表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第5話 #5 や、嫌だ…

「それは…」

 『祐樹』って…私には呼べない。

そんな力、私には無い。

「…昔はよく、『祐樹君』って、呼んでくれてたのにな…」

 少し、寂しそうな顔。

その顔に、私の胸が、呼吸が止まりそうな程に締め付けられる。

早く、阿久津君から、離れなきゃ…

そう、思う。

一緒にいると、何故か、息が苦しくて、胸が痛くて、死んでしまいそうだ。

「……っ……」

 阿久津君の手が、私の頬に触れる。

「如何しても、ダメか?」

 悲しそうで、でも優しい声に、身体が融けるんじゃないかと思った。

「や、嫌だ…」

 阿久津君の手から逃れようと、後ろに引く。

「ひゃっ!」

 足元の鞄に躓く。

「危な…」

 そのまま、後ろに倒れる。

「え…」

 目の前に、阿久津君の顔があった。

「あ…」

 阿久津君が耳まで赤くなる。

「え…と…」

 上から覆い被さる様な体制のまま、阿久津君が言う。

「とりあえず、すみません。」

「…なんで謝るの?」

「いや、何か…」

 少し神妙な表情(かお)で、続ける。

「傷ついた…みたいな顔、してるからさ…」

 …そう思ってるなら…

「まず、離れてくれないかな…?」

「うわ、悪い!」

 阿久津君が私から離れる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