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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-47.パッチ

「アルカ、またハルカから受け取ったの?」


 セフィ姉が急に訓練を中断して話しかけてきた。



「あら?

 やっぱりわかる?

 流石セフィ姉ね」


 さっき本体が更新されたばかりだ。

即座に分体の動きにも影響が出たようだ。


 何だか、分体制御が以前にも増してスムーズだ。

本体は今まさにカラオケでお気に入りのアニソンを熱唱しているのに、こっちはこっちで問題なく訓練に参加できている。


 ちょっと前までは考えられない進歩だ。

ハルカの頑張りに増々感謝しなきゃだね。


 この後どうしようかな。

いつもならそろそろ切り上げる時間だ。


 けど、今日は成長した自分の力を確かめてみたい気持ちもある。


 そろそろルネルも来る時間だし、このまま相手してもらうのも良いかもしれない。


 分体で参加してるの怒られるかしら?

さっき機嫌が良かったから気にしないかな?


 というか、今日はルネル来るんだろうか。

ヘスティとも積もる話があるみたいなのよね。


 いや、やっぱやめておこう。

アリア達も帰って来るし、あの子達の少ない訓練時間を邪魔するわけにもいかない。



「いいタイミングだし、私はそろそろ切り上げるね」


「ダメ。待って、アルカ。

 ちゃんと体動かして確認しとかなきゃ。

 今のアルカの感覚がどうなっているのかは知らないけど、完全に馴染んでるわけでもないんでしょ?

 なら少しでも努力を怠ったらダメだよ。

 またすぐに追いつかなくなるよ?」


 ……なるほど。

自分自身の成長について行けなくなるパターンか。

考えたことも無かったけど、私ならありえる……のか?


