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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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973/1414

35-39.着地点

「理事長先生が?」


「うん。出来れば今日にでも来てくれって」


 学園が終わって帰宅したアリアが、制服姿のまま私の部屋を訪れた。


 ところで、なんで同じクラスのルイザちゃんより遅いの?

あなたまさか、寄り道でもしてたの?


 そんな伝言を預かっておきながら?

そもそも、なんで念話で伝えてこなかったの?



「私もさっき聞いたの。

 放課後になって、理事長先生に呼び出されてね。

 だからルイザより遅くなったのよ。

 それに、念話で伝えるのも、こうして直接転移して話にくるのも大して変わらないでしょ?」


「なるほど。

 ごめん。アリア」


「アルカったら、私の事なんだと思ってるのかしら?」


「世界一可愛い私のお嫁さん」


「もう。仕方ないなぁ~」


 照れてクネクネしてる。

チョロ可愛い。



「いやでも、世界一?

 そんなんじゃ足りなくない?

 あらゆる世界の中で、最も可愛い存在がアリアなのだと言い切れるわ。

 この場合なんて言うべきなのかしら。

 私のアリアったら、可愛すぎて言い表せる言葉が思い浮かばないわね」


「も~お~!何言ってるの~!

 流石に恥ずかしいよ~!」


 とか言いつつ、満更でも無さそうだ。

クネクネ度合いが増している。



『はいはい。

 何時までもアリアで遊んでないで行くわよ。

 アリアも、ルネルを待たせていても良いのかしら?』


「やっば!」


 慌てて駆け出そうとするアリア。



「待って!」


 私はアリアを抱き寄せて、そのまま思いっきり抱きしめた。



「ぎゅ~~~~!!!

 よし!補充完了!」


 家族以外と話すと、どうしてもメンタル削れるからね。

お母様との話も、今回ばかりは楽しいだけでもないだろうし。

こうしてアリアニウムを補充しておかないとだ。



「なら私も!」


 今度はアリアから抱きしめてくれた。

アリアも私から何かを取り込んでいるのだろうか。



「今週末、ルイザちゃんが遊びに来る事になったから。

 今晩寝る前にでも、秘密の作戦会議しましょうね」


「なにそれ!?

 ルイザと何話したの!?」


 別に何も話してないけど、そう言ってもすぐには納得すまい。シクシク。

経緯の説明も作戦会議の時にするとしよう。



「後でね~♪

 ルネルが待ってるわよ~♪」


 私はアリアの返事を待たず、アリアを自室に転移させた。

もういい加減着替えて訓練場に行かなきゃだし、アリアもこの状況で戻って来る事もないだろう。うんうん。



「ダメ!今すぐ!」


 戻ってきちゃった……。




----------------------




「急に呼び出してしまってごめんなさいね。

 アルカちゃん」


 流石のクリスタさんも少しばかりやつれて見える。

息子の逮捕があったばかりなのだし当然だ。

理事長や貴族としての立場にも、随分と影響があった事だろう。


 いくら減刑が成されたとは言え、こればかりは私達にも手の出しようがない。


 せめてサマラス先生が噛みつかないよう、リリカに抑えてもらうくらいはしておくけど……。



「いえ。

 お母様からのお誘いであれば、何時でも伺います。

 それより、少々体調が優れないように見えます。

 少しでもお休みになられ方がよろしいのでは?」


「ふふ。ありがとう。

 けれどそうも言っていられないの」


「私でお力になれる事があれば、何でも言ってください。

 お母様には沢山お世話になっていますから」


「あらあら。そんな事を言って良いのかしら?」


「はい。

 私に出来る事なら何なりと」


 私の言葉を聞いて、少し考え込むクリスタさん。

早速何か頼みたい事があるのかしら。



「なら正直に答えて下さるかしら?

 先日この王都で起きた大捕物について、アルカちゃんはなにかご存知?」


 ……どこで感づいたのだろう。

私の関与を匂わせる証拠は何一つ残していないはずだ。

それとも単に、話の前フリとしての確認をしてるだけなの?

わからないけど、慎重に答えなきゃ。


 万が一にも、私の関与に気付かれるわけにはいかない。

クリスタさんの立場からするなら、私は恩を仇で返したのだと思われても文句は言えないのだ。

手段を選ばなければ、もっと都合の良い着地点なんていくらでもあったんだから。


 けれどそれでも、私はクリスタさんに何も言わずに息子さんを逮捕させたのだ。

あの判断を間違いだとは思わないけど、開き直って話して良い事ではないはずだ。



「……アリアから御子息が捕縛された件は伺いました」


「……そう。

 ごめんなさいね。変な事を聞いて」


 あっさりと引き下がるクリスタさん。



「いえ。そんな。

 私に話せる事であれば、どうぞお話を。

 他者に聞かせる事で、楽になる事もあるかもしれません」


「……ありがとう。

 けれど止めておくわ。

 きっとアリアさんが聞いた話は全て真実よ。

 私も何時までこの職についていられるかはわからないけど、アリアさん達に影響は無いようにします。

 どうか今後も信じて任せて頂けるかしら?」


「はい。お母様の事は信頼しております。

 今後とも、どうか宜しくお願いします」


「……そう。良かったわ。

 今日話したかったのはそれだけなの」


「その……グリアには……」


「あら?

 まだ伝えないでくれていたのね?」


「はい。必要なら私から伝えておきます。

 そうでなくとも、グリアは現在我が家を離れて活動しておりますので、近い内に本人も情報を掴む事でしょう」


「それは……」


「あ!いえ!

 ご安心ください!

 グリアと仲違いしたという話では無いのです。

 今は以前のように聖女の活動を補佐してもらっています。

 グリアの性格的に中々毎日というわけにもいきませんが、定期的に我が家に帰って食事も共にしていますし、変わらぬ付き合いを続けていますから」


「そう……。

 ならもう一つお願いしても良いかしら?」


「なんなりと」


「やっぱりグリアちゃんを貰って下さらないかしら。

 正直、我が家はもう後が無い状況よ。

 グリアちゃんがもし一人になってしまっても、帰る場所が無くなってしまうの。

 だからどうか、安心させて頂けると嬉しいわ」


「……わかりました。

 グリアと相談の上でお返事します。

 お母様も、この国でのお役目を終えた際には是非我が家に来て下さい。

 ご希望なら、近場にグリアと住める家もご用意します」


「あらあら。

 ありがとう。アルカちゃん。

 とっても嬉しいわ」


 ようやくクリスタさんの笑顔が見れた気がする。

社交辞令じゃなくて、本気の誘いと信じてくれると嬉しいな。

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