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6-13.原因

ギルド長さんの案内で会議室に移動した私達は、


今回の問題について話し合う。


まずは、私が見たことを伝えていく。


「助かったよ。お前がいてくれなければ今頃どうなっていた事か」


「運が良かったわ。

それにこの件はまだ終わりじゃないかもしれない。

気を抜くべきではないわ」


「どういうことだ?」


「誰かが意図的に起こしたのではないかと考えているの」

「今回みたいな事件って前例が無いのよね?」


「ああ。私も聞いたことが無いな」


「少し前に似たような事ならあったの。

その話をさせてもらうわ」


「頼む」


「とある貴族が私達の住んでいる町を標的に、

まあ、正確には私を標的にしたのだけど。

それはともかく、ダンジョンを暴走させて、

魔物の大群を町にけしかけさせようとしたの」


「方法はダンジョンコアに魔道具を仕掛けて、

魔物達を無作為に召喚して溢れさせるというものよ」



「ああ。あの件か。

事のあらましはギルド内でも周知されている。

理由まで聞くのは初めてだが。

それで?今回も同じ原因だと思うか?」



「いえ、今回の件は少し違う気がするの。

もしかしたら、最初の魔物の発生理由自体は同じなのかもしれないけど、

今回と前回では明確に違う所があるの」


「今回の魔物には意思が無かった。

私に攻撃されても一匹も逃げ出すことなく、

私の方に注意を向けるものすらいなかったわ。

脇目もふらずにこの町の方向を目指して進み続けていた」


「ダンジョンの時はそんな事は無かった。

魔物達はただ溢れ出していただけ。

自分達の行く手を阻む冒険者達に襲いかかっていた」



「なるほどな。

少なくとも魔物達が進行していた理由は別にあるというわけだな」



「ええ。その点を踏まえると今回の件はよりタチが悪い。

全速力で走る魔物を追える人なんてそう多くはないし、

注意も引けないのだから足止めもできない。

普通に囲い込んだところで全て倒しきるのは難しかったでしょうね」



「さらに言うなら、今回は進路上の

本来無関係な魔物達も取り込んでいったという話よね?

しかもその魔物達も正気を失っていた。

どうやってそんな事が起こったのかしら」



「調査するしかあるまい・・・

とはいえ、皆目見当もつかないのだが」



「一応魔物の死体は全て回収してあるから、

後で提供するわ。死体からなにかわかるかもしれないし

まあ、だいぶ消し飛ばしちゃったけど」



「・・・ああ。頼む。

本当に全て回収したのか?どうやって?」



私は収納魔法から食料を取り出して見せる。


「まあ、こんな感じよ」



「飛んだり消えたり出したり。わけがわからんな。

もうお前の事では驚かないつもりだったのだが・・・」


「そういえば、本当に緊急時は喋れるのだな?

昔はそんな事なかったが、一応そっちも成長しているという事かな」



「うっさいわ!」



「ハハハ。まさかアルカから罵倒される日が来るとは!」



「罵倒じゃなくてツッコミよ。ツッコミ。

そんなくだらない事話している場合じゃないでしょ」



「ああ、そうだな。

いやあ、悪い悪い。

ちょっと嬉しくなって思わずな」



ヘンタイさんなの?



「ともかく、私はこれから魔物が現れた方向に向かってみるわ。

発生地点に行けばなにかわかるかもしれないし」



「そうだな。頼む。

こちらでも手配はするが、お前の方が速いのだろうしな」



「後は、別の方向からまた来ないとも限らないわ。

仮に目的がこの町にあるとするならばね」



「考えたくもない可能性だな。

などとは言っていられないのだが」



「ええ。私も頻繁に戻るようにはするけど、

なにかあった時にはなんとしても凌いでね」



「力を尽くそう」



「アルカ。私はここに残った方が良いでしょうか?」



「う~ん・・・

本当はその方がこの町も安心なんだけど、

私一人で行くより、ノアちゃんも一緒のほうが原因を見つけられるかもしれないのよね。

遠方ならともかく、近い位置なら私よりも気配に敏感だから

探しものをするにはノアちゃんの力も借りたいのよ」


「わかりました!一緒に行きましょう!」


「お願いね」



「やっぱり、ノアも相当強いのか。

アルカがこの町を任せて安心と言うほどに」



「もちろん!ノアちゃんは凄いのよ!」


「アルカ!ストップです!

それ以上変なこと言うつもりなら怒りますよ!」


興奮して語りだそうとした所で、

すかさずノアちゃんストップがかかる。

さすがの反応速度だぜ!



まあ、ともかく早い所調べに行くとしよう。

なにかしらの証拠が残っていると良いのだけど


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