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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-2.思惑

前半はノアちゃん視点のお話です。




「どうやら連携出来ていないようですね。ティア先輩」


「想定内」


 メリアの言う通り、冒険者ギルドとリオシア軍部は力を合わせるつもりが無いようだ。

それぞれがアスラ残党を追い詰めようとして、早くも足の引っ張り合いをしている。


 先走ったリオシアの連中は、考え無しに一部の容疑者を捕縛してしまったらしい。


 流された情報を聞く限り、上手く誘導して一網打尽にする事も容易かったはずなのに。


 これでは折角の好機を不意にした事になる。

当然、未だ手が及んでいないアスラ残党も事態に気が付いている。


 私が駆けつけた時点で、一部は既に逃げ出した後だった。


 カリアさんが情報を掴むのにワンテンポ遅れてしまうという問題もあるが、それ以上に今回は展開が早すぎる。


 報告した貴族がよっぽど信頼に厚い者だったのだろうか。

なら何故、その者はギルドにまで報告を回したのだろうか。

普通は自国の専門部署と協議の上で決めるものではないだろうか。


 事前に話し合いが成されていたのなら、ギルドとリオシアの間で連携が取れていたはずだ。


 けれど実際には、情報提供者がギルドと本国リオシアに対して別々に情報を流したのだろう。

あれだけの情報を手に入れられる能力があるなら、この状況を想定できなかった筈はないのに。


 まさか情報を流した本人には別の思惑があるのだろうか。

この混乱した状況を作り出すことにも意味があったとか?


 なら何が目的だ?

誰か、別の本命でも掴まえたかったとか?

個人的にアスラの技術力を横取りしたい?


 何にせよ、少しばかり面倒な事になった。

私だって別に、積極的な介入を望んでいるわけではない。

あくまでもやむを得ない措置にすぎない。

アリア達の生活に万が一の影響があっては嫌だからだ。

ギルドやリオシアが綺麗に解決できるなら、それに越したことはないのだ。


 そうは思うものの、現状既に悪手を打ってしまっている。

一部の上位者が功を焦りでもしたのだろうか。

そんな者達のフットワークの軽さが仇となったのだろうか。


 毎度毎度、誰かしら似たような事をするものだ。

仕方のない事とは思いつつ、少しだけうんざりしてしまう。



「追いますか?」


「もうやってる」


「泳がせるおつもりで?」


「そう」


「いつの間に?

 先輩はずっと私と一緒でしたよ?」


「秘密」


「もう。先輩は何時もそればかりです。

 本当に導いてくれるつもりがあるんですか?」


「見て学んで」


「無茶言わないで下さい」


「なら置いてく」


「酷いです……」


「嫌なら努力」


「もう。わかりましたよ~」


「メリア」


「何ですか?」


「城に忍び込む。

 自信ある?」


「自信はありますけど、本気ですか?

 そんなの犯罪じゃないですか」


「そう。

 なら待機」


「あ!待って下さい先輩!

 一緒に行きますから!」




----------------------




「あっちゃぁ~」


『ちょっと面倒な事になったわね』


『しゅうけつ』


「ノアちゃんは良いんだけど、どうしてアリアまで首突っ込んでるの?

 ラピスはなんで止めないの?」


『ラピス』

『ふまん』

『ないしょ』


「私がコソコソしてるのに気付いてるから?

 だから言う事聞いてくれないって事?

 まったくもう。反抗期かしら。

 仕方ないから、今回の件のあらましだけ伝えて良いわ。

 今すぐアリアには手を引かせて」


『がってん』


『こっちもこっちで、連携も制御も出来てないわね』


「もう。イロハまで。

 人ごとみたいに言わないでよ」


『もうコソコソするのは止めてしまったら?』


「今更何言ってるのよ。

 いい加減なこと言わないで」


『冗談よ。

 別に気にする必要は無いわ。

 アリアの行動以外、全て予定通り順調じゃない』


「まあそうね。

 リリカはよくやってくれているわ。

 メルクーリ先生の早期確保には成功したし、後は少しでも罪が軽くなるように働きかければお母様の方もどうにかなるでしょ」


 メルクーリ先生が早々に罪を認めて、洗いざらいを吐くよう仕向けてはみたけど、それで想定通り減刑されるとも限らない。


 早めにストラトス侯爵と話を付けられると良いのだけど。

流石のリリカでも、正攻法での接近は容易では無いようだ。

いっそアリアのコネを使う手も無くはないんだけど……。



『アリアも引き込んでしまったらどう?

 今のアリアの立場は役立つはずよ?』


「そんなのわかってるわ。

 けどなぁ……」


『勝手に動かれるよりは、任務でも与えておく方が良いと思わない?

 きっとノリノリでやってくれるわよ?』


「でしょうね。

 とは言え、今回限りってわけにもいかなくなるじゃない」


『王族と法務大臣の娘というコネは、それだけの価値があるわ。

 今後もリオシアに潜伏を続けるなら、必要な事じゃないかしら。

 私達の動きやすさだけでなく、アリアの安全という意味でもね。

 今回のように、また勝手に首を突っ込んでくるかもしれないわよ?』


「う~ん……致し方なしかしら……」


『ラピス』

『きょうりょく』

『ようせい』

『じゅだく』


「え?

 もう指示しちゃったの!?」


『どうせこうなる』


「だからって、勝手に先回りしないでよハルちゃん」


『ハル』

『アルカ』

『たいとう』

『ハルのはんだん』


「別に一方的に命令するつもりは無いわ。

 けど、先に話し合ったって良いじゃない」


『むり』

『じかんない』


『そうよ、アルカ。

 ノアも動き出している以上、事件そのものがさっさと片付いてしまうわ。

 そうなれば、折角の時間稼ぎも水の泡よ。

 事前に根回しする余裕が無かった以上、判断は迅速によ』


「わかったわ。

 ならせめて、少しアリアとも話しておかなきゃね」

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