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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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陽翔と結音、まだ見ぬ命への愛情

タイトル:『ふわもちぷにすけ&ぶはぁ美咲、産婦人科を笑いで制圧するの巻』

(2047年・初夏/福岡・青柳・柳川家御用達産婦人科)



福岡・博多南の静かな住宅街にある、青柳・柳川ファミリー御用達の産婦人科。

この日、待合室は朝から妙にそわそわしていた。


受付スタッフが、カルテ棚の陰で小声になる。


受付スタッフ「……今日、来るんですよね。あの……伝説の……」


看護師が、笑いをこらえる顔でうなずいた。


看護師「うん。ふわもちぷにすけ。しかも今日は――“ぶはぁ美咲”も一緒らしい」


受付スタッフ「酸素……いりますかね」


看護師「笑いすぎて息できん方の酸素やね。念のため準備しとこ」


そんな会話が終わったところで、入口の自動ドアが静かに開いた。



最初に入ってきたのは、青柳光子と柳川優子。

ふたりとも、いまはお腹がはっきりと丸くなり、歩くたびに日常のリズムが少しだけゆっくりになっている。


そしてその横――


陽翔が、得意げに小さな手を振った。

結音ゆのんは、よちよちの足取りでバランスを取るように一歩ずつ進み、時々ふにゃっと笑って見上げる。


さらにその後ろから、ベビーカー。


押しているのは宗像環奈。

ベビーカーの主は――宗像美咲。

“ぶはぁ美咲”の異名を、すでに地元の噂が勝手につけている一歳児だった。


ドアが閉まる、その一瞬前。


美咲が、肺の奥から世界を揺らす勢いで言い放った。


美咲「ぶはぁっ!」


待合室の空気が、一回止まった。


隣の妊婦さんが、思わず背筋を伸ばす。

年配の付き添いの女性が目を丸くし、口元に手を当てる。


おばあちゃん「わぁ! いまの何!? 空気砲!?」


光子は小さく笑って、肩をすくめた。


光子「ごめんなさいねぇ……開幕から炸裂しちゃった」


優子は、すでに笑いそうな顔で頬を押さえる。


優子「美咲ちゃん、今日もエンジン全開やん……」


環奈は慣れた顔で、ベビーカーのハンドルを軽く揺らした。


環奈「寝起きから発声練習しとるけんね。止められん」



陽翔と結音ゆのんは、待合室の壁に貼られたマタニティポスターを見つけると、ふたりで顔を寄せて“作戦会議”を始めた。


陽翔(うちなる声)

「ゆのん、見てみぃ。赤ちゃん、ぽんぽんの中でぷかぷかしとる」


結音ゆのん(うちなる声)

「ほんとやねぇ。うちらも、あんなふうにしとったっちゃろか」


陽翔(うちなる声)

「おかーしゃん、たぶんその頃から“ぶはぁ”の練習しとったで」


結音ゆのん(うちなる声)

「うちのまんまは“うんばぁ胎教”やろ。たぶん負けとらん」


そこへ、ベビーカーから声が割って入る。


美咲(うちなる声)

「ぶはぁ〜ん。ふたりとも、まだ甘い。呼吸が浅い。腹からいけ」


陽翔と結音ゆのんが、同時にゆっくり振り返る。


陽翔(うちなる声)

「……師匠、きょうもキレッキレや」


結音ゆのん(うちなる声)

「この人、すでに“ぶはぁ界”のトップやねぇ」


美咲(うちなる声)

