表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/138

桜の木の下で



爆笑通信・増刊号EX 次章


「笑って、まる。」配信スタート!


徳島支部・インコ一家もママトーク参戦

「笑って、まる。」の配信が始まったその日。

小倉家のリビングでは、光子、優子、美香、美鈴、さおり、小春たちが、配信チャートの伸びを見ながらざわざわしていた。


スマホもタブレットも通知が鳴りっぱなし。

SNSには「泣いた」「救われた」「朝から聴いてる」のコメントが次々に流れていく。


優子が画面をのぞきこむ。


「うわ、これほんとに広がっとるやん……」


光子も目を丸くする。


「“母たちの歌”って紹介されとったのに、普通に会社員さんとか学生さんにも刺さっとる」


美香が静かに頷く。


「“できた日も、できん日も、まる”って、誰にでもあるもんね」


美鈴

「うん。“母”って言葉から入っても、最後は“今日を生きた人みんな”に届く歌なんやろうねぇ」


そのときだった。


リビングの大画面モニターが、ぴこん、と鳴った。

画面の隅に、見慣れた文字が出る。


《徳島支部 接続中》


優子

「来た」


光子

「このタイミングで来るってことは、絶対なんか言いに来とる」


画面が切り替わる。


徳島支部の特設台。

その上に、きっちり並んでいるのは、せきちゃん閣下、せいちゃん姫、しらゆき、きびまる、あわみのインコ一家だった。


しかも全員、今日は妙に落ち着いている。


一拍置いて、せきちゃんが首をぴっと上げて口を開く。


せきちゃん

「こんばんはー。徳島支部でーす。せきちゃん、かっこいい」


優子

「最後の自己紹介だけいつも通りやん!」


光子

「でも入りが普通にうますぎる!」


せいちゃん姫が上品に羽を整えながら続ける。


せいちゃん

「“笑って、まる。”、よかったですねぇ。せいちゃん、朝からじーんとしました」


小春

「せいちゃん姫、感想が落ち着いとる」


さおり

「しかも、ちゃんと曲名言えてるの強い」


しらゆきがちょこんと前に出て、少し首を傾げる。


しらゆき

「しらゆきはね、“できた日も、できん日も”のとこ好き。あれ、いい。やさしい」


美香

「うわぁ……なんかその短い感想の方が沁みる」


アキラ

「言葉数少ないのに、評論が本物やん」


きびまるは待ちきれないようにぴょこぴょこしている。


きびまる

「きびまるはね! サビ好き! まる! まる! ってなる! あとピヨって入りたい!」


優子

「そこ参加希望なんや!」


光子

「きびまる、毎回“自分の入りどころ”考えとるよね」


あわみは少し遅れてから、ぽつりと言う。


あわみ

「……わらって、まる。すき」


一瞬、博多側が静かになる。


美鈴

「……あわみちゃん、その一言ずるいわぁ」


朱里

「静かに刺してくるタイプやね」


詩織

「余白ごと持っていく感じ、すごい」


そこへ、せきちゃんが堂々と羽を広げた。


せきちゃん

「せきちゃんも、言う。ヒナ育てるとき、できた日も、できん日も、ある。ピヨが食べん日もある。飛ばん日もある。……でも、まる!」


優子

「待って、せきちゃん閣下、めっちゃええ話しよる」


光子

「今日は“かっこいい”だけで終わらんやん」


せいちゃんも頷く。


せいちゃん

「そうそう。“ちゃんと育っとるかなぁ”ってなる日、あるんですよ。インコも、お母さん、いっぱい考えるんですよぉ」


美香、思わず胸に手を当てる。


「やっぱりそうなんや……種族超えて一緒なんやね」


小春

「なんか、せいちゃん姫の話、普通にママ友会で聞くやつやん」


さおり

「しかも、すごく分かる……」


きびまるが割り込む。


きびまる

「でも、いっぱい鳴いて、いっぱい食べたら、まる!」


光子

「結論がシンプルでよかね」


あわみ

「……いっぱいねて、まる」


美鈴

「それも大事!」


しらゆき

「しらゆき、思う。泣いても、鳴いても、わらっても、まる。歌、そう言ってる」


