なべ
3月と言えど、夜はまだまだ寒い…。…盆地だからか、夏は暑く冬は極寒…。寺から帰る時も、やっぱり寒かった。夜、アパートに山本が来た。
「はなちゃん治って良かったな。」 「うん。」
俺が夜飯の支度をしていた時、はなは、計算ドリルをしていた。山内は車に行って、電話の対応していた。オンコール…訪問看護をしている山内は、週に1回、職場から預けられたスマホを手にアパートに帰る。夜に自宅で看護を受けている患者が具合が悪い時に、家族から連絡が来て、その自宅に向かい、患者の状態を見て、対応し処置。医者にも連絡し、指示を受けて、処置に当たる事も…。他にも、土日や祝日などに、患者の件で医師が指示をしたい時に、その担当と連絡が着かない場合、そのスマホに連絡がくる。担当以外でも、情報は共有しているから、相談する事が可能で、翌朝、担当者に報告をし、担当者が患者の元へ向かう…。山内が車から戻ってきた。
「…大丈夫なのか?」
山本が山内に聞いた。
「あぁ。明日受診させるよ。」 「明日?」
「うん。」
聞き耳を立てていた俺…。
「今日でなくて?」
「…本人が病院に行くのを拒否してるんだと。だから、夜は薬を服用してもらって、様子見してみるよ。医師からもOKもらってる…。前にもあった症状だから、間違いないだろうって、医師は話してた。本人も解ってるから。」
「?本人?」 「患者、俺の元上司…。」
「…キツイな」 「うん。」
…山内たちに声をかけた…。
「め…ご飯出来たから…。」 「!お手伝い!」
ドリルに夢中になっていたはな。山内が
「はなちゃんは、ドリル閉まってね。怜くん、なんか手伝う?」
「テーブル拭いてくれ。」 「うん。」
「俺も手伝う。」
「ポータブルのガスコンロ、持って行って。流しの上の、戸棚にあるから。」
「分かった。」
…テーブルの準備が出来た。土鍋をガスコンロから、テーブルのポータブルのガスコンロに運ぶ。鍋つかみをした俺の手を見たはなが…
「?手袋?」と言って、見ていた。この鍋つかみ…安かったから買ったヤツ。山本が、コンロに火を着けてくれた。
「はなちゃん熱いから…気をつけてね?」
山内が、はなに教えた…。熱々の鍋の蓋を取る。
フワッと立ち上がる湯気と美味そうな匂い。今日の晩飯、みぞれ鍋。鍋を見たはな…。
「…美味しそう♪」
熱々の鍋を早く食べたそうにしていた。




