表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/1355

6-18.ダンジョンコアの力

「待っていたぞ!冒険者アルカ!」


「何度も何度も僕の邪魔をしやがって!

本当に良い加減にしてほしいね!」



ダンジョンの最奥に陣取る

ヒョロヒョロの男は、私を見るなり、

ヒステリックに喚き始めた。



また逆恨み?

別にルスケア領主に限らず、

こんな事はしょっちゅうだ。


何度も何度も事件を解決してきたのだから、

逃げ延びた敵に恨まれるなんていつもの事だ。


けど、良い加減こっちだってうんざりだ。

勝手に迷惑かけといて、何が邪魔をしただ。

どうしてこういう奴はいなくならないのだろう。


イライラする。

この男は特に。

なんかもう生理的に受け付けないタイプだ。



「あんた誰?目的は?」



「どうせお前はここで死ぬんだ!

そんな事を知る必要は無い!」



一方的に呼びつけておいて、

話をする気も無いようだ。


まあ、こんな奴は適当に捕まえて、

ギルドに任せよう。

私は相手をしたくない。



攻撃に入ろうとした所で、

私の周りに光が溢れ出し、

大量のゴーレムが召喚されていく。



「お前用に調整した特別製だ!

こいつらに魔法は効かん!

もう逃げられないぞ!」



こいつ転移を知らないのか?

ギルドでも私が使っている以上、

噂くらい知っているだろうに。


情報の入手手段がギルド本部のものだからか?

こいつ思ってたより大したことはないのか?



私はゴーレムに手のひらを向けて握りつぶしていく。

そうすると、ゴーレムは次々に拉げて潰れていく。



「なんだそれは!僕は知らないぞ!」


「あんたが知る必要は無いわ」



更に追加でゴーレムが召喚されて行くが、

同じ用に潰れていき、私に向かってくるものはいなくなった。


これは、魔王の使っていた空間操作を真似たものだ。

イメージの問題なのか、魔王と同じ様に手のひらを向けないと発動しない。

見ただけで使えればもっと便利なんだけど。



「満足した?」



「馬鹿にしやがって!!!

なんなんだお前は!!!」



ヒョロヒョロ男が喚き出すと、

再び床が輝き出す。



何度やろうが同じことだ。

けれど、これがダンジョンのリソースの分だけ続くなら

流石にキリが無い。



私は男に手のひらを向ける。



「ヒェ!!」



なんだコイツ。

どうやってここまで来たんだ?

殺意を向けられただけでうずくまっている様な奴がここまで来れるはずがない。


私は構わず、男の手足を潰していく。

細かい操作は練習中だが、

今回はうまくいったようだ。



男は悲鳴を上げて泣きわめく。



本当に気持ち悪い。


ギルドに転移させようとした所で、

男の体が消えていった。



は!?


何今の?


なんか以前見た魔物が消える時みたいだった。

ダンジョンコアの機能?

ダンジョンに取り込まれたの?


私は慌てて、男が立っていた場所を探すが、

何も見つからない。



「そんな所を探したって僕はもう居ないぞ!

最後に一つ良いことを教えてやる!

お前がこのダンジョンに入ってきた時に、

あの町へは魔物を放ってある。もう手遅れだ!

お前は後悔しながら、このダンジョンと一緒に消えちゃえばいいんだ!」



どこからか聴こえてきた男の声に反応して、

私が慌ててダンジョン外に転移すると、

ダンジョンが目の前で消えていく所だった。



周囲を探知してみるが、

男はどこにもない。



不可思議な事が沢山あったが、

全部ダンジョンコアの力なのだろう。


今回は逃げられてしまったが、

わざわざ手口を披露していってくれた。

ここまでされれば大体の想像はつく。



今は町に戻ろう。

保険をかけておいて良かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