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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-8.秘密会議

今回はニクス達視点でのお話です。




「どういうつもり、ノルン?

 ノルンが気付かなかったわけないよね?」


「お母様?

 一体何のお話ですか?」


「へーメラの事だよ」


「わたしも驚きました。

 こはるはあの名に良い印象を持っていないと思ってましたので」


「……本当に偶然?」


「ええ。

 とは言え、確かにあの言葉はキッカケだったのでしょう。

 お詫び致します、お母様。

 セレネ達にも、どうかそうお伝え下さい」


「……お母様に何か弱み握られてるとかも無いんだね?」


「ございません」


「そっか。わかった。

 なら信じるよ。

 疑ってごめんね」


「いえ。こちらこそ」




----------------------




「それで?

 それ以上は追求せず帰ってきたと?」


「うん。

 ノルンは違うよ。

 お母様の痕跡だって無かったし」


「解せないわね。

 アルカの話では、混沌ちゃんがアルカを意図的に神化させようとしていたわけよね。

 なら、へーメラの存在も確実にその為の布石よ。

 今までアルカが混沌ちゃんから受け取ったものだって、そういう意図で寄越されたものだったわけだし」


「以前受け取ったものが、ミーシャ、ニクス、アルカ世界、アリスの四つでしたか。

 そして今回が、ノルンとへーメラ。

 神の所有権は言わずもがな、別世界の運営も神に近づける為としてはわかりやすいですね。

 そうすると、アリスはどういう意図だったのでしょうか」


「ハルカを産み出させる為のお手本だったのかも」


「ならば、へーメラは?

 名前の件を偶然とした場合、神の所有者という立場にするだけなら流石に四人も必要無かったのでは?

 むしろニクスだけでも十分だったはずです」


「……そうね。

 なら……次は神でも産ませるつもりかしら」


「アリスと同じだと?

 神の誕生を見せる事で、参考にさせようとしていると?」


「流石にそれは無いよ。

 お母様以外にそんな芸当は不可能だもん。

 原初神なんて、なろうと思ってなれるものじゃないし。

 仮に生み出せるとしても、神モドキにしかなりえないよ」


「それでもやらせたいんじゃない?

 自分の役目を継いでくれる相手が欲しいのかも。

 何ならアルカ自身が原初神へと至らずとも、へーメラをそこまで育て上げるだけでも望みは叶うわけだし」


「まさか。お母様にそんな感情あるわけないって」


「そもそも混沌ちゃんってどういう存在なのですか?」


「全ての始まりだよ。

 あらゆる世界と神々の産みの親。

 遡って辿れば必ず行き着く存在。それがお母様」


「アルカ世界の神話とは話が違うのではないですか?」


「そうだね。

 正直、その辺は私にもよくわからないんだ。

 邪神、外なる神の事だってよくわからないし。

 私が認識しているよりも、本当はずっと広い世界もあるのかもしれない。

 と言うより、正確には認識出来ないんだよ。私にはね」


「どういう事?」


「言葉通りだよ。

 私が認識出来るのは、私が認識出来る事だけ。

 別に煙に巻こうってわけじゃなくてね。

 ただ、それだけだと説明がつかない事が多すぎるんだ。

 だから、私はあると思ってるの。

 私が認識できていない、なにか別の存在が」


「スケールが大きくなりすぎよ。

 そんなオカルト話になんてついて行けないわ」


「そう言えば、混沌ちゃんも疑問を抱いていたようですね。

 何者かが、アルカの神化を妨害していると。

 それはニクス以上の力を持った何かであると。

 ニクスの話が正しいのであれば、混沌ちゃんにすら認識出来ない何かなのではありませんか?」


「「……」」


「何か言って下さいよ」


「ノアの言う通りかもしれない」


「その妨害している者って味方なのかしら」


「どうかな。

 流石にそれだけで信じるわけにもいかないけど」


「正直、ノルンって怪しいと思わない?

 その何者かと通じ合ってる可能性は?

