だに
山内が気が付いた。
「…なぁ、この子…耳の炎症が酷くないか?」
?…あ!はなの右耳が…(汗)…さっきより炎症が酷くなっていた。山内がジッと目を凝らして…はなの耳を見て、ひと言。
「…これ…かぶれじゃなくて、疥癬だ…(汗)」
「!!嘘だろ?!」ビビる俺!!「じゃ、じゃぁこの手も?」 山内に、はなの手を見せた。
「あ~…指はアカギレ、こっちは疥癬だな。」
「マジか…。そういや、足の甲にも。」
冷や汗ダラダラの俺…。ヤバい…(汗) 疥癬…。これ厄介なヤツ。ヒゼンダニによる、感染症で、人に寄生する。寄生された人は、酷い痒みと発赤、発疹が出る。しかも、これ、人から人に感染する。最初、何かにカブれたと思っていた。まさかの、疥癬!!
「…今日…やってるよ?」 「…休みの日まで…(汗)」
「…だよなぁ…(汗)」
「と…とにかく、洗って清潔にして、市販薬でいいから、薬塗るよ。水虫薬じゃダメだから…だけど、市販薬あるかな?」
「出ているけど…いいのか?」 「…仕方ない…。」
「…近寄り難いのは解る。だけど…」
「…違う。給料前。」 「?」 「この子、おそらく、保険証とか無い。自費になる。知ってるだろ?」
「…そっちか。」 「…(汗)」 「なら…俺が出してやるよ。」 「マジで?」 「うん。」 「さすがだな。」
「なぁ、呑気に話してるけど、この子どうすんだ?警察には話したのか?」
「いや…まだ連絡してない。」 「…なんで?」
「今の話を、警察が信じると思うか?アニメや漫画の世界ならともかく、現実に…それに、幼児誘拐にされて、捕まるのが目に…(汗)…だから…山内君に相談したんだよ。少しの?不思議も平気だろ??」
「…確かに…(汗)…。」
俺らがコソコソ話してる間も、はなは、耳を触っていた。
「あ、かいちゃダメ。」慌てて、はなの手首を取り、山内に「…急場しのぎで、コイツ塗るよ。」 と伝え、はなの手首を離した。俺は、山内とはなの側を離れ、薬を入れてある、キャビネから別の薬を取り出した。それを見た山内。
「…アズノールか…。」「そこに、亜鉛華軟膏を混ぜて…。」
「なるほど。MIX。」 「うん。」紙皿なんて無いから、台所へ行き、ラップを少し取り、使わない皿に、張る。そこに、だいたいの分量でアズノール軟膏と亜鉛華軟膏を混ぜ、手に持つ。台所から、はなの居るとこへと、近寄る。
「耳に薬塗るから。」
とりあえず、痒みと炎症を抑えられれば…。
「あ、まて。あるよ。グローブ。」
「マジ?あ、ラテ?」 「プラ。」
山内が一旦、居間から出て、外へ出た。車からある鞄を持ってきて、居間へと戻る。鞄の中から、
小さな手指消毒用のジェルタイプのボトルと、プラ製のグローブを取り出して、俺に渡した。
「サンキュ。あ、今日、どこだ?」「山形だ。」
「こっちじゃないのか。」 「あっちが多い。」
「なるほど。」
山内から受け取った、消毒液を手に塗り、プラ手をして、薬をはなの耳に塗る。後は手の甲。足の甲にも塗る。だけど痒みと炎症を抑えた所で…(汗)




