はなの過去
はなが、蔵から居なくなった…。一体…
「戻りますよ。」 光庵さんが俺に声をかけた…。我に変える俺…!
「はなは…?!」 「…時の亀裂に落ちました…。」
「…時の亀裂…?」 「…部屋に…戻りましょう。」
…光庵さんが俺を、あの部屋へと戻ろうと、話した…。「教えて下さい…。時の亀裂ってなんですか?」
「本来ならありえない事なのですが…空間に亀裂が生じた…。その亀裂を生じさせたのは、あの地震です…。地鳴りが鳴り響いた。その振動…波動が、あまりにも強かった…。その亀裂の隙間に、はなちゃんが、落ち…気が付いたらこの時代に…。…戻りましょうか…。」俺に背を向けて、はな達の居る部屋と向かう…。
ありえないって…っていうか…はなを買った?ど…どういう事だ?部屋へと戻ると…はなは、白夜さんと居た。月光さんと日和光さんも、はなの側に居た。
「おかえりなさい。こちらも終わった所ですよ…。」 白夜さんが光庵さんと俺に、話した。
「ありがとう。」 ?終わったって何が?
「小野寺様…」
白夜さんは、俺を見て…はなの事を教えてくれた。
「はなちゃんが、持っていたあの袋…あれは、はなちゃんの母親が、はなちゃんに、何かあった時に、見せるようにと、はなちゃんに持たせていたの…。」
悲痛な表情の白夜さん。
「…はなちゃんは、ここに来ていました。この時代、この辺りには、まだ小学校が無く、この寺のいわば、寺子屋に来ていた…。はなちゃんは、その帰りに誘拐され…そのまま、売られてしまった…。買ったのは、裕福な家の息子…。はなちゃんを自分の使用人にしていた…。満足な食事は愚か、劣悪な環境に閉じ込めていた…。機嫌が悪ければ、はなちゃんに当たり散らしていた…。蔵に閉じ込めたあの日は、はなちゃんにお酒を運ばせていて、はなちゃんが躓いて、こぼしてしまった。それがあの息子を怒らせた…。」
はなにそんな事を…。はなを見た…。はなは、日和光さんと月光さんと、花瓶にさしてある木を見ていた…。
「…あの地震が起きた時…あの蔵もその家も無くなった…。崩れ落ちた…。はなちゃんは、恐くなって、外に逃げ出そうとして、蔵の扉から出た…。…そして…時の亀裂に落ちた…。そのまま、訳も分からず、走って、そのまま、光の塊に飛び込んだ…。着いた場所が、小野寺様のアパートだった。」
白夜さんの話はそれで終わった…かと思いきや…
「小野寺様…あなたは、はなちゃんの…。」
…?…