 アルカを守るために送り込まれてきたとかは?」


「何でそう思ったの?」


「まるで、混沌ちゃんに備える為みたいに現れたからよ。

 それに、ミーシャと違って出どころがハッキリしていないもの。

 ノルンは本当にニクスの知っているノルンだったの?」


「……間違いないよ。

 あの子はノルン本人だよ」


「ノルンを問い詰めてみますか?」


「……やめておきましょう。

 今のところ、ノルンがアルカの味方である事は事実よ。

 私達に話せないという事は、無理やり暴けば味方ではいられなくなる可能性だってあるもの。

 そうなれば、私達は混沌ちゃんへの唯一の対抗手段さえ失いかねないわ」


「つまりノルンを信じるという事ですね。

 その意見には賛成します」


「私も賛成だけど、そもそもノルンは関係ない可能性だって高いんだ。

 変な思い込みだけはしないようにね」


「ええ。もちろん。

 それで足をすくわれていたら本末転倒よ。

 私達は私達なりに、アルカの神化を食い止めるわよ」


「どうします?

 流石にアルカにも打ち明けますか?

 今回の件で、アルカも色々と認識してしまいましたよ?」


「ダメよ。それは出来ないわ。

 アルカが私達の計画を知ってしまえば、思わぬ干渉を受けかねないわ。

 アルカはこの世界そのものから目をつけられているの。

 アルカの知ったことは、必ず認識されるわ」


「ですが、それだって勘違いの可能性がありますよ。

 私達は世界の意思、いえ因果とでも呼ぶべきものを仮想敵としてきましたが、それは間違いだったのかもしれません。

 真の敵は混沌ちゃんで、世界の因果こそ、認識できない協力者だったのでは?」


「それは無いよ。

 この世界の因果と、認識出来ない何かは完全に別物だよ。

 お母様、認識出来ない何か、世界の因果、これらがアルカに干渉しあって今があるはずなんだよ。

 だって、お母様が一世界の思惑程度に裏をかかれる筈がないんだから」


「はぁ……。

 本当に面倒な相手にばかり目をつけられるわね」


「正直、未だに自身の中で半信半疑な部分も残っています」


「無理も無いよ。

 これは神の領域すら超えた争奪戦だもの。

 私達なんて、参加者の中ではちっぽけな方だよ」


「ニクスですらその程度の扱いですか……。

 いえ。薄々感づいてはいたのですが」


「それでも勝つのは私達よ。

 アルカは他の誰にも渡したりしないわ」


「ええ。必ず守り抜いてみせます」


「私もだよ。

 その為なら、お母様だって越えてみせる」


「その意気よ。頼りにしてるわ、神様ニクス


「私には頼りになる聖女様セレネだっているもんね」


「セレネだけですか?」


「ノアは……何か考えてみよっか。

 教会騎士の筆頭とか?」


「騎士は柄じゃありません」


「なら聖女のペットはどうかしら?

 可愛がってあげるわよ?」


「喧嘩売ってますね?

 良いですよ、買いましょう」


「冗談よ。

 私の騎士様」


「柄じゃないと言っているのですが……まあ良いです。

 セレネだけ特別です。そう呼ぶ事を許しましょう」


「何かこの騎士偉そうね。

 解任してしまおうかしら」


「早くもクビになってしまいました。

 ニクス、次の役職を考えて下さい」


「え~。

 ならノアも使徒になってみる?」


「ダメよ。ノアは私のよ。

 ニクスにだってあげないわ」


「私はニクスのものでもありますよ。

 セレネやアルカと同じくらい、ニクスの事だって大切です」


「あら。いつの間にそんな事言うようになってしまったのかしら。

 少し教育が必要みたいね」


「ちょっとやめてよ、二人とも。

 ここ私の部屋だよ。

 いきなりおっぱじめないでよ」


「ここって、アルカすら来た事無いのよね。

 本当に良かったの?」


「仕方ないんだよ。

 ここくらいしか今の私達に内緒話出来る場所なんてないんだし」


「お陰で今日はペラペラ喋ってくれたわね。

 また来ても良いかしら?」


「機会があったらね」


「まさか神の座がこのような場所だとは。

 なんというか、アルカ世界に再現されたアルカの部屋と大差ありませんね……なんです、これ?」


「あ!こら!ノア!

 何勝手に触ってるの!?

 元の場所に戻してよ!」


「あらあら。良いわねこれ。何冊か貰って良い?」


「セレネまで!?

 ダメに決まってるでしょ!

 というかそれ何処から出したの!?

 ちゃんと隠してあったはずだよ!!」


「ニクスってこういうのが好きなのね。

 今度やってあげるから。参考にね♪」


「ダメだってば!!」

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