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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-3.幼馴染

「エリー!」


「マノ姉ちゃん!」


 きつく抱擁を交わし合う、マノンとエリス。

どうやらこの二人、元々随分と仲良しだったようだ。

同じ流派を学ぶものとして、昔から交流があったらしい。

歳も一年と差の無い幼馴染のような関係だ。


 そういう事、先に言っておいてほしい。

ならもっと早く連れてきたのに。


 まあ、マノンは真面目だからね。

現状唯一の役目となっている、ナディの世話係としてあっちを離れるつもりがなかったのだろう。


 それでも今回、自分の為に我儘を言い出してくれた。

私にとっては嬉しい限りだ。

マノンの望みは全部叶えてあげたいくらいだもの。



『すっかり骨抜きね。

 アルカこそ、マノンにゾッコンじゃない』


『しかたない』

『マノン』

『おきにいり』


『ハル。

 あなた、融合してからアルカへの独占欲が薄れてない?

 それは自分が一番近いって安心感から?

 それとも、単に自分自身へ向ける感情ではないから?』


『ふめい』

『でも』

『わるくない』


『まあ良いわ。あなたが気にして無いんなら』


『たぶん』

『いっぱい』

『まんぞく』


『マノンすき』

『イロハすき』

『ハルカすき』

『ノアすき』

『セレネすき』

『みんなすき』

『みんなもすき』

『しあわせ』


『アルカにだけ執着しなくてもよくなってるって事?

 アルカの幸せを自分のものと錯覚してるから?』


『さっかく』

『ちがう』


『違わないわ。

 そんな事を続けていたら、ハルの存在が消えて無くなってしまうんじゃない?

 皆、アルカを通してハルを見るようになってしまうって事じゃない。

 もちろん、ハル自身もよ?

 ハルだって、アルカを通してしか誰かを見る事が無くなってしまうのよ?』


『ちがう』

『そうはならない』

『イロハ』

『チハル』

『ママ』

『ノア』

『ラピス』


『アルカとちがう』

『つながり』

『なくならない』


『……それもそうね。

 私の考えすぎだったわ。

 いえ、それで良いのよね。

 ハルが言ってるのは、こういう事なのよね。

 私がハルの事をこうして考え続けている限り、ハルが消えてしまう事なんて無いのだもの』


『ふへ』

『うれし』

『イロハ』

『だいすき』


『はいはい。

 私も愛してるわ、ハル』


 仲良しで結構。

もっかい深層行っとこうか。



『なんでアルカは嫉妬してんのよ?

