家々で
玄関で立ち話も何だからと、中へ入れてくれた、竹畑さん。古民家の中は、広めの二間続きの部屋で、手前に炬燵やTVがあり、奥は襖が、閉めてあった。昔の家は大体がこんな作り。今は結婚式場やセレモニーホールなんかで式を挙げたり、会食をしたりするけど…昔は、その家々で、冠婚葬祭なんかをしていた。健蔵さんは、俺たちに缶ジュースを出してくれた。
「貰ったんだ。はなちゃん、ぶどうジュース…果物のジュース飲めるかな?」
「はい♪」
「なら…後で上げるよ。沢山あるんだ。」
「ありがとうございます♪」
…子供に優しい、竹畑さん。日和光さんが、竹畑さんに聞いた。
「健蔵さんの孫ちゃんって、はなちゃんくらい?」
「うん。息子夫婦が暮れに帰省して大騒ぎしてね。賑やか過ぎて参ったよ…。普段静かだから…だけど帰ったら帰ったで寂しくて…。矛盾してるけどね。」
「そうだよねぇ…寂しいよね…。あ、健蔵さん、前に見せてくれた、家系図…見せてくれる?」
家系図??そんなのあんの?
「いいよ。日和光さん…また教材で使うのかい?」
「ちょっと調べ物♪」
…日和光さん、遠慮しないな。健蔵さんが、席を離れた後で…。
「…もし、家系図に名前があれば…」
「?名前?」 「うん。」
家系図を手にした、竹畑さんが戻ってきた。家系図を炬燵のテーブルに広げて見てみる…。
…家系図なんて初めて見るけど…健蔵さんには、奥さんと…子供が2人…。その上には、健蔵さんのご両親…その上に…更に…。
「…ねぇ健蔵さん。この…いねさんって…誰?」
「…この家の主人だった人。竹畑家は、女系なんだよね…。だから、男が少ない…。いねさんは、この竹畑家の方で、確か三女だったかな?」
三女?あれ?…この時代って…確か?
日和光さんも俺と同じ事を思っていたのか、健蔵さんに聞いた。
「珍しいね。この時代に…。上に誰か居なかったの?」
「どうもね…上の子達は嫁に行って…彼女だけが残った。それで、婿を貰い、この家を継いだ…。」
「なるほど…。この方が…お婿さん…」
「…お婿さん…」 「?」
よく見ると…いねさんの主人は、仙吉さんと言う方が、お婿さんに来ていた。
「…やっぱり、違うかぁ…もしかして?と思ったけど…(汗)」
ヘコむ、日和光さん…。その様子に健蔵さん
「?違うって…何かあったのかな?」
…ちゃんと話すか…(汗)
「あの…竹畑さん…。実はですね…。」
俺は、今までの経緯を話した。真剣に聞いてくれた、健蔵さん…。すると…
「小野寺さん、日和光さん、はなちゃん…ちょっときてごらん?」
健蔵さんが、俺らをある所に連れて行ってくれた。




