暗やみ
はなに歯磨きをさせた。明日、はな用の歯ブラシと歯磨き粉を買わないと…。今使っているはなの歯ブラシは、大人用だから、子供用の歯ブラシと歯磨き粉を買う…。歯磨きをしているはな…。口をゆすぐ…。
「はなちゃん、口開けて?」 「?」
分からないか…。俺が口を開けて見せた。真似するはな…。…虫歯無いな。…洗面所から戻り、はなを寝室へと連れて行く。布団を敷いて、シーツをセット。シーツと布団の間に、ダニよけを入れた。このダニよけが効けばいいが…。枕カバーを付け、はなを寝かせた。眠たそうにしていた、はな。掛け布団を掛けた。
「おやすみ。」 「おやすみ…?」
…布団に入り…スグに眠りについたはな…。
電気を常夜灯にして、寝室を出た。山内が…
「寝たようだね。さっき、調べたら、はなちゃんが生まれた、明治時代は、和装から、洋服へ。食事も洋食なんかが出てきたのもこのあたり…。後、社会制度なんかも変わっているな。…文明開化…。」
「なるほど。文明開化と言われた時代か…。」…?…寝室の扉を見た俺…。あれ?はな?はなが起きてきた。俺と山内を見たはな…。炬燵から出る俺…はなに近寄っ?!
はなが抱きついてきた?!震えてる?
「はなちゃん、どうしたの?」
「…」 何も話さないはな。寝室を見てみた…。すると、あ、常夜灯が消えていた…。電球が切れたらしい…。確か、替えあったハズ…。さっきのハサミを入れて置いた、キャビネの引き出しから、新しい常夜灯の電球を取り出すと、寝室に行き、電球を替えた。新しい常夜灯にすると、安心したのか、また寝室の布団に戻ってきたはな…。寝かしつけ…居間へと戻る…。その様子を見ていた山内が…
「暗やみが怖いのかもな…。」 暗やみ…。あ、そう言えば…俺は、山内に
「そう言えば、はな、肉屋に行ったら泣いたんだ。」 「肉屋で?」
肉屋での出来事を話す。「はな、肉屋の駐車場に着いた途端泣きだしたんだ。目の前は、壁だったが…。」
「…壁?」 「うん。」
…山内も俺も、その意味が分かるのは、あの昔話しを観てからだった。




