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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-22.研究班と観察眼

「チグサ、調子はどない?」


「アルカはん!ええとこに!」


 何やら興奮したチグサに導かれて、ハルカがベットに横たわった。


 あれ?

チグサは気付いてくれないの?



「まさかこのタイミングで分体寄越してくれるなんてな!

 こら好きにしてええってことやんな!」


 いや違う。

これ気付いてて……。



「え!?なにする気!?

 痛いのは嫌だよ!?」


「安心してなぁ~。

 少しチクッとするだけやわぁ~」


 チグサは自身の身長くらいある謎の巨大注射器をどこからともなく取り出した。



「まって!?何そのでっかい針!?

 それ絶対少しじゃない奴だよ!?」


「ほら動かんといて。

 すぐ終わるよぉ~」


「いやぁ~~~!!」


『チグサ、ストップ。

 悪ふざけはそれくらいにしてあげて』


「なんや。もうネタばらしなん?」


「え!?え!?」


『この子はハルカって言うの。

 チグサの手伝いを任せようと思って。

 好きに使っていいけど、あまり痛めつけたりはしないであげてね』


「しゃあないな~」


「まさかアルカ!

 チグサと結託して!?」


『そんな事してないわ。

 私の考えてる事はわかるでしょ』


「……ほんとだ」


「さっすが、アルカはん。

 またけったいなもん生み出したんやなぁ~。

 うちに解析任してくれるんやんな?」


 流石チグサ。

ハルカの違いを一目で見破ったのね。



『そうね。

 折角だしハルカの健康診断でもお願いしておくわ。

 色々と無茶してるから、徹底的に調べちゃって。

 ただし、自分の妹を可愛がる程度にしておいてね。

 解剖とかしちゃダメよ』


「かいぼ!?」


「わかってんで。

 そないな事しいひんよ」


『お願いね。

 ところでノルンは?』


「ミーシャと訓練ちゅうやわぁ」


 なるほど。

一応、未だ不甲斐ないミーシャを鍛えてくれているのか。

流石ノルンね。後で褒めてあげなきゃ。


 でも、私に内緒でやってるって事はミーシャに気を遣ってるのかな?

なら余計な口出ししない方が良いのかも。

そのうち成果を披露してくれるだろうし、その時を楽しみにしておこう。


 何にせよ、研究班は問題なさそうだ。

ちょっと趣旨は変わっちゃったけど、チグサが喜んでくれるなら何よりよね。



「アルカは私のこと何だと思ってるの?」


 大丈夫よ、ハルカ。

チグサだって、妹に酷いことはしないわ。たぶん。



「たぶんって何!?

 あ!?ちょっと!?

 何で接続切って!?アルカ!?」




----------------------




「小春じゃない!」


 アリスにも気づかれるの?

いや、アリスだからこそ?



『あなたの妹よ、アリス。

 この子はハルカ。

 仲良くしてあげてね』


「妹!

 私の妹!」


 ハルカの手を握ってキャッキャと飛び跳ねるアリス。

よっぽど嬉しかったらしい。



『ヘスティには内緒にしておいてね。

 あくまでも、私として扱ってあげて』


「わかったよ!小春!」


「これもう、趣旨ズレてない?」


『仕方ないじゃない。

 ミヤコもチグサもアリスもすぐに気付いちゃったんだから』


「おっかしぃ~な~。

 擬態は完璧なはずんだんだけどなぁ~」


「そうでも無いよ?

 確かに肉体は小春と同一だろうけど、パスが変だもん。

 普通の分体なら小春を経由して辿れるのに、ハルカは少し通りが悪いの。

 それに気配も全然違うよ。

 ハルカは別に私のこと好きじゃないでしょ?

 いつも小春から感じてる、私のこと大好きって気持ちが全然伝わってこないの。

 これは分体だって変わらないはずだよ。

 もうその時点で中身も別人だってわかっちゃうよね。

 それにハルカは多分、小春よりずっと真面目な子なんだと思う。

 真面目過ぎて、小春の演技も意識し過ぎなんだよ。

 もっと肩の力抜いて、その上で相手の事も好きならなきゃ誰も騙せないと思うよ?」


 驚いた。

パスはともかく感情は盲点だった。


 でもまあそうよね。

私だってノアちゃんが私の事好きじゃ無くなっちゃったら、その場で気付く自信あるし。


 そんな時、本当にノアちゃんが私を嫌いになっちゃったと思うより、眼の前のノアちゃんが偽物だと判断することだろう。



「なるほど……凄いね!アリスお姉ちゃん!

 とっても参考になったよ!

 アリスお姉ちゃんの事は好きになれそう!」


 ハルカも色々難儀してるわね。

その辺、もう少しなんとかならないかしら。

私達以外に興味が無いのはやっぱり問題あるわよね。



『別に心配する必要は無いわ。

 ハルカがアルカとハル以外に好意を持っていないのは、単に他の娘達の事をよく知らないからよ。

 この場合アルカの記憶を持っていた事とは別問題よ。

 実感の伴わない記憶はただの記録に過ぎないのだもの。

 むしろあなた達二人だけが特別なの。

 私が設定したのは二人の事だけよ』


 え?

それって、イロハも?


『ええ。もちろん。

 アルカじゃあるまいし、自分の事好きになりなさいなんて設定入れるわけないでしょ?』


 でも最初から大好きだったって。



『最初の自我が目覚めた時点で相当な年数が経過していたはずだもの。

 要は刷り込みよ』


 まあそれもそうか。

むしろ卵の時から大切に大切に育ててあげたんだろうし。


 取り敢えず、ハルカに影武者を頼むのは現状ではまだ無理があったようだ。


 まあでも、別に気にする必要なんてない。

ハルカはハルカとして受け入れてもらえばいいだけだ。

実際、チグサもアリスもハルカの事を知った上で仲間に加えてくれたんだし。

皆の末っ子として、精々可愛がってもらうとしよう。


 ハルちゃんもそれで良い?



『もち』

『ないしょ』

『ただのおもいつき』

『こだわりない』


 バレなければ何かしたい事でもあったの?



『なくもない』

『けどもう』

『かんけいない』


 参考までに。



『……』

『ないしょ』


 ハ~ル~ちゃ~ん?



『……』

『ひとりじめ』

『アルカ』

『きづかれない』


 つまり?



『かんきん』


 逃避行?



『いえす』


 ダメよ、ハルちゃん。

その気持は嬉しいけども。



『むねん』


 後で深層行こうね。

悪いこと企もうとしたから、たっぷりお仕置きしてあげる♪



『ふへ』

『たのしみ』

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