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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-3.即バレ

前半はアリア視点のお話です。

後半はノアちゃん視点のお話です。




『というわけだから。

 アリアにも協力して欲しいの。

 どうかしら?』


『……本当にメルクーリ先生が?』


『ええ。間違いないわ。

 ごめんね、アリア』


『ううん。アルカが謝る事じゃ無いわ。

 わかった。もちろん協力するわ。

 私は具体的に何をすれば良いの?』


 アルカから頼まれたのは、とある人物をルイザの父と引き合わせる事だった。


 その人物とは、新学期から数日遅れで教師となったアスモ先生の事だ。



『アスモ先生って誰なの?フィリアス?

 気配は全然違うみたいだけど』


『ごめんね。

 今はまだ内緒にしておきましょう。

 ノアちゃん達にも内緒にしてもらわなきゃいけないから、アリアも知らないでいた方が良いと思うの』


『え~それでも気になるよ~。

 どのみち、アルカが悪巧みしてるって事は知っちゃったんだし今更じゃないの?』


『ノアちゃんだってその程度の事は把握しているわ。

 家族に余計な秘密を抱えるのは避けるべきよ』


『なら逆に味方も多いほうが良いんじゃない?

 私もアルカと秘密を共有してあげるよ!

 そうすれば、アルカだって少し気楽になるでしょ?』


『……わかった。

 なら帰ったらね』


『私の知らない子なの?』


『そうでも無いけど、あまり面識も無いからちゃんと紹介したいのよ。

 それに先に本名を知ってしまうと、どこかでボロが出てしまうかもしれないわ。

 今アリアの近くにはノアちゃんも行ってるみたいだから、用心するに越したことはないのよ』


『わかった。

 なら帰ったらね!

 アルカの秘密、全部教えてもらうからね!』


『そこまでは言ってないわ。

 あくまでもこの件に関する事だけよ』


『ダ~メ!

 約束して!』


『もう。仕方のない子ね。

 わかったわ。アリアの知りたい事には何でも答えるから』


『やった♪』


 アルカとの念話が終わって、今度はラピスと相談する事にした。

今は授業中だけど、こんな時くらいは許してくれるだろう。



『まさかアスモ先生が身内だったなんてね。

 私、全然気付けなかったわ。

 ラピスはどう?

 実は最初から知ってたり?』


『そんなわけないじゃない。

 あるじはノアの事まで嗅ぎ回ってるのよ?

 私達に気付かれる程度の隠蔽なんてありえないわ』


『ラピス、なんか怒ってる?』


『ええ。当然じゃない。

 私にアリアの事を任せておいて、全然信用してくれてなかったんだもの』


『それは……そうかもだけど……。

 でもそれだけでもないってわかるでしょ?

 私だけじゃなくてルカとリヴィの事だって気にしてるし、きっとラピスの事も心配だったからだよ?

 それに今回こうして頼ってくれたのは、私達を信頼してくれてるからでしょ?

 本当にただ守りたいだけなら、ラピスに命じて遠ざけたはずでしょ?』


『……どうせ余裕がないだけよ』


『それもあるかもね。

 けどそれでも、本当にダメならアルカは私達に任せたりしないで自分で動いたはずよ』


『……そうね』


『先ずは放課後、やるべきことをやりましょう。

 それからアルカを問い詰めましょう

 言いたいこと全部言ってあげましょう?

 それで、私達も悪巧みに混ぜてもらいましょう?

 そうすれば、今ラピスが感じてるモヤモヤはきっと無くなってしまうわ♪』


『うん。ありがとう、アリア。

 私も切り替える。

 だからアリアも今は授業に集中して。

 どのみちルイザとの約束は放課後だものね』


『は~い』




----------------------




 城の牢に忍び込んで、今回囚えられた者達を調べていると、ルチアが一人の男に反応した。



『この男、グリアの弟じゃないかしら』


 どうやら覗いた記憶の中で、メルクーリと呼ばれていたらしい。



「あなたメルクーリ?」


「……何者かな?