「進化するなら、ついておいで」


待合室の妊婦さんたちが、じわじわ笑い始める。

看護師たちはカルテを書きながら、肩を震わせる。

受付は一瞬だけ顔を伏せ、再び顔を上げたときには、すでに目が笑っていた。



ほどなくして、看護師が呼ぶ。


看護師「青柳さん、柳川さん、宗像さん、どうぞ〜」


三人のママが立ち上がる。

それと同時に、三人の小さな付き添いも、なぜか一斉に背筋を伸ばした。


陽翔は胸を張って、敬礼のようなポーズ。


陽翔「まんま出陣! 準備完了っ!」


結音ゆのんは両手をぎゅっと握って、真剣な顔でうなずく。


結音ゆのん「まんま、“ぶはぁスマイル”忘れずに〜!」


そして――美咲。


ベビーカーの上で、まるで指揮官のように小さな手を掲げた。


美咲「ぶはぁっ!」


看護師が、声を出して笑いそうになって口元を押さえる。

受付スタッフが、完全に顔を背けて肩をぷるぷるさせている。

待合室の端の男性が、咳払いをして平静を装うが、目尻が崩れている。


光子が、苦笑いで陽翔の頭をなでた。


光子「まだ生まれんけんね。今日は検診ばい」


優子も結音ゆのんに小声で言う。


優子「出陣やなくて、心音チェックやけん。ライブ会場じゃなかよ」


環奈はベビーカーを押しながら、静かに言った。


環奈「美咲、今日は控えめに――」


美咲「ぶはぁ」


環奈「……無理やね」



診察室に入っていく三人の背中を見送ったあと、待合室に残った三人は、それぞれ“役割”を勝手に決めていた。


陽翔は入口の椅子の前で、ずっと待機。

結音ゆのんはベビーカーの横で、何度も頷いている。

美咲は、時々「ぶはぁ」と小さく言っては、自分で納得した顔をする。


通りすがりの妊婦さんが、笑いながらつぶやいた。


妊婦さん「……なんか、ここだけ別番組みたい」


隣の妊婦さんが、涙目でうなずく。


妊婦さん「今日、健診なのに……癒やしと笑いが強すぎる……」



やがて、診察が終わる。


青柳光子、柳川優子、宗像環奈が戻ってきた瞬間――

待合室の空気が、舞台のカーテンコールみたいにふくらんだ。


看護師が笑顔で告げる。


看護師「みなさん順調です。赤ちゃんたちも元気いっぱいですよ〜」


その言葉を聞いた瞬間、三人の小さな付き添いが顔を見合わせた。


息を合わせる。

間を合わせる。

まるで、何度も練習してきたみたいに。


陽翔・結音ゆのん美咲ハモって

「ぶはぁ〜&うんばぁ〜おめでと〜ございますぅ〜!」


一瞬の沈黙。

次の瞬間――待合室が爆笑に包まれた。


妊婦さんが腹を抱えて笑い、

付き添いの家族が拍手し、

看護師が思わず立って手を叩く。


診察室の医師がカーテンの隙間から顔を出し、状況を理解した瞬間、目だけで笑って引っ込んだ。


誰かが、ぽつりと聞こえる声で言う。


「笑いで胎教って、本当にあるんかもしれんね」



午後。


病院の公式SNS(院内向けの控えめな投稿)が、こっそり更新された。


【本日の出来事】

青柳家・柳川家・宗像家ご来院。

院内が笑いとあたたかさに包まれました。

ふわもちぷにすけ&ぶはぁ美咲、伝説更新。

#ぶはぁ胎教 #うんばぁ診察 #笑いの聖地



帰り道。


三人のママが並んで歩き、ベビーカーの車輪が、舗道の小さな段差で軽く跳ねた。

初夏の陽射しは眩しく、空気は少しだけ甘い。


光子が笑いながら言った。


光子「もう……完全に病院中笑い転げとったね」


優子が肩をすくめる。


優子「うちらの子やけん、しゃあないやろ。どこ行っても“爆笑通信”になる」


環奈はベビーカーを見下ろして、ため息まじりに笑った。


環奈「うちの娘、ステージ出たら開幕“ぶはぁ砲”確定やね」


陽翔(うちなる声)

「師匠、次はどこでライブする?」


結音ゆのん(うちなる声)

「全国回る? “ベビーハーモニー笑撃ツアー”やねぇ」


美咲(うちなる声)

