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パート5

(35)野上高校

  学園際の日。なぜか派手に花火を打ち上げてる。

  にぎわっている校内。

  私服姿でうろついてる五人。

樹麗「(紫の扇で口もとを隠しながら)しかし、生徒会室にどうやって入り込むつもりですか?」

麒麟「(両手を広げて大げさに)そうですぅ。それに、受け渡しのタイミングに合わせないと、奪還は難しいのですぅ。」

左馬子「(焼きそばをほおばりながら)でもさあ、そんな面倒なことしないで、金庫ごと奪ってきちゃえばいいじゃない。」

樹麗「おバカ…。事件の黒幕を見つけてたたかないと意味が無いじゃないの」

ノリコ「(バナナキャンディを食べながら)茶店かなにかをやってる、生徒会室のちかくの部屋でねばって様子を見ていればいいんじゃない?」

沙羅香「さいわい、生徒会室の前の部屋ではカジノが行われてますわ」

ノリコ「いつの間にそんなこと調べたの?」

沙羅香「突入のとき、そこで誰かが馬鹿勝ちして注目を集めていれば、たやすく侵入できますわ」

左馬子「そんなに巧く馬鹿勝ちできるわけないじゃない」

  沙羅香、どこからか一着のタキシードをとり出す。

沙羅香「この服には、馬鹿勝ちするためのあらゆるシステムが組み込まれています」

樹麗「わたくしにはちょっと小さいですわ」

麒麟「私には大きいですぅ」

ノリコ「肩幅がちょっとねえ」

沙羅香「ご安心ください、婦人はこちらで」

  どこからか取り出されるドレス。


(36)カジノ入口

  中から聞こえてくる喚声。

左馬子「で、なんで私だけ男装なの?」

沙羅香「女ばかりの集団では目立ちすぎますもの」

左馬子「(タキシードの襟を直しながら)目立つのが目的でしょ?」

ノリコ「馬鹿勝ちしてる一人だけが目立てばいいのよ。他の4人は、突入準備。」


(37)カジノ

  スロットマシンが回る。

スロット「ちーん! ちーん! ちーん!」

ノリコ「あー、もう、なによ! ぜんぜん勝てないじゃない!」

  横で、麒麟のスロットがフィーバー。


  カルタテーブル。

  樹麗、カードを広げる。

樹麗「クィーンのスリー・カードですわ」

ギャンブラー「悪いね、フラッシュだ」

樹麗「くぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

やじ馬A「お嬢さん、もうやめたほうが…」

樹麗「冗談ではありませんわ、わたくしともあろうものが、負け通しで終わってたまるものですか!」

  チップをガン!と積む樹麗。


  ルーレット台。

  タキシードの左馬子とドレスの沙羅香。

  衆人注目のなかで、ルーレットがまわる。

ディーラー「赤の7」

左馬子「やったあ!」

  チップが集められる。

沙羅香「(耳打ち)作戦成功だわ、左馬子。目立ってるわよ。このまま馬鹿勝ちし続けなさいな。」

左馬子「わかってる、わかってる! こんなに勝っちやうと、もう楽しくて楽しくて…」

  クスっと笑う沙羅香。ふと、気がついて席を離れる。

  スロット台のノリコに近づく沙羅香。

沙羅香「来ましたわ、生徒会室に誰か」

ノリコ「OK、いくわよ麒麟」

麒麟「はいですう」

  カルタテーブルでは、相変わらず負け続けてる樹麗。

ノリコ「樹麗、来たわよ」

樹麗「だめですっ! 勝つまでは!」

ノリコ「そんな…」

沙羅香「ノリコ、急がないと…」

  ノリコ、樹麗を諦めて出ていく。


(38)生徒会室

  金庫が開けられ、権利書が出される。

野上高生徒D「これです」

重役「ご苦労。これで、皇高校の土地はわれわれ野上財閥のものになるってわけだ」

  一同、低い笑い。

秘書「重役様、早速野上会長に報告して役所に登記に行きましょう」

重役「ウム」


(39)カジノ

  馬鹿勝ちを続けている左馬子。

  周囲の人たち、だんだん疑いの目。

  タキシードを着たカジノ用心棒ふたりが左馬子の後ろへ。

左馬子「なに?」

用心棒「ちょっと来ていただきましよう」

左馬子「げ…」


