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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-10.緊急対応マニュアル

「おはよう、アルカ」


「あれ?エルヴィ?

 もしかして昨日から?」


 朝目覚めると、セフィ姉とエルヴィが私の部屋の入口から顔を覗かせていた。


 声を掛けると静かに部屋の中に入ってきた二人。

どうやら、まだ寝ているへーちゃんを気遣っているようだ。

ちなみにハルカはもういない。

今日も元気に朝稽古でもしているのだろう。


 それにしてもへーちゃん、よく眠るわね。

生まればかりだからかしら



「そうなのよ。実はルネルがね、」


 どうやら昨晩、強制連行されてきたようだ。

ルネルは目撃者を野放しにしたくなかったのだろう。

ごめん、エルヴィ。色々と。

私にもどうにもならなかったけど。



「ねえ、アルカ」


 今日も今日とて、若干不機嫌気味なセフィ姉。

まさか昨日の出来事が原因というわけでもあるまい。

今日は一旦どんな理由かしら。



「はい、セフィ姉。なんでしょうか」


「何で私は姉のまんまなの?」


 あ、そっち?

エルヴィが名前呼びに変わってるから嫉妬してたの?

もう。毎回可愛いわねセフィ姉。



「なんとなくです。他意はありません。

 セフィ姉はセフィ姉って感じなのです」


「ふざけてるの?」


「いや、あの、そういう事じゃなくてね?

 セフィ姉って呼び方こそが、セフィ姉に対する一番の深愛の現れっていうかね?

 もちろん、セフィ姉が不服ならセフィと呼ぶ事もやぶさかではないんだよ?

 でも、出来ればセフィ姉と呼ばせてほしいかな。

 これが一番しっくりくる呼び方だし」


「……なら良いよ。好きに呼んで」


 ちょっと視線を逸らして答えるセフィ姉。

少し口元がニヤけかけてる。

どうやら嬉しかったらしい。



「その子がへーちゃん?

 昨日はよく見えなかったけれど、とっても可愛らしい子なのね~」


 エルヴィの興味はへーちゃんに移っている。

昨日あんな事があったのに、怯えている様子もない。

エルヴィも中々大物なようだ。



「そう言えばレヴィにはもう会ったの?」


「ええ。昨晩いっぱいお話したわ♪

 早速仲良くなれたのよ!」


 それはよかった。

暫くは私の分体と一緒にレヴィ達と過ごしてもらおうかな。

多分ここに来た経緯を考えると、そう簡単にエルフの国に帰る事も出来ないのだろうし。

いやまあ、もう帰す気もないんだけど。

エルヴィも私のお嫁さんだもんね♪


 ああ。今日これからお説教なのかしら。


 流石にないか。

日中は皆忙しいし、お説教は夜に改めてって感じかな。



「そうそう。

 ノアが呼んでるよ、アルカ」


「それを先に言ってよ!?」


 私は慌てて身支度を始めた。

つい話し込んでしまったけど、未だにパジャマ姿のままなのだ。



「そんなに慌てなくて大丈夫。

 へーちゃんが起きてて、動けそうならって話しだから」


「あれ?そうなの?

 ノアちゃん、怒ってなかった?」


「うん。取り敢えずは。

 それはそれとして、今晩はお説教があるからね」


「はい……ですよね……」


「あはは。ごめんね、アルカ」


「ううん。エルヴィのせいじゃないよ。

 私が勝手に会いに行ったんだし」


「そっか。ふふ。嬉しいわ」


 良かった。エルヴィ、やっぱ止めるとか言い出さなくて。

昨日の件で怖がっている可能性もあったし、もしかしたらエルヴィが急に乗り気になったのは混沌ちゃんの差し金かとも疑っていたので、少し不安だったのだ。



「後でレヴィ達と一緒に家の中を案内してあげるからね」


「え?

 アルカ、忙しいんじゃないの?

 無理しなくて良いのよ?」


「ううん。大丈夫。ほら」


 説明が面倒だったので、分体を二人産み出して見せた。



「……え?」


 固まるエルヴィ。



「「「私、分身できるの。

 エルヴィと、セフィ姉と、へーちゃんと同時に過ごせるのよ♪」」」


「ねえ、アルカ」


「「「なに、セフィ姉?」」」


「何で昨日、私達の方に一人残してくれなかったの?」


「「「……」」」


 分体を消し、一人に戻る。



「ごめん、色々慌てすぎてて……」


『そう言えば、エリスとマノンのフォローも忘れてたわね。

 セフィとアルカが何も言わずに消えて、さぞ驚いたんじゃないかしら』


 あ……。



『だいじょうぶ』

『きんきゅう』

『たいおう』

『イリス』

『たいしょした』


 ありがとう!ハルちゃん!

ありがとう!イリス!



『そうていずみ』

『アルカきえる』

『はじめて』

『ちがう』


 そう言えば前みたいに、いきなり拉致られて別世界に送り込まれるとかもあり得るのよね。

混沌ちゃんの目的を考えたら、今後も可能性は高そうだ。

向こうはご褒美を与える口実が欲しいくらいなんだし。


 ハルちゃんの事だから、前々からそんな場合を想定した緊急対応マニュアルを用意してくれていたのだろう。

何時もありがとう。ハルちゃん。



「まあ、そうだよね。

 長老に何かしてた存在もわけわかんなかったし、何よりあんなルネル初めて見たもん。

 アルカって、何時もあんなの相手にしてたんだね」


「え?

 もしかしてセフィ姉、あれの気配、感じとれたの?」


 あと、流石にあんなの相手にするのは、私だってまだ三度目だよ?

あれ?結構多くね?



「えっと?

 うん。もちろん。

 あんだけ大きかったら見逃しようが無いでしょ?」


「いや、そういう問題じゃ……」


 そもそも私には何も……。



「ちなみにセフィ姉から見て、どんな感じだった?」


「途方もない何かだった。

 海とか空とか何かそういう物をもっと広く深くしたような何かを見てる感じだった」


「そっか……」


 これはどういう事なのだろう。

ついでに聞いてみたけど、エルヴィは何も感じ取れなかったそうだ。


 セフィ姉が覚視に長けているからって理由だけでも無いはずだ。

今の私がセフィ姉に劣っているとも思えない。

ルネルやセフィ姉にだけ感じ取れて、私やエルヴィには感じ取れない何かがあるのだ。


 いや、決めつけるのはまだ早い。

ルネルは長老への違和感とかで気付いた可能性だってある。

先ずはルネルに話を聞いてみよう。


 ところでセフィ姉は、そんなの見た上で私達の呼び方の変化を一番に気にしてたの?

いくら何でも呑気すぎない?


 しかも口ぶり的に、混沌ちゃんよりルネルにビビってるし。

言いつけちゃうぞ♪

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