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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
35.白猫少女と新形態

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35-1.情報

前半はノアちゃん視点のお話です。

後半はアリア視点のお話です。




「情報ですか?」


 いつも通りカリアさんの下へ向かうと、例の組織の尻尾を掴んだと聞かされた。



「ああ。隣国の話だがな。

 ある貴族から密告があったそうだ」


 隣国、リオシアの事か。

あの国は初めて私達があの組織の影を見た場所でもある。

いるだろうとは思っていたが、まさかそんな形で見つかるとは。



「調査はこちらに回ってきそうですか?」


「いや。先ずは向こうで処理する事になった。

 とは言え、中心となっているのは本部の連中だがな。

 現地のAランク数名が派遣されるそうだ」


「力不足では?」


「どうだかな。

 そう都合良く厄介な魔道具を所持しているとも限らんぞ」


 それもそうか。

スライムモドキどころか、複合魔石すら限られた数しか存在していないのだ。

もうこの世界にも殆ど残っていないのかもしれない。



「アスラの連中も焼きが回ったものだな」


 アスラとは、今まで私達が例の組織と呼んでいた連中だ。

かつて自身の故国を滅ぼした一人のドワーフが創設し、六百年の長きに渡って世界中で暗躍を続けてきた地下組織だ。


 ちなみにアスラという名はミユキお姉さんが付けた。

元々やつらは特定の名を持っていなかった。

それもまた、秘匿性を高めるための手段だったのだろう。


 一応、ギルドとしての呼び名も別にあるのだけど、私達はもっぱら「アスラ」と呼称している。


 ともかくそんな秘密組織が、私達のように専門で追っているわけでもない一貴族に感づかれるなど、落ちぶれたと言いたくなる気持ちもわからないでもない。



「どうにかねじ込めませんか?」


「無理だな。

 奴らには本部の連中も散々煮え湯を飲まされている。

 いい加減自分達の手で成果をなどと考えているはずだ」


「そうですか。

 ならば勝手にやらせてもらいます」


「手は出すなよ。

 あくまで見物に留めろ」


「そうしましょう。

 なにも無ければですが」


「正直な話、何かあってからの方が都合が良いんだがな。

 本部の連中から泣きつかれてから手を貸してやるのがベストだ」


「そこまでは待てません。

 あの国には個人的な縁もありますから」


「妹分達が通う学園があるんだったな」


「余計な詮索は止めて下さい。

 あの子達に害が及ぶなら、あなたでも容赦はしません」


「まあそう噛みつくな。

 私がお前達と敵対するわけなどないだろ」


「ならば教えてもいない事を口にしないでください」


「これは忠告だ。

 本部の連中はそこまで掴んでいるという事のな」


「まったく。

 忌々しい話ですね」


「警戒はしろ。だが気にしすぎるな。

 何れ私達の悲願が達成されれば、解決する事だ」


「カリアさんが繰り返さなければですけどね。

 信じていますよ」


「ふっ。調子が良いものだな」


「私達は共犯者ですから」


「ならば普段からもう少し信じてくれても良かろう?」


「全てはカリアさん次第です」


「裏切る事などありえんよ」


「万が一の時はミユキお姉さん、いえ、シエルさんにお説教でもしてもらいましょう」


「勘弁してくれ」




----------------------




「え!?

 メルクーリ先生が!?」


「シィー!声が大きいですわ!アリア様!」


「あ、うん。ごめん。

 でもその件、詳しく教えてほしいの」


「場所を変えるのですわ。

 ここでは人目につきすぎますわ」


「うん。わかった」


 私はルイザと共に空き教室に移動した。

ここは普段から内緒話する時などに使っている部屋だ。

ルイザとテオ君は目立つから、こういう部屋があると便利なのだ。



「あれ?テオ君?

 先に来てたの?」


「ああ。君たちを待っていた」


「メルクーリ先生の件は、殿下が教えてくれたのですわ」


 なるほど。

ルイザとテオ君で事前に打ち合わせ済みだったようだ。



「それで、そのメルクーリ先生が……」


「ああ。昨夜とある疑いで捕縛された。

 残念ながら既に本人も罪状を認めているそうだ。

 君はメルクーリ家となんらかの関係があるのだろう?

 何れ君の下へも調査の手が伸びるかもしれん。

 もちろん我々は疑ってなどいない。

 だが済まない。一応心しておいてくれ」


「うん。それはもちろんわかってる。

 わざわざこうして話してくれたんだから。

 でもそっか……メルクーリ先生が……」


「その……このような事は聞きづらいのだが……。

 君は、かの教諭に気でもあったのか?

 随分と深く落ち込んでいるようだが……」


「え?

 ああ。違うわ。

 そんなわけないじゃない。

 メルクーリ先生はお世話になっている人の弟なの。

 それに理事長先生の親族でもあるわ。

 テオ君がわざわざ話したのはそれが理由でしょ?」


「あ、ああ。そうか。

 それは済まない。

 余計な事を聞いてしまった」


「まったくですわ。

 アルカ様というお方がありながら、アリア様が殿方などにうつつを抜かす事などありえないのですわ。

 殿下はもう少し乙女の心を学んでくださいまし」


「うっ……スマナイ」


 ルイザひどい……。

テオ君は私の事が好きだから気になっちゃったのに……。

それをバッサリ……。


 というか!



「ねえ、ルイザ。

 あなたやっぱりアルカに惚れてるのよね?」


「なっなんの話ですの~」


「あんな少し顔を見ただけで、そこまで惚れる事なんてあり得る?

 私の事は遊びだったの?」


「なっ!?まさか君達!?もう既に!?」


「なんですの!その質問は!?

 いつから私とアリア様がそのような関係に!?」


「ダメだからね。

 ルイザは私のよ。

 アルカにだってあげないわ」


「なってませんわ!?

 私とアリア様はただのお友達ですわ!?

 アリア様と懇ろな関係にはなって無いのですわ!」


「僕は席を外そう。

 伝えるべき事は伝えた。

 後は二人で話し合うと良い」


「お待ち下さいませ!殿下!

 アリア様がなんかおかしいのですわ!

 一緒に説得して欲しいのですわ!って!あ!殿下!

 本当に帰りやがりましたわね!!

 そういうとこですわよ!

 本気でアルカ様からアリア様を奪う気あるんですの!?」


「ルイザ?

 どこ行くの?

 ほら、話し合うのでしょう?

 ルイザがどこまでアルカに惚れちゃったのか、具体的に聞かせてもらうわね?」


「お待ち下さいなのですわ!

 今はそんな場合じゃ無いのですわ!

 先にメルクーリ先生の件なのですわ!」


「……そうね。

 私もちゃんと調べてみたいな。

 テオ君に頼んだら面会とか出来ないかな。

 もし冤罪とかなら助けてあげたいし」


「お父様なら手配出来るのですわ!」


 そういえばアルカも言ってたわね。

たしか、ルイザの父であるストラトス侯爵は、法務関係のお偉いさんだって。


 上手くすれば先生の罪にも口出し出来るのかな?

かつて、ルスケア伯爵の罪を握りつぶしていたように。


 流石に本当に悪いことをしていたならどうにもならないけど、少し首を突っ込んでみるべきかも。

このままならきっと姉であるグリア先生と母である理事長先生が悲しむはずだ。


 よし。少し調べさせてもらおう。

まずはラピスと相談ね。

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