出して)決めるのはこいつだ」

麒麟「許さないですぅ!」

  サッと握った手に銀色のリップスティック。


(46)変身シーン

麒麟「チェンジっ・マグっ、ルージュっ・アップぅっ!」

  テーマ曲が流れ、ルージュ・マグにルージュ・アップ。


(47)45と同じ。

マグ「悪いと知ってて悪いことする人は、ルージュ・マグが許さないんですぅ!」

カンフー「女子供といえど容赦はせんぞ!」

  彫像の間の空間に立ってピシッと構えをとるカンフー男。

  はっとするマグ。

マグ「す…隙が、ないですぅ…」

カンフー「どうした、来ないのならこっちから行くぞ! はぁぁぁっ、旋風拳!」

  大振りで振った拳からカマイタチが走る。

マグ「きゃあっ、ですぅ!」

  痛みにあとずさってそのまま地面に転がるルージュ・マグ。

4人「麒麟!」

カンフー「フン、口ほどにもない… さあ、次はどいつだ」

  だが、後ろで立ち上がるルージュ・マグ。

  はっとおどろくカンフー男。

マグ「もう怒ったですぅ!」

  驚いてる隙にカンフー男のふところに飛び込んでしまったルージュ・マグ。

マグ「必殺、超光速往復びんたぁっ!」

  カンフー男の顔面を、凄まじい往復ビンタ。

カンフー「ぶっ!」

  飛びさがり、彫像を小盾に立つ。口もとから血がひとすじ。

カンフー「なるほど、見てくれに騙されては危ないというわけだな」

マグ「わかったら、さっさと降参するがいいのですぅ!」

カンフー「ふっ…」

  素早く左右に走るカンフー男。

マグ「はっ!?」

  速度についていけず、戸惑うルージュ・マグ。

ノリコ「麒麟、危ない!」

  その瞬間、カンフー男が後ろからルージュ・マグを抱えあげて天高くジャンプ。

カンフー「裏奥義、イズナ落とし!」

  落ちる瞬間、身をひねったルージュ・マグ。

マグ「裏奥義、ワン・トゥ・マッハパンチ!」

  パンチの連打がカンフー男の顔面を捕らえる。空中で離れるふたり。

  別々に地面に叩きつけられる。

4人「麒麟!」

  カンフー男がふらりと立ち上がる。

カンフー「あの状態から反撃するとは、見上げた魂だ…だがどうやら、これまでのようだな」

  まだ立ち上がれないルージュ・マグに近寄るカンフー男。

カンフー「可哀相だが、敵に情けは無用。我が究極奥義、爆裂拳ですみやかにあの世に送ってやる」

4人「麒麟!」

  充分に距離を取り、スッと拳を引くカンフー男。

  その瞬間、顔を上げるルージュ・マグ。

  ハッと驚くカンフー男。

  そのまま土煙を蹴立てた助走、地を蹴って突進するルージュ・マグ。

マグ「究極奥義、人間魚雷アタックっ!」

  頭を弾頭にした体当たりがカンフー男の腹部に命中。そのままカンフー男の背中が彫像に激突、彫像が砕ける。それでも

  止まらず、次々と彫像が砕け散る。

  瓦礫の中に倒れる。ふたり。

  ゆっくりと手をあげるカンフー男。だが、その手はガクッと地に落ちる。

  起き上がって、にっこり笑うルージュ・マグ。

4人「やったぁ!」


(48)玄関前

  野上邸が見えてくる。西洋の城のような建物。その入口の前に仁王立ちの、古代ギリシア風の服装の男。

ギリシア「お前たちが来るのを待っていた。オレはいままでの相手とは違うぞ。」

沙羅香「まあ…女を誘うのに、そんななってないセリフはありませんわ。」

  スッとさげた指先には、桃色のリップスティック。


(49)変身シーン

沙羅香「チェンジ・チェリー、ルージュ…アップ!」

  テーマ曲が流れ、ルージュ・チェリーにルージュ・アップ。


(50)45と同じ