優子が、ふっと笑って目を細める。


「うん。そうやね。

それ、うちらが言いたかったこと、そのまんまや」


そのタイミングで、札幌支部の画面もつながる。


小雪の膝の上にはメロン。

後ろにはスノーが丸くなっている。


小雪

「札幌も参加します。メロン、さっきからサビのたびにしっぽ振ってます」


メロン

「にゃー」


光子

「はい、札幌も高評価」


江津支部からは、ももちゃんも登場。

画面の向こうでぴしっとおすわりしている。


「もも、あいさつ!」


ももちゃん

「ワン!」


「今の“まる”って意味!」


優子

「江津は翻訳ざっくりやな!」


徳島支部のせきちゃんが、ももちゃんの方を見てすぐに言う。


せきちゃん

「ワンも、まる! ピヨも、まる! にゃーも、まる! せきちゃんも、まる!」


光子

「最後しっかり自分入れた!」


美香

「でも、なんか今日のせきちゃん閣下、ほんとまとめ役やね」


せいちゃん姫も続ける。


せいちゃん

「“笑って、まる。”、インコ家族会議で満場一致でした。徳島支部、推します」


優子

「インコ家族会議って何」


きびまる

「ある! ちゃんとある!」


しらゆき

「きびまる、昨日しゃべりすぎて退場なった」


光子

「会議荒らしとるやん!」


きびまる

「でも今日は、まる!」


あわみ

「……きょうは、まる」


もう全員、笑うしかなかった。


博多のリビングでも、東京支部の篠崎店長の画面でも、札幌の小雪の部屋でも、江津の春野家でも、同じ笑いが広がっていく。


笑って、泣いて、また笑う。

そのまんまの時間だった。


優子は、赤ちゃんたちの寝息を聞きながら、そっと言った。


「なんかもう……人も犬も猫もインコも、みんなで“まる”になっとるね」


光子も頷く。


「うん。

この歌、ほんとに“誰かを責めんための歌”になったんやね」


その空気の中で、最後にせきちゃん閣下が、カメラ目線でびしっと締めた。


せきちゃん

「できた日も、できん日も、まる!

笑って、まる!

せきちゃん、かっこいい!」


優子

「はい、最後それで締めるの完璧!」


光子

「徳島支部、今日も安定稼働!」


こうして、「笑って、まる。」は

母たちの歌であり、家族の歌であり、

そしていつの間にか、人間の言葉をまねしながら生きるインコ一家にまで届いた歌として、爆笑発電所の春を代表する一曲になっていった。





爆笑通信・増刊号《ママトークSP 第二部》


テーマ:血より“濃い”絆 〜環奈・塁ファミリー×小倉家ファミリー〜


(優子宅スタジオ/公開生放送)


(ジングル「ぶはぁ&うにゃ・ラプソディII – family mix」)



オープニング


優子(MC):「ここからは“家族ぐるみバージョン”! 血縁の枠を軽やかに飛び越える——環奈&塁ファミリーの登場です!」


光子(MC):「美香お姉ちゃんの“高校の同級生”にして、わたしたちには“もう親戚以上”。宗像塁&環奈、そして大輔(5)・美咲(3)!」


(拍手+ベビー鈴コロコロ/陽翔&結音が手を振る)



コーナー①「出会いの音、いまも鳴っとる」


美香:「高校の文化祭でね、塁が照明、環奈が衣装、私がトロンボーン。終演後の廊下が暑くて、みんなでアイス半分こしたの、覚えとる?」


環奈(笑):「“音楽やる人って、だいたい腹ペコ”の名言、そこで生まれたもんね」


塁:「あの日から、相談も失敗も“全部共有”。家族って、名字じゃなくて分け合った時間の総量やと思う」


美鈴(頷く):「そう。“笑って泣いて、めし食べた回数”が、親戚にしてくれるんよ」


(スタジオ、温かい拍手)



コーナー②「呼び名の距離感」


大輔:「ぼくは“みかママ”って呼ぶよ。えへん!」


美咲:「わたしは“みかしゃん”でも“みかママ”でもぶはぁ〜でも、なんでもOK!」


美香(笑):「幅広い!」


光子:「こっちは“光子おば…”」(陽翔&結音に見られて)

……“光子おねえちゃんでお願いします!”