「ぶはぁん。のった」


三人のちいさな声が、風に溶けていく。

その後ろで、光子と優子のお腹の中の命が、またほんの少し――返事をした気がした。


笑い声があって、手があって、帰る場所がある。

それだけで、未来はちゃんと、明るいほうへ進んでいける。


博多の空の下。

ふわもちぷにすけと、ぶはぁ美咲。

三人の“ちいさな発電所”は、今日も満タンで稼働していた。




タイトル:『新しい命の名前を、君たちへ』

(2047年・初夏/青柳・柳川家リビング)



静かな夕方だった。

カーテン越しの光が、リビングの隅々までやわらかく伸びて、畳の目に沿って淡い影をつくる。

テーブルの上には、検診でもらったエコー写真。

白と黒の粒の中に、確かに「そこにいる」と分かる小さな輪郭が映っていた。


青柳光子はソファに座り、膝の上に陽翔をちょこんと乗せている。

陽翔は落ち着きなく揺れながらも、写真の上に伸びる光に目を奪われ、時々ぱちぱちと瞬きをした。

隣では柳川優子が結音ゆのんを抱き、ゆっくり背中をさすっている。

結音は優子の胸に頬をつけ、安心した顔で指先だけを動かしていた。


窓の外は、夕焼けに向かう途中の色。

薄い金色が空に残っている。

家の中には、遠征準備の名残も少しだけあった。読みかけのメモ、畳んだままのリスト、そして、ふたりのママの呼吸がいつもより丁寧になっていること。


光子が、エコー写真を指先でそっと押さえた。

まるで、写真の向こうの命に「ここだよ」と伝えるみたいに。


光子「陽翔。もうね、赤ちゃんの名前、決めたとよ」


陽翔が顔を上げる。

目がまんまるになって、口が小さく開いた。


陽翔「ほんと? どんな名前〜?」


光子は笑い、写真の端を少し持ち上げた。

陽翔にも見えるように、角度を変える。


光子「燈真とうま

“燈”は灯りの“ともしび”。“真”は、まっすぐの“ま”。

小さい灯りでも、まっすぐ人を照らせる子になってほしいっちゃ」


陽翔は、エコー写真をじっと見た。

じっと、じっと。

たぶん本人の中で、「赤ちゃん」と「名前」と「これから」を、一生懸命つなげている。


しばらくして、陽翔は小さな声でつぶやく。


陽翔「とうまくん……かわいい〜」


それから、光子のお腹に頬をすり寄せた。

お腹の丸みに、ほっぺがぺたんとくっつく。


陽翔「とうまくん、はるとの弟やけんね。いっしょに、ぶはぁ〜れんしゅうしよーね」


光子は、吹き出してしまった。

笑うと同時に、胸の奥が熱くなる。


光子「胎教ギャグ、もう始まっとるやん……」


陽翔は何がそんなに面白いのか分からない顔で、でも光子が笑ったから嬉しくて、短く「えへ」と笑った。



その横で、優子が結音ゆのんに視線を落とす。

結音の髪の毛はまだ柔らかくて、指を通すとふわふわ揺れる。

優子は結音の手をとり、自分のお腹へそっと導いた。


優子「ゆのん。うちの赤ちゃんはね、まだ性別がわからんの」


結音はきょとんとしながら、優子のお腹を見つめる。

小さな手が、ぺたん、と当たる。


優子「でもね、もし女の子やったら灯乃ひの

男の子やったら悠翔ゆうと。そうしようって話しとるんよ」


結音は、言葉を追いかけるように、口をもごもご動かした。

そして、にっこりする。


結音「ひのちゃん……ゆうとくん……かわいいねぇ」


言い終えたあと、ちょっと考え込むように首をかしげる。

その仕草が、まだ「考える」より先に「まねっこ」に近いのに、でも、確かに結音の中に気持ちがあるのが分かる。


結音(うちなる声)

