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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-24.じぇらしー

『ハルカ?

 妙な感じね。念話の感覚はアルカ様と変わりないわ。

 でも話すのがハルカになっただけで、アルカ様も見てくれているのよね?

 それってハルカは何のためにいるの?

 補助が必要なだけなら、ハル達がやってもよくない?』


 あ!ちょ!リリカ!?



『なん……だと……』


 ハルカ!!しっかり!!

大丈夫よ!傷は深いけど致命傷ではないわ!



『あ、ごめんなさい。つい』


『……ひっぐ』


 ああ!ハルカが!



『流石にそろそろ限界だったわね。

 さっき少し立て直せたかと思ったのだけど』


 イロハ!ハルカが!



『大丈夫よ。

 任せておきなさい』


『ごめん、アルカ。

 もう大丈夫』


 うわ!?

いきなり冷静になった!?

って、また深層行ってきたのね!?



『なんでアルカがそんなに驚くの?

 散々自分でも使ってきたのに』


 いやまあ、そうなんだけどさ。

はたから見るとこんな感じなのね。

私も周りの目には気を付けるとしよう。



『ごめんね、リリカ。

 悪いけど少し付き合ってくれる?

 決してリリカ達を蔑ろにする意図は無いの。

 ただ、ハルカに色々経験を積ませたいと思ってね』


『心得たわ!

 そういう理由なら納得よ!

 ハルカもよろしくね!』


『え、うん。よろしく。リリカ』


 若干ハルカの声が上ずっている。

わざわざ深層にまで行って落ち着きを取り戻したのに、リリカに対する苦手意識は拭えなかったようだ。


 いや違うのか?

リリカにというか、度重なる失敗に心が折れかけてるとか?

でもハルカはそんなタイプじゃ無いよね。

ハルカなら、それもまた乗り越えるべき壁!って頑張ると思う。

ハルカと諸々共有している私にはわかるのだ。


 けど、ハルカにとって皆との交流は未知の経験でもある。

既に千を超える年月を生きているとはいえ、それはあくまでイロハと二人きりの限られた世界での話だ。

そんな環境でまともな、というか一般的な人間らしい情緒が育つとも思えない。


 実際、ハルカは歳の割に妙に子供っぽい。

イロハに散々甘やかされてきたのだろうというのもあるけど、当然それだけではないはずだ。


 ハルカは千年かけてようやく人間に近い精神性を獲得したばかりなのだろう。

要するに、まだまだ生まれたばかりの子供に過ぎないのだ。


 つまり私がハルカにしてあげるべき事は、人との付き合い方を教えてあげる事だ。

決して、存在を秘したまま私のフリだけをさせるべき段階ではないのだ。


 結局全員にハルカの存在を明かすことになったけれど、これで良かったのだと思う。


 ハルカだとわかった上で受け入れてくれたチグサ、アリス、リリカの三人に、先ずはハルカの話し相手になってもらうとしよう。

そこで経験を積んでいけば、ハルカならすぐに成長出来るはずだ。


 なにせ私の分身とイロハの技術、更にはハルちゃんの因子まで加わった、私達三人の全てを受け継ぐ子なのだ。

ならもう、怖いもの無しに決まってる。

ハルカなら大丈夫だ。何せうちの子は凄いんだから。



『ハルも』

『そだてる』


『ダメよ。

 ハルカの事は私に任せなさい』


 イロハが独占欲発揮してる……。

ぐぬぬ。

ハルカを応援すると決めたばかりだけど、ちょっとじぇらしー!



『ちょっと?』


 とっても!!



『もう。

 大丈夫よ、アルカ。

 私はアルカの私のままよ。

 信じてくれないの?』


 信じてるけども!!

イロハとハルカは純粋な母娘の関係だってわかってるけどさ!!



『ふつうより』

『ちょっとかじょう』


『いっぱい』

『しんぱい』

『ハルカ』

『むちゃする』


 だよね!

イロハなんだかんだ言いながら滅茶苦茶愛情深いもん!!

千年も一緒に居て、特別に思わないわけ無いじゃん!!

しかも私とハルちゃんとの娘でもあるんだもん!

そんなの大切にしないわけないじゃん!



『全部わかってるなら、もう少し落ち着きなさいよ……』


 それはそれ!

イロハがどう考えているかなんて、私もハルちゃんもよくよくわかってるけどさ!


 くっ!

これが娘にお嫁さん取られた片割れの気持ちか!

いやまあ、セレネもルビィに取られたりとかしてたけど!

でもセレネはイロハみたいにコソコソしないし!

堂々とルビィも私も愛してくれるし!



『結局何が言いたいの?

 愛してるわ、アルカ。

 こう言えば満足なの?』


 私は一人で深層に潜り込んだ。

当然、イロハとハルちゃんは一緒だけども。


 私の意図を察して、ハルちゃんが分体を生み出した。

イロハは何故か渋っている。


 まさか!?

既に心どころか身も!?



「違うわよ。

 アルカががっついてるから怖かっただけよ」


 そう言いつつ分体を生み出してくれたイロハ。


 私はイロハとハルちゃんを纏めてベットに押し倒した。



「……久しぶりなんだから優しくしてよ?」


「!!それわざとなの!?

 わざと誘ってるの!?」


「イロハ」

「てくにしゃん」


「違うわよ……そんなんじゃないわ……」


 微妙に乗り切らないイロハ。

なんだ?一体何が足りないんだ?



「まさか、イロハ。

 ハルカも呼びたかった?」


「違うわよ!

 アルカがそんな事ばかり考えてるからよ!」


「イロハ」

「すねてる」

「アルカ」

「しんじない」

「から」


「信じてるってば!

 でもでも!我慢できないの!」


「それが信じてない何よりの証拠じゃない!」


「違うんだってば!」


「イロハ」

「イロハがハルカ」

「おもうこと」

「すこしにてる」


「ハルカのこと」

「しんじてるけど」

「ふあんで」

「たまらない」

「そんなとき」

「あるでしょ?」


「……そうね。何度も」


「アルカも」

「いっしょ」

「イロハすき」

「だからこそ」

「おさえきれない」


「とにかく!

 仲直り出来るまでとことんやるわよ!イロハ!」


「……わかったわ。好きになさいな」


 私の頬に手を伸ばして、自らキスに導くイロハ。

唇を離すと、仕方ないなぁって感じの表情で見上げてきた。


 イロハのそんな表情に、湧き上がる欲求を抑えることなど出来るはずも無かった。

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