チェリー「ヤボな男はさっさと寝てしまいなさいな!」

ギリシア「なめるな!」

  いきなり両腕を広げて飛びかかってくるギリシア男。

  フワリとよけるルージュ・チェリー。

チェリー「そんなに焦って抱きつくと、女は嫌がるものよ」

ギリシア「ふんっ!」

いきなりバックハンドで拳が。

チェリー「あっ…!」

  こめかみにヒット。キリキリとバランス

  を崩すルージュ・チェリー。

4人「沙羅香!」

  辛うじて立つルージュ・チェリー。

ギリシア「ほう、さすがにこの程度ではこたえないとみえる」

チェリー「顔は女の命…その命を傷つけるなんて、許しません! チェリー・ストーム!」

  突然飛び散る桜の花びら。ギリシア男に

  バシバシ当たる。

ギリシア「ふん、こんな程度の技が効くか!」

  花びらをかき分け進んでくるギリシア男。

  あっと驚いたルージュ・チェリーのすぐ

  目の前に迫るギリシア男。

ギリシア「スクリュー・アッパァーッ!」

  拳から竜巻が発生し、それがルージュ・チェリーのあごをとらえる。

4人「沙羅香!」

  ふっとばされるルージュ・チェリー。

ギリシア「残念ながら、お前では役不足だったようだな。」

  勝ち誇って立つギリシア男。

チェリー「(かろうじて立ち上がりながら)そんな台詞は、とどめをさしてから言うものよ…」

ギリシア「ほう? まだ負けを認めない気なのか」

チェリー「負けたと思うまで、人間は負けないわ」

  前に手をかざすルージュ・チェリー。

チェリー「花よ…蝶よ…炎となって敵を焼き尽くせ…裏奥義、オメガ・バタフライ!」

  再び花びらが風に乗って飛び散る。

ギリシア「そんな技は効かないと…むっ?」

  巨大な蝶の形に集まった花びらが、炎を発してギリシア男を包むように襲う。

ギリシア「うぉわぁぁぁっ!」

チェリー「どう? さすがに炎には勝てないんでなくて?」

ギリシア「なんのぉぉぉっ!」

  ギリシア男、腕をクロスさせて炎を突破。

  目にも止まらぬ早さでルージュ・チェリーに突進。

ギリシア「ソニック・クラーーーッシュ!」

5人「きゃぁぁぁぁぁっ!」

  轟音と閃光。目を塞ぎ、耳を伏せる4人。

  音と光がおさまり、おそるおそる目を開ける4人。

  ブスブスと体から黒い煙を立てているギリシア男。

  その足もとに、煙に包まれて倒れているルージュ・チェリー。

ギリシア「フン…しょせんは女か」

  立ち去ろうとすると、ルージュ・チェリーの指がぴくりと動く。

  立ち止まるギリシア男。

  ゆっくりと立ち上がる、ルージュ・チェリー。

チェリー「これでとどめのつもりとは、呆れた男ね」

ギリシア「口だけは達者だが、足もとがふらついているぞ」

チェリー「なんの…あなたにとどめというものを見せて上げるにはこれで充分よ…」

  ルージュ・チェリーの指が宙に円を描く。

  その指先から伸びるリボン。

チェリー「ハート・ブレイク・ホィップ…」

  そのリボンがギリシア男の体に絡みつく。

ギリシア「ふっ、こんな子供だまし…何っ?」

  突然身をよじるギリシア男。

ギリシア「ぐぅわぁぁっ! なんだ、この激痛は! うぎゃぁぁぁぁっ!」

  のたうちまわるギリシア男。

  やがて動きが遅くなっていき、ついに止まってしまう。

チェリー「これがとどめというものよ…よく覚えておきなさい」

  手元に戻したリボンにキスするルージュ・チェリー。

ノリコ「さあ、邸内に突入よ!」


 (CF)

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