優子:「こっちも“優子おねえちゃん”で統一!(圧)」


(全員:爆笑)



コーナー③「ファミリー行事=合同でやる」


環奈:「誕生日も七五三も、だいたい合体開催。写真見返すと、毎回フレームに誰かの変顔がいる」


塁:「運動会の弁当、うちの唐揚げが即刻消え、気づけば小倉家のいなり寿司で満たされる、みたいな物々交換も恒例」


美鈴:「家族って、料理が混ざり合った時点で、もう“同じ食卓の人”やけんね」



コーナー④「チビたち乱入:ぶはぁ&うにゃの連弾」


(カメラ、キッズコーナーへパン)


美咲:「ひのちゃん、だいしゅき〜! ぶはぁ〜!」

灯乃:「ふにゃっ(片目ウィンク)」

陽翔&結音:「ぶぁっくしゅん!(シンクロ)」

燈真:「うにゃ〜(低音)」


大輔(胸張って):「みんな、整列〜! ぼくが“笑顔たいそう”リーダーや!」


――全員、謎のえりょじゃい魔王ダンスで場内崩壊。


優子(笑い泣き):「いま幸福濃度が法定値超過してる!」



コーナー⑤「血より“濃い”瞬間ベスト3」


第3位:連絡が“用件なし”で来る夜


環奈:「“生存確認”って送るだけのDM。返事が“既読”でも安心するやつ」


第2位:叱る役目を“シェア”できる


美香:「大輔がいたずらした日は、私が“みかママ”として叱る。逆に、うちの春介・春海は環奈にたしなめてもらう。大人の声色が増えると、子どもも“社会”を覚える」


第1位:痛い・嬉しい・悔しいを“同時配信”


塁:「成功も失敗も、同時視聴。喜ぶタイミング、寄り添うタイミングが自然と揃う」


(会場うんうんの嵐)



コーナー⑥「Q&A:血縁じゃない“家族”づくりって?」


Q:距離感、むずかしくない?


美鈴:「“できることを言う・できないことも言う”。正直がいちばんの礼儀」


Q:呼び方、どう決める?


美香:「子どもに選ばせる。呼ばれて嬉しいなら採用、モヤるなら微調整」


Q:トラブル起きたら?


環奈:「“誰が悪い”より先に、“一緒に片付けよう”を言う。同じチームって確認する」



コーナー⑦「ミニライブ:家族賛歌《となりに座る》」


作詞:環奈

作曲:美香

コーラス:全員

手拍子:キッズ


血の字はなくても

隣の皿に手がのびたら

ねぇ わたしたちは家族だね


ぶはぁとうにゃが合いの手で

きょうの夕焼け 同じ色


(間奏:笑い声と鈴。ラストで赤ちゃん二人が同時に「あー」)


優子(小声):「完璧……」



クロージング「家族宣言」


光子:「名字もルーツも違うけど——一緒に笑えた回数で、家族になれる」


環奈:「“親戚以上”って、今日も更新されたね」


塁:「これからも同時視聴・同時爆笑で」


美香:「困ったら言う、嬉しかったら見せ合う。以上、“わたしたちの取り決め”です」


美鈴:「笑って、前へ。そして、ごはんは分け合って。」


(拍手。ジングル「Light of Smile – family chorus」)



番組後記(SNS告知)


・アーカイブ配信:今夜22時

・新曲《となりに座る》ライブ音源を期間限定公開

・投稿募集:#わたしたちの親戚以上(“血より濃い瞬間”エピソード)

