思い出したように
昼休憩後のミーティング。…あの17号の患者に対して、今後どうしていくか話し合いをチームで話し合った。今回入院してきた17号の患者は年齢がここでは、若くて、治療を拒み続けていた。その理由の1部が分かった。由美子さんが教えてくれた。
「彼は、元々、病院嫌い。で医者に対して、不信感しか無いの。」
それだけ家族が話してくれた。他は教えてくれなかったと言う。…医者に対して不信感…か。
「返って、畏まらず、柔軟に対応した方があの患者の場合は、いいかもね。」
「そうだね。無理強いさせないで。」
「ただ、リハビリはどうしよう?」
「そこは本人次第…かなぁ。」
…あーしよう、こーしようと…気がつけば午後14時になっていた…。
午後のバイタル?…!?…あ!こまさん?!205号室に居るはずのこまさんが、独歩で病室を出てきた!手すりに捕まりよろよろ…。ヤバい転ぶ!焦り走りそうになりつつも、歩いてこまさんの所へ向かう。この時、走って患者の元に行くと、かえって驚かせて、転倒するリスク大…。だから歩いて行く。
「こまさん、どうしたの?」
「腹減った。…」
…こまさん、これしか言わないのか(汗)
「お腹空いたの?」 「腹減った…」
…な…なんか、某アニメの、サル?みたいな話し方…(汗)…他の看護師も来てくれた。
「こまさん、TV観に行こう。」
「腹減っ…た。」と…俺の顔をジィ~と…?何かを思い出し…
「おやつ」
(汗)…その場を離れ、205号にある車椅子を取りに行く。ここの病室の入口には車椅子を置ける専用のスペースがある。そこから車椅子を手にした。ストッパーを外し…?あれ、ミサ…ミサさん?!
慌てて、車椅子から手を離して、ミサさんに近寄る!ミサさんが身体を起こして、ベットコントローラーを手にしていた!その時に、コントローラーのボタンの部分を握ったからか、ベットの高さがMAXに…!!ミサに話しかけた。
「ミサさん?どうしたの?」
「…トイレさ行く…。」
…トイレ?…って、オムツ…だよな。
「ミサさんどうしたの?」
振り向くと、ミサさんの今日担当の看護師が立っていた。
「あ、良かったです。あ、こまさん…」
「車椅子に乗せたよ。…ミサさん、コントローラー触った?」
「みたいですね。」
「後で、コントローラーに注意書き貼るよ。」
担当看護師に話を聞きながら、コントローラーを使い、ベットを低くした。
「…寝たきりだけど…何するか分からないね…。」
本当…マジで思う…(汗)