「ひのちゃんは、おひさまみたい。ゆうとくんは……うんばぁ、できるかな」


優子が笑って、結音の頬を軽く指で押した。


優子「どっちが来ても嬉しいね。ゆのんの弟か妹やけん、いっぱい遊んであげてね」


結音は胸を張る。

まだ胸なんて張れていないのに、気持ちだけは大きく。


結音「まかせとって。“うんばぁ道場”入門、すぐさせるけぇ!」


優子が肩を震わせる。

笑いながら、抱きしめた。


優子「道場て。まだ、ゆのんが一番弟子やろ」


結音は、よく分からないまま誇らしそうに「うん」とうなずく。



陽翔が、光子のお腹をなでる。

結音も、優子のお腹をなでる。

ふたりの小さな手が、まるで“確認”するみたいに、そっと、そっと動く。


陽翔「とうまくん、はよ出ておいで〜!」


結音「ひのちゃんか、ゆうとくん〜。うんばぁのれんしゅう、しよ〜!」


光子と優子は顔を見合わせて、ふっと笑う。

言葉の端々に、育っていく家族の形が見えるから。


光子「ねぇ、優子……うちら、ほんとに幸せやね」


優子「うん……こうして笑いながら、“命のリレー”できるって、最高やね」


言い終えたとき、窓の外の色が少しだけ濃くなった。

夕焼けが、街をそっと染め始める。

そしてその瞬間――


光子のお腹が、ほんの小さく動いた気がした。

確かに「今、返事した」と感じるほどの、わずかな合図。


光子は息を止め、優子も同じように息をのむ。

ふたりのママが見つめ合うより早く、陽翔と結音が反応した。


陽翔がぱっと顔を上げる。


陽翔「いま、うごいた?」


結音も目を丸くする。


結音「うごいた?」


そのまま、ふたりは息を合わせた。


陽翔&結音「とうまくん、ひのちゃん(ゆうとくん)! ぶはぁ〜!!」


リビングに、幼い声が跳ねる。

その声に、光子と優子の笑い声が重なる。

笑いながら、泣きそうになる。泣きそうになりながら、笑ってしまう。


まだ見ぬ命の名前が、今この瞬間、家の中でちゃんと居場所を持った。

ふわもちぷにすけのふたりは、もう兄姉デビューの準備を始めている。


夕焼けが窓を染める。

畳の匂いの中で、笑いと愛の胎動が、静かに、確かに響いていた。





タイトル:『ちいさなチューと、おおきな愛』

(2047年・初夏/博多・青柳・柳川家リビング)



穏やかな午後だった。

カーテンの隙間から、やわらかい陽射しが床に落ちて、畳の上に小さな手と足の影を描いている。窓の外では、遠くの車の音と、どこかで鳴く鳥の声が薄く混ざって、家の中だけ時間がゆっくり流れていた。


