なみだ
今回も…汚いです。だけど、必要な処置です。すみません…。これでいい?はな?
「うん。」
…。
えっと…。ごんぎつね??…。次の授業は国語…。算数にがてだったからよかった…。
「ごんぎつねは…」
…ごんぎつね…。イタズラずきのごん。ひょうべいのうなぎを…お母さんがなくなって、うなぎを…ごんがクリとかたくさんとって、とどけて…。……。
「ここで…って…はなちゃん?!大丈夫?!」
「…ばい…(泣)」
…た…たぶれっと…ぬれちゃった…。
時間は午前11時前…。やっと201号の病室に来た。ここに来るまでの間に…ナースコール対応が3件。吸引処置、点滴交換をしてきた。患者数が少ない割になんか忙しい…。201号室のDベットから始めることに。他の患者はベット上でリハビリ中。
電カルを見る…。男性患者さんで、大浦さん。80歳男性。呼吸器疾患で入院。HOT酸素5L…。一昨日、即入だったのか。…初顔だな…。大浦さんに声をかけた。うっすら目を開けた。バイタルチェック。…体幹ベルト…?…この方、ヤバいのか?と…ゴロゴロ…喉から聞こえた。…痰が絡んでた。吸引するか。ふと目に付いた、ベット上の表。小さく記入された文字…。大浦さん吸引時NC。12Fr1箱…。って。すると…。
「あ、小野寺君。」
健君が来てくれた。
「さっき助手さんに頼まれて、吸引したんだけど、大浦さん、引けども引けどもなんだ。昨日夜勤で補充分無くなる勢いだから。1箱置いて貰ったよ。」
「あ、ありがとう。また吸引するよ。」
「手伝う。ものすげぇから。」
「…そ…そんなに??」 「うん…(汗)」
大浦さんの吸引処置にかかる。
ディスポエプロン、バイザーマスク。プラテ…。準備はOK。そこに
「僕も手伝います。」
Bベットの患者のリハビリが終わったのか、リハの南くんが来てくれた。
「ありがとうございます。助かります。あ、バイザーマスク着けてください。」
吸引用の台の中から、バイザーマスクを取り、南くんに渡した。南くんがバイザーマスクを着けのたのを見て、大浦さんに声をかけた。
「大浦さん。おはようございます。…痰の吸引しますね。」
うっすらと目を開けて、頷いてくれた。吸引器を稼働させて、カテーテルが入った袋を開けて、セットし…鼻からいれた!が…?
「え!?…なんで?」 「大人しい??」
吸引をする!!?!ひ…引いてるんだよな?!引けども引けども…痰がキレねー!!
「咳して?大浦さん!げしょげしょって!」
健君が声をかけた。咳き込む大浦さん。
「いいよ!その調子!どう?!」
「引けた!もう大丈夫だよ。ありがとう。大浦さん。協力してくれて…。」
カテーテルを鼻から抜いた。…はあはあと息を整える大浦さん。
「南くんごめん。パルス取って。」
南くんに電カルカートからパルスオキシメーターを取ってもらって、大浦さんの左人差し指につけた。
SPO2…96…。…痰が引けたから、戻ってきた。
痰の吸引はかなりキツイ。大浦さんの涙を拭いてあげる…。
吸引処置。吸引専用のカテーテルを気管に挿入して、痰を引く事。
12Fr…フレンチ…カテーテルの太さ。
パルスオキシメーター…体内に酸素がこの位あります…と分かる機械。SPO2と表示される。脈拍も表示される。
%SpO2…酸素飽和度となる。脈はPRdpm。
HOT…病院だけでの酸素投与だけでなく、在宅でも酸素療法している事。
体幹ベルト…抑制帯。ベットに固定して使う。