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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-17.修業の成果

「いっくよ~!!」


 私世界の荒野にある訓練場に辿り着くなり、ハルカが正面から突っ込んできた。


 先ずはお互いに素の状態で組手をしてみたいようだ。

なんとなく、ハルカのやりたいことは伝わってくる。

これもハルカの経験を受け継いだ影響だろうか。



「お~!凄いわね!

 今までと全然違うわ!」


 自身の動きが以前とまるで違うのが実感出来る。


 なんだか妙な感覚だ。

体と心に染み付いた動きをしているだけなのに、自分の知る自身の動き方とは全く異なるのだ。


 だと言うのに、一切の違和感を感じない。

むしろこの動き方こそが最適解なのだと、私の全身が訴えかけてくるようだ。



「まだまだいっくよ~!」


 次の段階に進むようだ。

魔力で生み出した槍を手にするハルカ。

私も同じように槍を生み出して向かい合う。


 そうして、次は魔術を。

今度は神術を。更には神威まで。

段々と手札を切り替えながら、私とハルカの模擬戦は続いていく。



「これってもしかしてフルモードまで使えちゃう感じ?」


「使えるよ!

 二人同時だと、ハーフモードになっちゃうけど!」


 そりゃそうよね。

私とハルカが同時に使用すれば、折角の莫大な処理能力も半減してしまうのだ。


 まあ、そもそもフルモードって別に接続数が決まってるわけでもないのだけども。


 仮にイロハが抜けて本来の九割くらいしか力を出せない場合でも、変わりなくフルモードって呼んじゃってたし。

その辺はなんとなくのニュアンスだ。


 取り敢えず今は、私とフィリアス達の繋がりを利用して一つの頭脳のように扱う技術の事をフルモードと呼んでいるだけだ。


 それに今使っているフルモードは元々、疑似フルモードと呼んでいたものだ。

いつの間にか短縮してフルモードと呼ぶようになっていた。


 本当に最初のフルモードは、全フィリアスの同化を指す言葉だ。

今はその機能の一部を部分的に再現しているに過ぎない。


 だからまあ、やっぱり疑似フルモードが正しい呼び方になるのだろう。


 アルカネットを介したフルモードと、同化によって得られるフルモードは、厳密には全く異なるのだし。


 つまり私はまだ二回(以上)の変身を残しているのだ!



「あ!ズルい!

 アルカだけで全部のリソース使っちゃってるじゃん!」


「ふふ♪

 早いもの勝ちよ♪」


「イロハ!イロハだけでもこっち来てよ!

 イロハが居れば百人力だよ!怖いもの無しだよ!」


『無理よ。私はアルカとの同化を解けないもの』


「そんなぁ~~!!」



 実際イロハなら千人力くらいはあるだろうけど、それでも足りないと思うよ?

何せ四千人近いフィリアス達が繋がっているのだ。


 いやそれでも十分おかしいけども。

イロハ一人で全体の二割近くを賄っていると考えると滅茶苦茶よね。


 まあでも、イロハ以外にもハルちゃんやツクヨミみたいな特殊な娘もいるから、実際には一割程度にはなると思うけど。


 何にせよ、私にとってイロハはあらゆる意味で大きな存在だ。

例えハルカにだってあげるわけにはいかないのだ。



「良いもん!

 むしろ修行相手にとって不足無しだもん!」


 結局元気よく突っ込んできたハルカ。

私はオートカウンターで迎え撃った。



「ふげっ!」


 妙な音を吐き出しながら地に叩きつけられたハルカ。

大丈夫かしら?少し強くやりすぎた?

でもごめん、オートカウンターってまだ力加減は上手く出来ないの。



「まだまだ!」


 良かった。どうやら折れてはいないらしい。

というかあの娘、死ぬことってあるのかしら。

取り敢えず寿命は無さそうだけど。


 それと私って、千年経っても自分のオートカウンター破れないのね。

何だか少し悲しく……いやそんな事は思うまい。

ハルカの修行の成果を軽んじるような考えはダメだ。

今のハルカに越えられなくとも、この子は必ず乗り越えてくれるはずだ。


 きっと今この時の経験すらも糧としてくれるはずなのだ。

ならば私はハルカを信じてこの戦いを続けよう。



『よくやってる』

『いまのハルカ』

『すのアルカ』

『それでも』

『ノアと』

『かわらない』

『それくらい』

『つよくなった』


 むしろ私とノアちゃんに千年分の差がついてた事に驚きなんだけど。

私の素質、いくら何でも残念過ぎない?