 少しはハルを見習いなさいよ』


『しかたない』

『アルカ』

『どんよく』

『それでこそ』

『アルカ』


『ハルが満足するのも無理ないわね。

 四六時中そんな感情にあてられてるんだもの』


『わるくない』

『むしろいい』


『そりゃ良かったわね』


 私もハルちゃんとイロハのイチャイチャにあてられてしまったわ。

二人に解消してもらわなきゃ。




----------------------




「あなたもいい加減落ち着きなさいよ。

 事あるごとに盛ってて、恥ずかしくないの?」


「またそんな意地悪言って。イロハだって嬉しいくせに」


「心配してるんだから素直に聞きなさい」


「は~い」


「そろそろ」

「もどる」


「仕方ないなぁ~」




----------------------




 ニクス世界に再び戻り、セフィ姉、エリス、マノン、私の四人で訓練を始めた。


 先ずは二対二の模擬戦だ。

セフィ姉&マノンのペアに、私とエリスのコンビで挑む。

とは言え、私とセフィ姉はサポート役だ。

メインはマノンとエリスの試合だ。


 まあ、エリスは既にフィリアスと契約しているし、半月以上先行して私達と修行を続けてきたので、マノンとは大きく差が開いてしまっている。


 今回のこれは、あくまでマノンの技量を見る事と、マノンに今のエリスを知ってもらう事が目的だ。

エリスはマノンにとって、丁度良い目標となるだろう。

何れは、互いを良きライバルとして切磋琢磨してくれると尚良しだ。


 それとついでではないけど、セフィ姉とマノンの仲を取り持つ意味もある。

これを機に、マノンの真の目的にも近づけると都合が良い。


 それはそうと、二人の実力は私達からすれば殆ど変わらないけど、実は私達と修行を始める前のエリスの方が、今のマノンより強かったそうだ。


 今までの人生のほぼ全てを一心に鍛錬に打ち込み続けてきたエリスと違い、マノンは王族としての教育や仕事なんかもこなしてきたのだ。

この二人に実力差があるのも当然っちゃあ当然だ。


 それでも、マノンは想像以上に強かった。

少なくとも、十歳の少女が片手間に習った程度でここまで動けるとも思えない。

マノンもきっとまだまだ強くなる事だろう。



「マノンってマリアさんに習ったの?」


「いいえ。お祖母様よ」


「え?

 まさか、サンドラ王妃のこと?」


「ええ。そうよ。

 お祖母様は、今の剣聖の姉弟子なのよ」


 なるほど。それで。

サンドラ王妃もマノンと同じように文武に長けた方なのね。


 そう言えばサンドラ王妃って、今おいくつなのかしら。

長男の年齢を考えると、四十は越えてるはずなんだけど。

マリアさんとも十は離れてるだろうし、姉弟子と言っても同時期に学んでいたわけでもないのかな?



「サンドラ王妃ってどれくらい強いの?」


 休憩中のエリスとマノンに聞いてみた。



「剣技はお母さんより上なんだって」


 真っ先に答えてくれたエリス。



「マリアさんが?」


「うん。そう言ってた。

 お祖母様、私に気を遣ってかそういうの素直に教えてくれないから」


 なるほど。

口ぶり的に、マリアさんとサンドラ王妃もそれなりに付き合いが深いのかもしれない。



「そう言えば、エリスも仲良いのよね?」


「うん!お祖母様優しくて大好き!」


 満面の笑みで答えるエリス。可愛い。



「エリーにだけよ。

 あんなに優しいのは」


 何だか渋い顔でマノンが呟いた。



「でもマノンはサンドラ王妃のお気に入りなんでしょ?」


「……その分期待して頂いていたの」


 なるほど。厳しく扱かれていたと。


 マノンのこの態度って、サンドラ王妃の厳しさを思い出してるだけじゃなくて、そこまで目をかけてもらいながら国を離れる事になって負い目を感じてるからよね。


 どうしよう。

元気づける為の言葉が思いつかない。


 マノンは現状を正しく理解しているはずだ。

この件でマノン自身が責められることはありえない話だ。


 サンドラ王妃も、それで裏切り者だなんだと言ってくる事はないだろう。


 マノンはそれらを全部理解した上で心苦しく思っているのだ。



「マノン!

 もう一度やろう!

 今度は私が相手になるよ!」


 空気を察したのか、何も知らないはずのセフィ姉がマノンに声をかけてくれた。さすセフィ。



「はい!セフィ姉さま!」


 マノンも嬉しそうに跳ね起きて、セフィ姉に向かって突撃していった。

この二人も、あっという間に仲良くなったわね。


 ふっふっふ。

最初にセフィ姉の所に連れてきた私の目に狂いは無かった!



『余計な話振って落ち込ませたのもアルカだけどね』


「ぐふっ!」


「アルカ様?

 どうしたの?」


「ううん。ごめん。なんでもない」


 ちょっと中から刺されただけよ。



「それより私達も行きましょう。エリス。

 今度は私がエリスの相手になるわ」


「やったぁ!」


 何だかんだ、セフィ姉とばかり訓練してたから、エリスと一対一の二人きりは久しぶりかもしれない。

今日は思う存分、相手になってあげよう。


 そして、良い感じの雰囲気になったところでデートに誘おう!



『デートじゃないでしょ。

 まだ手を出さない約束よ。

 普通に遊びに行くだけにしておきなさい』


 わかってるよ!

もう!イロハは意地悪ね!

そんなとこも大好きよ!



『はいはい。私も愛してるわ。アルカ』

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