春告花
3月19日火曜日…。はなと寺に向かう…。雪解けが、かなり進んだ街中…。だけど、山に近いこの寺はまだ沢山雪が残っていた。駐車場の片隅に積み上げられた雪の山。まだまだ溶けそうも無かった。だけど、春になってきてると少しずつ感じる。所々に見える土からは、草の芽が…。寺の玄関の外に、日和光さんがいた。手には新聞を持っていた。俺たちに気付いて、声をかけた。
「おはよう。いらっしゃい。」
「おはようございます。日和光さん。」
「おはようございます。」
ちょっと早い時間だったのか?車の時計は、確か…10時半だった…。
「それ…何ですか?」 はなが日和光さんに聞いた。
「新聞だよ。」 「新聞?」
分からないはな。すると、日和光さんが
「読売とか…瓦版とかなら分かる?」
「はい。」 「それが、これ。」
「そうなんですか…。」
新聞を手にした日和光さんと中へと入る…。下駄箱の上にあった、盆栽が、花を咲かせていた。
「梅。ここ暖かいから、咲いたんだ。…春告花か。もう少ししたら、外の梅も咲く。」
日和光さん、嬉しそうだな…。
「春が来たんだな。」
振り返ると、光庵さんが、立っていた。
「はい、新聞。」 「ありがとう。」
日和光さんが、光庵さんに新聞を手渡した。
「…どうぞ中へ。…白夜が、お茶を点てていたから、ご一緒にいかがでしょうか?」
「…はい。頂きます。」 「…?」
茶をたてていたって…抹茶…だよな。緊張していたのが、バレたのか、日和光さんが、笑いながら俺に言った。
「んな緊張しなくて大丈夫だよ。普通に飲むから。…光庵さんが茶を点てたなんて話すから、小野寺さん、緊張してるよ(笑)」
「はは…。すまない。」
…(汗)…。何時もの和室に通され、白夜さんがお茶を出してくれた。抹茶だった。高そうな茶碗…。なんか、砂糖菓子まで付いていた。
「和三盆の落雁か。梅だね。後、桜か。」
日和光さんが、梅の落雁を口に運ぶ。その後に、抹茶を飲んだ。日和光さんと同じようにって…なはは、抹茶を先に飲んで…
「苦い…(汗)」
それを見た、白夜さんと光庵さんが、笑っていた。
「はなちゃんには、ホットミルクの方が良かったかしら(笑)」
「…そうだね(笑)」
…初めての味に戸惑うはな。それから、はなは、抹茶が苦手になった。ふと思ったけど…白夜さん達、普通に横文字も話せるんだな…。