青柳光子と柳川優子は並んで座り、それぞれお腹に手を当てて微笑んでいた。

妊娠週数は進み、丸みははっきりしている。けれど、ふたりの表情は軽い。緊張よりも、日々の小さな出来事を大事に抱えている顔だった。


その前にちょこんと座るのは――ふわもちぷにすけコンビ、陽翔はると結音ゆのん

二人とも、まだ言葉はたどたどしい。けれど目だけはまっすぐで、まるで「分かってるよ」と言うみたいに大人を見上げる瞬間がある。


光子が、陽翔の髪をそっと撫でてから、腹のふくらみに手を添えた。


光子「陽翔〜、この中にね、赤ちゃんおるとよ」


陽翔は光子のお腹を見つめて、指先で“ちょん”と触れた。

それから嬉しそうに、少し歌うみたいに言う。


陽翔「あかたん〜? まんま、ぽんぽん〜♪」


光子が笑って頷くと、陽翔はお腹を“ぽんぽん”と優しく叩いた。

叩くというより、確かめるみたいな触り方だった。


陽翔「とうま……おる? はると、にいにい〜

いっしょ〜に、あそぶ〜。ぶはぁ〜も、するぅ〜!」


「とうま」――その名前を言えたことが、陽翔自身の誇りみたいに響く。

光子の目尻が自然に下がった。


光子「うん……きっと燈真も、笑っとるね」


陽翔はお腹を見つめたまま、小さな口を“むにゅ”っと近づけ――


ちゅっ。


畳に落ちる陽射しの中で、やわらかい音だけがした。


陽翔「とうま……だいちゅきぃ〜」


光子は、笑いながら息を吸って、でも笑いだけでは足りなくて、目が少し潤んだ。


光子「陽翔……ありがとう……まんま、燈真も喜んどるよ」



その横で、優子が結音を抱き上げて、自分のお腹を少し見せるように抱き直した。

結音は優子の鎖骨のあたりに頬を寄せていたが、赤ちゃんの話が出ると、ふっと顔を上げる。


優子「ゆのん〜。うちのお腹にもね、赤ちゃんおるんよ。

ひのちゃんか、ゆうとくんか、まだ分からんけどね」


結音は両手をお腹にぺたんと当て、目をきらきらさせながら小さく言う。


結音「あかた〜ん……こんにちは〜

ゆのん、おねえたんよ〜。いっしょ〜に、うんばぁ〜するぅ〜」


優子が笑いながら「やさしか〜」と結音の頬を撫でる。

すると結音も、真似するように小さな口で――


ちゅっ。


結音「だいちゅき〜」


優子は胸に手を当てて、小さく息をのんだ。

言葉にすると大げさになるから、笑ってしまうふりをしたけれど、声が少し震えていた。


優子「……こんな小さな愛が、こんなに大きいんやね」


光子が隣で、そっと頷いた。

ふたりの間に、説明しなくても伝わるものがある。



そのとき、玄関のほうから聞き慣れた声がした。


優馬(光子の父)「ただいま〜! お土産のプリン買うてきたばい!」


美鈴(光子の母)「ま〜たプリン! 冷蔵庫パンパンやけんね〜!」


続けて、別の足音と声。


拓実(優子の夫)「おーい、ただいま! おっ、陽翔と結音、今日も元気やな〜!」


翼(光子の夫)「ん? ……なんやこの、ほっこり空気」


四人の大人がリビングを覗き込むと、そこには――

お腹をなでながら微笑むママたちと、ちいさな“ちゅっ”を終えて照れる陽翔と結音の姿。


一瞬、誰も大きな声を出せなかった。

その静けさが、逆に可笑しくて、次の瞬間いっせいに笑いが弾けた。


美鈴「あら〜……まぁ……かわいかこと!」


優馬「将来、絶対モテるばい、こりゃ!」


拓実「うちの娘もやるなぁ。チューのタイミング、完璧や」


翼「いやぁ……DNA、完全に“笑いと愛の配合”やね」


四人の大人は笑いながら、目尻が少し赤い。

照れくささと、胸がいっぱいになる感じが、同時に来る顔だった。



光子と優子は、ふわもちぷにすけをそっと抱き上げた。

陽翔は光子の肩に頬を寄せ、結音は優子の腕の中で小さくうなずく。


光子「燈真、もう安心やね。陽翔が、やさしいおにいちゃんになるけん」


優子「ひのちゃんか、ゆうとくんもね。結音おねえたんが守るけぇ」


陽翔と結音は、もう一度だけ、それぞれのお腹をなでた。

まるで「約束のしるし」みたいに。


陽翔&結音「あかた〜ん……だいちゅき〜」


その声に、家族全員の笑い声が重なって、リビングいっぱいに初夏の匂いみたいな温もりが広がった。

窓から入る風がカーテンを揺らし、そのたびに畳の影がゆらゆら動く。


まだ見ぬ命は、今日も静かにそこにいる。

ちいさなチューと、おおきな愛に包まれながら。











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