(40)カジノ入口

麒麟「ノリコ、急がないといけないですぅ」

  そこから、左馬子が引っ立てられてるの

  が見える。

ノリコ「あ…あの馬鹿…」

沙羅香「大丈夫。こんなときの用意もできてます」

  沙羅香、謎のスイッチを押す。


(37)カジノ

  左馬子のタキシードから閃光がはしり、盛大に晒涙ガスが噴き出す。

  カジノは大パニック。


(38)カジノ入口

  涙ながして咳き込みながら樹麗が出てくる。

ノリコ「わかったわ。敵は野上財閥!」

樹麗「チッ…この貸しは必ず返していただきますわ!」

  麒麟が、咳き込んでる左馬子を引きずり出してくる。

ノリコ「さあ、行くわよ!」


(39)野上邸

  重役の乗った車が入っていく。

  追うようにやってきた五人。

  鎖帷子を仕込み黄色いスカーフをした一見ニンジャ風の男が出てくる。

ニンジャ「何の用だ、勝手に入ることはゆるさん」

ノリコ「今入った重役さんに用事があるの」

ニンジャ「あやしい奴め!」

  サッと飛び出す分銅鎖。

  飛び退く五人。

ノリコ「何するのよ!」

ニンジャ「(にやり)怪我をする前に帰るんだな」

ノリコ「くっ…5人の男とやらのひとりね!」

  ニヤリと笑うニンジャ男。

左馬子「ノリコ、ここは私に任せて」

ニンジャ「ムウ? 貴様などがこのオレにかなうとおもっているのか?」

  左馬子、サッと横に伸ばした指先に緑のリップスティック。


(40)変身シーン

左馬子「チェーーンジ・リーーフ、ルーージュ・アーーーーーップ!」

  テーマミュージックが流れ(笑)、ルージュ・リーフにルージュアップ。


(41)39とおなじ

リーフ「風に舞う木の葉、ルージュ・リーフ参上!」

ニンジャ「小癪な!」

  分銅が飛ぶが、ルージュ・リーフ、身軽にこれをよけてバク転・側転・前宙。

ニンジャ「うぬっ、やりおるな!」

リーフ「今だっ! 奥義、リーフ・ターン・ヒール!」

  バク宙かましてカカトで蹴る必殺技。

ニンジャ「はっ!」

  ニンジャ男、鎖でこれを受ける。

  鎖は切れるがルージュ・リーフも跳ね跳ばされる。

4人「左馬子!」

リーフ「なんのっ!」

  ルージュ・リーフ、身軽にバク転・側転して、タッと膝をつく。

ニンジャ「ふっ、なかなかやるな!では我が必殺技を受けてみよ!」

  5人の顔に不安が走る。

ニンジャ「吹けよ嵐、呼べよ稲妻! ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(タメ)、トォールネェードッ・ハリケェェェェン!」

  両腕に竜巻が発生し、ルージュ・リーフにぶつかる。

リーフ「きゃあああっ!」

4人「左馬子!」

  竜巻に跳ね飛ばされたルージュ・リーフ、

  激しく壁にたたきつけられ倒れる。が、口から血を流してふらふらと立ち上がる。

ニンジャ「ホウ…まだ立ち上がるだけのたましいが残っているか」

リーフ「まだ…負けてはないわ!」

 (注:同人TRPG『バトル野郎』ではHP兼行動力を「魂」と呼びました)

ノリコ「左馬子!」

  ルージュ・リーフ、指で口もとの血を拭うと、ウィンクして親指を立てる。

ニンジャ「む?」

  ルージュ・リーフ、さっと立って両腕をクロスさせる。

リーフ「受けてみなさい、私の究極奥義! 必殺・グリーン・リーヴス・トルネード!」

  大量の落ち葉を舞わせ、ルージュ・リーフの逆立ち連続旋風脚が顔面に激しく連打。

ニンジャ「ぐぅおおおお…!」

  顔面から激しく血を噴き出して倒れるニンジャ男。

ニンジャ「ふっ…やるな、ルージュ・リーフ。まさか俺がまけるとは…(ガクッ)」

  スタッと地に膝をつくルージュ・リーフ。

リーフ「また人を蹴ってしまった…」

  しかしそのまま、ふらっと倒れそうに…。

  ささえるノリコ。

麒麟「左馬子ちやん、やったですう!」

リーフ「ノリコ…」

ノリコ「ありがとう、左馬子…」

  門をこじ開け入っていく5人。


 (CF)

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