常連
ハナさんのバイタルチェックを済ませた。ちょっとだけ目やにが付いていた。温かいディスポタオルを取りに向かう。廊下にある、温蔵庫に行き、ディスポタオルを取る。ハナさんの元に戻り、ジェルタイプの消毒薬で、手指消毒した後、プラ手袋をつけ、ディスポタオルを開けた。ちょっと熱いな。少し冷まして…。
「ハナさん目やにとるよ。」
声がけして、そっと目やにをとる。口腔ケアをする。眠ってるハナさんに声をかけた。
「ハナさん、お口の中キレイするね。」
ディスポタオルをカートに付けてあるゴミ箱に捨てた後、同じカートに準備した、個々包装されてある、口腔ケア用の柔らかい綿棒を使い、専用のマウスウオッシュを綿棒につけた。ハナさんの唇にそっと綿棒を付ける。…ハナさんは、唇に水が付くと、分かるのか、口を開けてくれる。優しくケア。…歯がないけど、この口腔ケアは、とても重要。ケアが済むと、綿棒をカートの1番下の台に付けてある、ゴミ袋にプラ手袋と共に捨て、手指消毒した。
パソコンの電カルに入力。フリーメモにも今日のバイタル、排泄は、さっき聞いていたから記入OK。
次の部屋へ向かう。213号室から出て201号A…とナースコール。医療用ピッチを見る。208-2からだった。カートごと向かう。…病室から、患者が出てきた。…女性の患者さんが1人で歩いてきた。きみ子さん89歳。顔なじみと言うか…常連…?そうだ。さっき…。カートをナースステーション近くの廊下に置いて、きみ子さんにそっと近寄る。
「きみ子さん、トイレ?」 「んだ。」
「行こうか。」 「うん。」
トイレまで誘導。自立歩行可能だけど、ふらつきが少しあるから、歩行器を使っていた。でも、独歩で歩いてきていた…。トイレに入ってもらい、座るまで見届ける。
「きみ子さん、トイレ終わったら、ここの赤いボタン押してね?」
「うん。」
外に出て見守る。時々ドアを開けてチラ見。…もう少しだな。さっき、テレミン入れたから…。と…。
「小野寺さん、代わりますか?」
助手さんが声をかけてくれた。
「すみません。お願いします。」
「はい。」
助手さんに見守りをって、あ、終わったみたいだ。トイペを引く音が…。…
「対応します。大丈夫です。」
「わかりました。」
…木下さんだったな確か…。
バイタルチェック。体温、血圧、脈、の測定や呼吸してるか等の確認。
意識レベルの確認の事。
テレミン。テレミンソフト。坐薬タイプの下剤。