 姿が見えないのだが」


「答えて」


「ああ。そうだよ」


「何故こんな事?」


「もう全て話したはずだ。

 君は侵入者かな?

 口封じの為に始末しに来たというわけでも無いようだが」


「答えて」


「……最初は母の為だった。

 けれど関わっている内に逃げられなくなってね。

 いや、よそう。今更言い訳するつもりなんて無いんだ。

 私も散々手を汚してきたのだから」


「そう」


「まさか助けにでも来てくれたのかな?

 なら悪かったね。

 余計な手間を取らせてしまった」


「いい。

 さよなら」




----------------------




『どうでしたか、ルチア?』


『あったわよ。痕跡。

 明らかに思考が誘導されているわ。

 あそこまで強引な魔術が必要って事は、相当抵抗したはずよ。

 残念ながら、あの男自身は真っ黒ね。

 今更心を入れ替えられた所で、極刑は免れないでしょう』


『そうですか。

 術をかけた者はわかりますか?』


『当然、姿は記憶に残っていなかったわ。

 私達フィリアス基準でも上位の実力者ね。

 やっぱり今回の件は、アルカの差し金なんじゃない?』


『まったく。

 ムスペルで散々やらかした直後に何をやっているんでしょうね』


『それとは別で、元々手を出してたんでしょ。

 単にタイミングが重なっただけよ』


『アルカの肩を持つ気ですか?』


『事実を言っただけよ。

 私は何時だって、ノアを誰より優先するわ』


『そうでしたね。

 すみません』


『そんな事より、この件はどうするの?

 もう手を引いておく?

 ここまでの動きを見る限り、逃げ出した連中の始末はノアに任せるつもりみたいだけど』


『まさかあの混乱はそれが目的だったのですか?

 リオシアとギルドだけで完結させず、私が干渉する余地を作り出したと?』


『無いわね。

 少なくともアルカの考え方じゃないわ』


『優秀な参謀役でもついたのでしょうか』


『それか、別の目的があるのか……。

 あの男の確保を優先したんじゃない?

 どさくさ紛れに始末されるのを避けるとか、さっさと自供させて罪を軽くさせたかったとか。

 あの母の為ってのも、強引な催眠によるものよ。

 少しでも情状酌量の余地を引き出して、メルクーリ家への罰を減らしたかったんじゃない?』


『ああ。そういう事ですか。

 グリアさんのお母様を気遣っているのですね。

 それでも無難に始末してしまわなかった辺り、アルカにしては理性的な気もしますが』


『取り敢えず、このまま逃げ出したアスラの連中、放っておいたらどう?』


『なるほど。

 誰が追いに来るか見張っていれば良いわけですね』


『そうそう。

 アルカだってみすみす逃すつもりはないんでしょうし、ノアが来なかった場合の為の追手くらい用意してあるはずよ。

 このままアスラの連中を見張っておけば、この件の実行役がわかるかもしれないわ』


『とはいえ、それを知った所でという話でもありますね。

 それに、最初から私任せにするつもりかもしれませんし。

 そもそも、実行役を追うだけなら報告した貴族の関係者を辿れば済む話ですから』


『なんだか面倒ね』


『仕方ありません。

 私から始めた事ですから』


『ノアとアルカでは理由が違うわ。

 軟禁状態に不満があるからって、わざわざ事件に首突っ込む事ないでしょ?

 好きに遊び回っててくれる方が、まだ可愛気があるってもんじゃない』


『当初の目的はアリア達の観察だったのでは?

 結局、いつも通りに事件の方から寄ってきてしまっただけで』


『軟禁されている理由、ちゃんと理解できてるのかしら』


『流石にもうわかってくれてはいると思いますよ。

 ただまあ、迂闊というか、認識が甘いのではとも思いますが』


『帰ったらお説教ね』


『なら、その為に証拠を掴むとしましょうか』


『結局ノアも知りたいのね』


『ええ。当然です。

 アルカが誰を頼りにしているのか気になりますから』


『今晩のお説教も長引きそうね』

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