その辺、なんとかしてあげられないの?



『うむむ』

『どうにかしたい』

『ハルカがんばった』

『いっぱいいっぱい』

『まだがんばる』

『おうえんしたい』


『ハルちゃんの因子をもう少し加えてみるとかどう?』


『入ってないわけじゃないのよ。

 まだ目覚めていないだけなの。

 私がアルカとハルの完全な融合を望まなかったせいで、ハルカも無意識にハルの因子を抑え込んでしまっているの』


 なるへそ。

それで私の素質一本でやってこられたと。



「ハルカ!

 模擬戦中止!一旦作戦会議!」


「ハルの因子を目覚めさせるの?」


 直ぐ側に転移で現れ、今まさにイロハ達と話していた事を口にするハルカ。



「あら。これも聞いてたのね。

 なら話が早いわ。

 ハルカも一旦私に同化してくれる?

 ハルちゃんとイロハと一緒に、ハルカの事を調べてみましょう」


「取り込まない?」


「もちろん。

 ハルカはもう私の大切な娘だもの」


「うん!」


 ハルカが私に抱きついてきた。

私もハルカを抱きしめ返すと、ハルカの体が私の中に溶け込むようにして同化した。



「問題ない?」


『うん。大丈夫。

 アルカとの同化すっごい安心する。

 何か戻ってきた!って感じ』


 生まれ故郷なの?



「ハルちゃん、イロハ、どう?

 何かわかりそう?」


 ハルちゃん因子を覚醒させられれば、今よりもっとずっと強くなれるはずだ。



『暫く時間がかかりそうだわ。

 いっそまた深層に行っても良いかしら?』


「う~ん。

 なら今度はハルちゃんの分体も連れて行ったら?

 ハルちゃんならこっちと深層で同時制御も出来るんじゃない?」


『むり』


 流石に無茶言い過ぎたか。



『だいじょうぶ』

『イロハしんじて』

『イロハ』

『アルカだいすき』

『なにも』

『かわってない』


『ハル……』


「うん。良いよ。

 ならもう一度イロハとハルカだけで行ってもらおうか。

 けど、ハルちゃん因子の覚醒が済んだらその時点で戻ってくるのよ?

 修行もいっぱいしたいだろうけど、ちゃんと私の事も安心させないと許さないんだからね?

 焦らなくても、必ず修行は続けさせてあげるからね?」


『約束するよ!アルカ!』


『私も。今度は言いつけを守ると約束するわ』


「よろしい。

 なら行ってらっしゃい」


『行ってきます!!』


『ただいま!』


 いや、うん。わかってたけどね。

でもなんだろう。

このなんとも言えない感覚は。

本当に行ってきたの?って疑う程ではないけど、ずっこけたくなるというか、気持ちが追いつかないというか。

せめて一呼吸くらいは置いて欲しい。



「おかえり、二人とも。

 成果の程は?」


『上々!』


『問題ないわ』


「それは何よりね。

 ちなみにどれくらい潜ってたの?」


『百年くらい!』


 ……ハルちゃん因子頑固すぎない?

というか、イロハもハルカも気軽にこもり過ぎじゃない?

もう少し頻繁に帰ってきてもらいたいものだ。


 そもそもだよ?

イロハは何で私と百年や千年会えなくて平気なの?

イロハにとって私ってその程度なの?



『違うわ。

 定期的に記憶のバックアップから引き継いでいるからよ。

 私にとっても、アルカと別れたのはついさっきの出来事なのよ』


「そんなのあまり乱用しないでよ?

 素直にもっと短い間隔で戻ってきてよ。

 会いたくて我慢できなくなったら戻って来るくらいで良いからさ」


『それじゃあ修行が捗らないわ。

 毎日だって会いたいに決まってるじゃない』


 可愛いこと言ってくれるわね!

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