はね
13時30分、ナースステーションでチームのカンファレンスをする。その後に午後のバイタルチェックに向かう。201号室のAベット。70代後半の男性患者。心不全で入院していた。午前中…最後のバイタルチェックをした…。…昨日の受け持ちが記録していた情報。一昨日からあまり食事を取らず、昨日も食事に口を付けずにいた。…今日から点滴を始めていた。またバイタルチェックをする…。血圧が低い…。呼吸も浅いし…意識も…怪しい。…相談する事に。ナースステーションにいる、桜チームのリーダーの元へ。チームリーダーに相談した。
「医師に連絡します。後転室させましょう。モニターも準備してね。私も手伝います。」
「はい。」
助手さんにも手伝ってもらう事に。
「201Aベットを212号へ移動しますので手伝いをお願いします。」
「分かりました。」
201から212へ患者を移動した。医師に来てもらい診察。リーダーより家族に電話して来てもらう。
おべんとうをたべた後、ちょっとお休みした。お休みが終わるとレクリエーション?をした。
「バトミントンをしましょう。」
バトミントン??やってみた。たのしい♪落ちてきたの…?とりのはね?がついていた
212号室前での廊下で医師が家族…奥さんに患者の容態を話した。
「…分かりました。しなくて大丈夫です。…よろしくお願いします。」
「分かりました…。」
医者はそれ以上は何も言わなかった。
医者がナースステーションへ行った後…病室に奥さんと入る。その入る前に…
「…やっと…解放される…。」
俺にそう言った。
「え?」奥さんは、俺を見ずに…視線を床に下ろして…
「浮気にギャンブルに…。好き放題して…。…だから最後に…」
ボソボソと話す。精神的に参っていた。病室に着くと、患者の耳元で…。
「…楽しい人生だったでしょ…。でも私は最悪。これ以上貴方の面倒…」
さすがに止めた。
「…いったら連絡下さい…。」
…そう言って帰って行った…。その奥さんが最後に…
「早く羽を伸ばせるようになりたいわ…。」
…その言葉だけが俺の耳に残った…。