 まあ、自分のサボり癖はよくよく知っているから、あり得ないとまでは言えないわね。


 とはいえ、別にここでやらなくても構わない。

私世界で、ハルカ達と体を動かせば済む話だ。


 まあでも、折角セフィ姉がこう言ってくれているんだし、ここはセフィ姉に甘えておくとしよう。

きっとセフィ姉も、その方が喜んでくれるだろうし。



「ならもう少しだけ。お願いね、セフィ姉」


「うん!」


 良かった。やっぱり笑顔になってくれた。



「エリス、悪いけど少しだけ下がってて」


「わかったわ。アルカ様」


 加減をミスったら不味いからね。

今から少しずつギアを上げていくつもりだし。


 そう言えば、エリスには何もしてあげられてないのよね。

エリスとの関係を深める事はマリアさんとの約束もあって遠慮していたけれど、だからと言って放置しておくのも違うだろう。


 早速明日にでも遊びに誘ってみようかしら。

デートとまではいかないけど、普通に友達感覚で遊んでみるのも悪くはあるまい。

最近、イリスとも直接顔を合わせる事が無かったし、久しぶりに会いたい気持ちもある。

二人を招待して何かしてみよう。

まあ、行くとこなんて私世界しかないんだけど。


 でもまあ、普通に喜んでくれる事だろう。

エリスにとっては珍しい事ばかりなはずだし。


 それから暫くセフィ姉を相手に模擬戦を続けた。


 セフィ姉の成長ぶりも凄まじい。

流石に今の私程では無いけれど、成長速度だけならノアちゃんに匹敵するかもしれない。

先日あげたばかりの力も、早速使いこなしはじめている。


 元々魔力は扱いに長けていたので不思議もないが、神力までとなると素直に驚きだ。

今まで感知すらままならなかった力をどうしてこうも上手く扱えるのだろうか。


 やはり、元々の下地が出来上がっていたからなのかな。

セフィ姉は技術の面では元々私達の中でもトップレベルだ。

けれど、本人が魔力も神力も持っていなかった為に、どうしてもノアちゃんやフィリアス相手では出力で劣ってしまっていた。


 そして、流石にルネルのようにただの体捌きだけでノアちゃん達を圧倒出来る程では無かった。


 まあ、あれは比べるだけ意味がないけど。

ニクスですらバグか何かと言っていたくらいだ。

ニクスにはセフィ姉以上の技術と、ノアちゃん達以上の力が備わっている。

多分未だに、私達のナンバーツーはニクスだ。

私の一先ずの目標もニクスにするべきなのかもしれない。


 まあ、流石にニクスが全力全開でルネルと戦った事なんてないから、本当に勝てないのかはわからないけど。

そもそもルネルの本気も見たこと無いから、そこは言っても仕方なかろう。


 とにかく、セフィ姉も私達レベルの力を得た事で、あっという間に追いついてきたのだ。


 もしかしたら、既にお姉ちゃんより強いのかもしれない。


 お姉ちゃんの方が生きている年数は長いけど、お姉ちゃんの場合は研究職系だものね。

戦闘技術は、最低限戦えればそれで良いって感じだし、そもそもそこまでの精神的余裕があったわけでもない。


 まあ、今も訓練に参加してるわけではないので、元々そこまで強くなる事自体にも興味が無いのだろうけど。


 それはそれとして、子供達に教えるのは好きなので、こっそり訓練は続けてそう。

お姉ちゃんは昔からそんな感じだったものね。

勉強も出来て、運動神経も良くて、けど私の前では勉強してる姿なんて一切見せなくて。


 それに、私もよく勉強を教えてもらったものだ。

なんだか懐かしくなってきた。

お姉ちゃんとも久しぶりに二人きりの時間を作ってもらうとしよう。

最近、外での活動に夢中みたいだし。


 さては、新しい女でも出来たか?

まあ、流石にそれは無いだろうけど、私の事を放って何に夢中になっているのかは気になるところだ。



『『……』』


 何かな?その反応は?

ハルちゃん?イロハ?



『『べつに』』


 怪しい。

二人はお姉ちゃんの秘密を知ってるわけね。


 いやまあ、別に良いんだけどね?

六百年も私の為だけに生きてくれたお姉ちゃんが、新しい生きがいを見つけられたなら、それはそれで喜ぶべき事だ。

私の未来を憂う必要がなくなったという証拠でもあるのだから。


 とはいえだ。

お姉ちゃんは私のだ。

私だけのお姉ちゃんでお嫁さんだ。

絶対に他の人にはやるもんか。


 これは調べねばなるまい。徹底的に。


 という事で、ハルカ。よろしく。



『特別任務だね!

 任せておいて!

 私ならミユキもイチコロだよ!』


『『……』』


 何かしら?



『『べつに』』


 変な二人ね。


 まあ、ハルカの手にかかれば、お姉ちゃんの秘密も丸裸になる事だろう。

お姉ちゃんの大好きな幼い私を差し向けるのだ。

きっとペラペラ……は無いか。お姉ちゃんだし。


 お姉ちゃんをその気にさせるのは苦労したものだ。

ハルカで足りなければ、私も加わって二人で迫るしかあるまい。


 クックック。

楽しみにしておくが良いぞ!お姉ちゃん!

私達二人から迫られて何時までも秘密を守り抜けると思うなよ!



『いい加減脱線しすぎよ。

 さっきまでセフィの事考えてたはずじゃない』


 あ、うん。

そうだね。少し盛り上がりすぎたわ。

マルチタスクが強化されて、余分な思考力も上がってるんだもん。

ついつい、気の向くまま考え事しちゃうわよね。



『折角スペックが上がっても、無駄に使いすぎよね。

 どうせなら、新術のイメトレでもしてれば良いのに』


 無茶言わないで。

それが出来ないからハルカに頼んでるんじゃない。



『ふっふっふ!』


 嬉しそう。

なんでかしら。いやまあ、わからんでもないけど。



『ならせめて集中なさいな。

 今はセフィと遊んでるんだから』


 それもそうね。

別に片手間って事もないけど、全身全霊で打ち込むのも大切な事だ。

例え未だに、私の本体は熱唱中だろうともだ。


 何で私、ミヤコと演歌のデュエットしてるのかしら。

ミヤコ、意外と趣味渋いわね。

歌える私もあれだけど。


 カラオケで舞い上がったテンションのままミヤコから渡されたマイクを握ってしまったがために、そのまま何故か歌い出した記憶はあるけど、客観的に見ると意味不明ね。


 何かこれ少し面白いかも。

マルチタスクが極まった上、体も別で存在しているので、普通の人以上に客観的な視点で自分の事を見れるようになってるのね。

まるでRPGみたい。

今度何かに使えないか考えてみましょう。



『良いわね。そういう思考なら無駄でもないわよ。

 面白い着眼点だわ。

 結局セフィの事には集中してないけど』


『もうてん』

『ハル』

『まるちたすく』

『あたりまえ』

『かえって』

『きづかなかった』


『次の修行に取り入れてみるよ!

 というか早速行ってくるね!』

『行ってきた!』


 ありがとう、ハルカ。

けど今回はちょっと早過ぎたわ。

悪いけどちょっとだけ共有は待っててね。

折角の思いつき、自分でも試してみたいから。



『え~!折角頑張ったのにぃ~!

 まあでも、気持ちはわからないでもないよ。

 私だって、それが楽しいんだって知ってるし』


 そうよね。

居ても経っても居られなくて、すぐに潜ってくれたくらいだし。



『アルカも頑張ってね!

 見てられない程不甲斐なかったら、すぐに送り込んじゃうからね!』


 がってん!

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