表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

941/1419

35-7.紙一重

「「ふっふっふ!はぁっはっはっは!!」」


「あの方は先輩のお知り合いですか?」


「……ちがう。

 むしろメリア。

 気配似てる」


「いえ、私にあんな友人はいません。

 本当にティア先輩の関係者じゃないんですか?

 あの仮面、先輩とお揃いですよね?

 配色は違いますけど」


「……」


 メリアの言う通り、突如眼の前に現れた仮面の男?は、何故か私と同じ格好をしていた。


 いや、色が違うから完全に同じではないんだけど。

私の真紅の仮面と黒い外套に対して、相手は紺の仮面と白い外套だ。


 どう考えても、私を知っていて丸パクリしてきたやつだ。

仮面の文様とかまでそっくり同じだし。


 どうやら仕掛け人は私を挑発しているようだ。

ヤチヨと交代した直後のこのタイミングで、私とアスラ残党の間に割り込んできた。


 完全にこちらの動きは把握していると言いたいのだろう。


 随分と舐められたものだ。



『落ち着いて、ノア。

 開き直って刺客を送り込んできたって事は、これは何かのメッセージじゃないかしら。

 もちろん、あれがアスラの仲間でなければの話だけど』


『この状況で現れた以上、間違いなくアルカの手先です。

 ならやはり、メリアが内通者なのでしょうね。

 残念です。少しは信じてあげても良いかと思い始めていたのですが』


『変な冗談言わないで。

 最初から内心わかった上で、アルカの我儘に付き合ってあげただけじゃない。

 それで?どうするの?

 もう少し付き合ってあげる?』


『……今問い詰めた所で惚けられてしまうだけですね。

 つまりこれは、アルカからの挑戦状なのですね。

 これを倒して、明確な証拠を掴んでみせろと』


『それならそれで、メリア問い詰めた方が早くない?』


『メリアは単独で私の下へ近づいて来た上、未だに正体を隠し通しているんです。

 アルカの杜撰な差配のせいで台無しですが、それでもメリア本人は優秀です。

 そう簡単に口を割るわけがありません』


『まあそうね。

 なら急造で用意したっぽい、こっちの方がボロ出してくれそうね』


「「ふぁっはっはっは!!」」


 それにしても、この人なんで笑い続けてるんだろう。

どうやら私達から向かってくるのを待ってるみたいだけど。


 まあ、良いか。

取り敢えず戦ってみよう。

どうせもう、アスラ残党の方には本命を送り込んでいるのだろうし気にする必要もない。


 何よりアルカが私の力に合わせて用意してくれた障害だ。

きっと今の私ではまだ届かない相手だ。

なら、この戦いは心底楽しいものになるのだろう。

何だかそんな予感がしているのだ。



『流石にその受け止め方はどうかと思うわ。

 ノアがそうやってアルカに甘すぎるから、こんな風に調子に乗ってしまうのよ?』


『まあそう言わないで下さい。

 本当に仲違いしてしまうよりも、明らかに冗談交じりの策略だとわかるくらいの方がちょうど良いんですから』


『アルカ的には本気だと思うわよ?

 単に、冗談みたいにバカな事してくるだけで』


『それも私が相手だからでしょう?』


『……はぁ。

 まあそうね。

 ノアに甘えてるんだものね。

 ノアもそれが嬉しくてしかたないのね。

 流石に甘やかしすぎだとは思うけど、ノアが付き合うってんなら、私も付き合ってあげるわ』


『それはそれとして、しっかりお仕置きも必要です。

 必ずあれを捕らえて、アルカへ繋がる証拠を掴んでみせましょう』


『はいはい。そういう事にしときましょう』





----------------------





「そこだ!いけ!

 頑張れ!スーパーラヴェリル!!

 ノアちゃんも負けるな!後少しもうちょっと!」


『まったく。どっちの味方なのよ。

 結局ノリノリじゃない』


『どっちが?』


『全員よ。

 アルカもノアもカルラ達も』


『たしかに』


 ノアちゃん対ラヴェリルの戦いは、想像以上に白熱したものとなっていた。


 最強ボディにミーシャ含む四人も詰め込んだラヴェリルちゃんの前では、流石のノアちゃんでも苦戦は必至だった。


 とはいえ、それでも大きな差は無いようにも見える。

更には、段々とその差も縮んでいるようだ。

あの子達がラヴェリル形態に不慣れな事を考慮しても、十分以上に善戦していると言って差し支えない。


 私はラヴェリルと感覚を繋いで、特等席で眼の前に迫るノアちゃんを観察し続けた。



 ああ。流石私のノアちゃんね♪

本当に愛おしくて堪らないわ♪


 いっそラヴェリルの代わりに自分が戦ってしまいたい。

ノアちゃんの仮面を剥いで、真剣に、でも楽しそうに迫ってくるノアちゃんの眼差しを真正面から受け止めたい。


 熱戦に浮かされて、段々と気持ちが高ぶっていくのを感じる。


 今日はノアちゃんを深層に連れ込むとしましょう。

どうせ叱られるだろうし、仲直りに丁度良いだろうし。

ふふふ。ノアちゃん。可愛いノアちゃん。

今度は私だけを見てね?

共有越しではなく、仮面越しではなく、直接目を合わせ続けましょう♪



『こっちは済んだわよ、アルカ様!』


『ありがとう!

 お疲れ様♪リリカ♪』


 ラヴェリルがノアちゃんの足止めをしている隙に、リリカは予定通りに逃げ出したアスラ残党を捕らえてギルドに送り届けてくれた。



『用が済んだのだから引かせなさい。

 これ以上は本当にボロが出かねないわ』


 うむむ。

もっと観戦していたかったんだけどなぁ。


 それにここで引かせたら、ノアちゃん怒るんじゃないかしら。



『どのみちもう叱られるわよ』


 そうなんだけども。


 まあ、仕方ない。

次の機会も近いうちに作りましょう。



『ラヴェリル、撤退よ。

 尻尾を掴ませないよう、徹底的に痕跡は消しておいてね』


『『『『がってん!!』』』』


 ふふ。良い子たちね♪

あの子達にもいっぱいご褒美あげなきゃ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