・次回予告:「チビキッズ六人+ベビーズ“初・ちょこっとステージ”生中継!」








― “えりょじゃい魔王”より静かなる午後 ―


優子の家の庭にある一本の桜の木。

ファイブピーチ★が結成された年に、完成記念として植えたその木は、まだ幹も細く、枝もかよわい。

けれど、今年の春――はじめて小さな花をいくつも咲かせた。



春の昼下がり


「ねぇ拓実、今日天気いいけん、ちょい花見しよっか」


優子が笑顔でそう言うと、拓実は娘の灯乃を抱えながらうなずいた。


「ええね。外の空気、ちょうど気持ちええ」


光子も合流し、翼がレジャーシートを広げる。

ふわっと風が吹いて、桜の花びらがひとひら落ちるたび、陽翔と結音が手を伸ばして追いかけた。



小さな宴


お弁当の中身は、優子の手作りおにぎりと、光子が朝から仕込んだ唐揚げ。

燈真と灯乃のために、潰したにんじん入りの“ぷにぷに団子”も添えられている。


「おいしそう〜!」

「ママ、はやくたべよ〜!」


陽翔と結音の元気な声が、庭いっぱいに響いた。

燈真と灯乃は、まだおすわりしながらマグでミルクタイム。

柔らかい春風の中で、みんなの笑顔がゆるやかに溶け合う。



ギャグの風も少し


「……っていうか、今年の花見テーマ、“静かにおだやかに”やろ?」


光子がツッコむ。


「去年、“花びらキャッチ大会”で陽翔が唐揚げまるごと投げたやん」


「うん。でも今年は――」


その瞬間、結音が満面の笑みで立ち上がり、両手を広げた。


「えりょじゃいまおう〜!」


「出たぁぁぁーー!!」


優子が慌てて制止するも、陽翔がすでに謎のダンスモードに突入。

燈真と灯乃が拍手、翼が腹を抱えて笑い、拓実がスマホで撮影開始。


「タイトル決まりやな」

翼が笑いながら言う。


「“桜の下でえりょじゃい魔王2028”」


その日、また新たなバズ素材が生まれた。



エンディング


笑いの波が落ち着くころ、光子が桜の木を見上げた。


「ほんと、よう咲いとるね。この子たちと一緒に、ちょっとずつ育っとる感じがする」


優子はその言葉にうなずきながら、灯乃の手をそっと握った。


「ね。……この桜が満開になるころ、うちらも、もう少し大人になっとるかもね」


風がやさしく吹き抜ける。

花びらが舞い、赤ちゃんの笑い声とまじりながら、午後の光の中に溶けていった。







庭さくら・ちょい花見 続編


レジャーシートの端で、陽翔が唐揚げを見つめて“えりょじゃい手”を構えた、そのとき——

門扉の方から聞き慣れた声。


美鈴「おじゃましまーす! 桜、咲いとるねぇ〜」

優馬「おぉ、ここが“伝説の花見会場”か。今日は投てきなしで頼むばい」


光子「お父さん、先に釘刺すのやめて!」

優子「いらっしゃい。ちょうど“静かな回”しよったとこ」

拓実(小声)「※すでにダンス一回やってます」


美鈴がしゃがんで手を広げると、結音が一直線にトテトテ——。

ちいさな手で、美鈴の手をむにっと触って、ほわっと笑う。


結音「ばあちゃんのおてて、すべすべ〜」


一拍、間。

全員の心が溶けて、どっと拍手と笑い。


美鈴「あらぁ〜もう、そんな褒められたら保湿クリーム十年分買うばい!」

優馬「スポンサーはお父ちゃんか?(財布確認のフリ)」

陽翔「じい、ぼくにもすべすべ代〜」

優馬「なんやその新制度!」


燈真が「うにゃ〜」と合いの手、灯乃が片目ウィンク「ふにゃっ」。

環境音:春の風、花びら、みんなの笑い声。


光子「はい、それじゃ“家族写真・すべすべ記念ショット”いくよー!」

優子「合図は結音で!」

結音「せーのっ——すべすべ〜!」


カシャッ

画面いっぱいの笑顔と、小さな桜色。


SNS投稿文案:


#ちょい花見|ばあちゃん“すべすべ”認定

結音→史上最年少ビューティーリポーター就任(非公式)

うにゃ審査員(燈真)&ふにゃ審査員(灯乃)も高評価でした。


コメント欄(抜粋):

・「尊さが肌触りに変換された瞬間」

・「保湿案件コラボは草」

・「“すべすべ代”の導入を求む」

・「じいのリアクションが職人芸」


最後、優馬が湯呑みを掲げる。


優馬「春に、家族に、そして“すべすべ”に、かんぱーい!」

全員「かんぱーい!」


——桜の下、笑いは今日も満開。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