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6-17.呼び出し

「アルカ!緊急事態だ!」



私達が様子を見に戻ると、

ギルド長さんが待ち構えていた。


またこのパターン?



「今度はどっちの方角から?」



「いや、そうではない。

とにかく場所を移すぞ!」



私達はギルド長さんに先導されて会議室に移動する。



「ギルドの通信装置を利用して、

何者かがアルカ宛にメッセージを送ってきた」



ギルド長から説明されたのは、

私に指定時刻までに指定のダンジョン最奥に一人で来るようにと言う内容と、

来なければこの町に再び魔物を送り込むというものだった。



「これ脅しになってなくないですか?

アルカがいる限りいくら送り込まれたって倒せちゃいますよね?」



「まあね。いくら魔力に限界があるって言ったって、

向こうのダンジョン間の移動時間を考えたら十分回復は間に合うしね。

転移魔法でも使えるならそうでもないけれど」



「アルカの力を見誤っているのか、

これが罠であるとわかっていても、

食いつくという確信があるのか」



「わざわざ名指しで呼ばれた以上は、

それなりに私の事は調べられているでしょうね」


「前回の失敗の原因が私にある事も知っているのでしょうし、

過小評価されている事はないんじゃないかしら。

どっちかと言うと、後者な気がするわ」



「よっぽど罠に自信があるのでしょうか」



「その可能性は高いわね。

もしくは、行っても誰もいないかもしれない。

これは陽動で、他のダンジョンから魔物をけしかけるのかも。

まあ、行ってみればわかるでしょ」



「アルカ!?そんな危険ですよ!

私も行きますからね!」



「いえ、ノアちゃんは残ってもらうわ。

犯人も私一人を指名していることだし、

私がいない間に町を守ってもらう必要もあるもの。

それに、もう一手打っておきたいの。

その為にはノアちゃんの力が不可欠よ」



「なんですそれ?」



「それはね・・・」




私達は準備を終えた。

町の防衛に不安はない。


後は私の方だけだが、これも自信がある。

敵も陽動を確実なものにするならば、

ダンジョン最奥で待ち構えて私の足止めをすると思う。


何の手がかりも無く困っていた所に、

わざわざ敵の方から出向いてくれるなんて、

願ったり叶ったりだ。


危険は大きいが打って出るべきだろう。



私は一人、指定の高難度ダンジョンに向かう。

敵は良く調べているようだ。

このダンジョンはまだ踏破したことがない。

ギルドの記録を見ればわかるだろう。


とはいえ、そう簡単に見れる情報でも無いはずだし、

ギルドの通信設備も本部と支部の間でしか通信は出来ないはずだ。


本来の方法以外で通信してきたのでなければ、

敵はギルド本部に属する人間の可能性が高い。



少なくとも、

私を待ち構えている者、

この町に襲撃を行おうとしている者、

ギルド本部から連絡した者

が仮に存在するならば、全員別の人間のはずだ。


それぞれの場所には距離がある。

転移魔法でもなければ一人の人間にはこなせないだろう。



敵は組織として動いているのだろうか。

ギルド本部にまで潜入しているのだろうか。



今回の件も相当大きな事件になるのかもしれない。

せっかく魔王事件が片付いたと言うのに、

次から次へと巻き込まれるものだ。



私はただ引き籠もっていたいだけなのに。

なんでこう事件の方から寄ってくるのだろうか。



そんな事を考えている内に、

ダンジョンの最奥に辿り着く。


本来、コアがあるはずの場所には、

一人の男が立っていた。

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