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あのねえ、自分で思ってるほど全然大丈夫じゃないってホントに、と言われてしまいました。

全12話です。


 たまたま土曜の出勤前にそんなことを家族から言われてしまいました。


 ようやく週末に来て、あと半日乗り切ればようやく念願の休日が待ってるって言うのに、延々と耳の痛いことを言われ、仕事中に腹は痛くなるわ、やる気でなくて終了業務が片付かないわで嫌になっちゃいました。


 なるべくストレスを意識しないようにやり過ごして来たのを、目の前に突きつけられてしまい、拒絶反応が出たんだと思います。


 イライラしてくると、無性に体に悪いものが食べたくなります。



 丁寧に作ってくれた食事を味わう心の余裕がないせいです。


 こんなときにいい食事なんかしても無駄だなって気分になる。

 完全な自傷行為モードです。


 もうね、帰りにマックに行っちゃいました。

 ナゲット15ピースのやつ買っちゃいました。昼飯です。夕方ですけど。


 これするとき、だいぶキてるときなんです。


 鶏肉輸出大国により徹底的に薬剤を投与された鶏で形成された肉塊。

 ありとあらゆる化学の結晶により腐敗耐性を得た究極の加工食品。

 度重なる酸化反応を繰り広げる油脂の海をくぐり抜け、スーパーオキシド進化を遂げたまさに超酸化食品(スーパーフード)


 おそらくその頂点に立つであろう存在、チキンマックナゲット……。


 この全てを理解したうえで食す者には、究極のスパイスが与えられる。


 その幻の香辛料の名は――――背徳(インモラリティ)


 ……うまい。



 この小さな肉塊に凝縮した薬剤が、僕の体を蹂躙していく。

 この魅惑の黄金色を構築したスーパーオキシドラジカルが、僕のテロメアを(なぶ)っていく。


 ああもっと……!

 僕の身体を痛ぶってくれ……!


 


 一人で完食して気づきました。



 そうだね、思ってたより結構キてたね……。こりゃよろしくない。



 今までのストレスマネジメントではマネジメントできていなかった事実に気づいたので、何らかの手を打たなくてはと思った土曜日なのでした。




 余談なんですが、スーパーサイズ・ミーって映画を学生の時見たんです。

 どういう映画かっていうと、マックはやべえぜ、という映画です。ドキュメンタリーですね。


 普通にそれ見た後、友だちとマック行ってましたね。


 あの頃は若すぎて、背徳の意味も知らない青臭いガキでした。


 でも背徳に蹂躙されるエクスタシーを感じつつ食すことこそギルティフードへの礼儀ってもんですよね。


 ファーストフードは、その存在の罪を味わってこその食べ物だと思います。


 めったに食べんけど。

すごくどうでもいいことなんですが、インモラリティって発音自体がすでに淫靡で艶めかしいですよね。

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― 新着の感想 ―
[一言] スーパーサイズ・ミーを見た上でのマック インラ、…じゃなかった インモラリティですね
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