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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-25.状況整理

 大分役者が出揃ってきた。

結局、ツムギが名前を上げたアニエスとマノンどころか、アレクシアさんとナディーヌさんとも接点を持つことになった。


 一体誰にどんな思惑があるのだろう。

本当はそんなものないのだろうか。

私が勝手に疑心暗鬼になっているだけなのだろうか。


 王様がアニエスをけしかけたのは、単なる冗談に過ぎなかったのかもしれない。

もしくは、アニエスも私と同じように過剰に疑っているだけなのかもしれない。


 まあ、そんな筈はないか。

王様がアニエスを私に差し出そうとした事は、アレクシアさんも把握しているようだし。


 ただ、その王様の目論見がわからないのだ。

事件解決の褒美として与えたいのか、ナディーヌさんを治療するための対価としたいのか。

このどちらかである可能性は高い。

アレクシアさんは後者だと考えているようだ。


 それに王様はマノンを差し出す気はないようだ。

理由は王妃のお気に入りだからだ。

そんなに王妃が恐ろしいのなら、王妃が戻るのを待ってから話を進めれば、あっさり解決するのではなかろうか。

王様が何を企んでいるにせよ、それで簡単に明かしてくれるかもしれない。


 マノンを連れて、転移で迎えに行ってみようかしら。

流石に不味いかな。隣国に滞在しているそうだし。

そう簡単に姿を消すことは出来ないだろうし、何より会うのも一苦労だろうし。

当然、王妃の周りには十分な護衛が揃っているのだろうし。


 それにシルヴァン王子の件もある。

王子の事も伝えなくてはならないのだ。

そんな状況で頼み事をするのは流石にダメだろう。



 あれ?

というか、王妃って全員の母親なの?

それにしては兄弟姉妹が多すぎない?

普通に側室くらいはいるのよね。

なら、誰がサンドラ王妃の子供なのかしら。


 多分口ぶり的に、シルヴァン王子とツムギの母ではあるのだろう。


 なら、アレクシアさんはどうなのだろうか。

素直に考えるなら、兄弟姉妹全員の中で一番上にあたるアレクシアさんも王妃の娘である可能性が高そうだ。


 それにしてはアニエスの扱いが雑すぎないだろうか。

アニエスは、第一王女の唯一の娘なのだ。

多少素行に問題があるとはいえ、もう少し丁重に扱われていてもよさそうなものだけど。


 むしろ第二王子の娘であるマノンの方が重要視されている。


 まあ第二王子が皇太子だそうだし、立場的にもアニエスよりマノンの方が上なんだろうけど。


 第二王子もサンドラ王妃の息子なのだろうか。

マノンの扱い的にも、可能性は高そうだ。



『そんなの、聞いてみれば良いじゃない。

 別に普通に教えてくれるでしょ?』


 まあそうなんだろうけどさ。

その考えに至った思考を推察されるとバツが悪いというか。



『そうやって頭の中でこね回してばかりだから、中々話が進まないのよ。

 十分な役者が揃ったのだから、手っ取り早く話をしちゃいなさいよ』


 まさかイロハ、飽きてきてる?



『飽きるというか、焦れてきたわ』


『みぎにおなじ』


 ならいい加減手助けしてくれても良いじゃない。



『だからアドバイスしてるでしょ。

 いいから話をしてみなさいよ。

 王に聞かなきゃわからない事もあるでしょうけど、それはそれとして今アルカが疑問に思っている事のいくつかには、答えが出るんじゃないかしら』


 もう。わかったわ。

気は進まないけど。


 私はツムギとアレクシアさんだけ連れて別室に移動した。

流石に子供達の前で話すのは気が引ける話だ。



「ベアト、サンドラ王妃の子供って何人いるの?」


「聞きたいのは私とアレク姉様の母親が同じなのかって事よね?

 アニエスの扱いが気になっているのでしょう?」


「うっ……はい。そういう意味です」


「サンドラ母様の子供は私とシルヴァン兄様だけよ」


「えっ……」


 想定外の答えに、思わず言葉に詰まってしまう。


 そんな私に構わず、今度はアレクシアさんが言葉を続けた。



「私と第二王子ジュスタンの母、前王妃は既に亡くなっているの。

 サンドラ王妃は、以前は側室の一人だったのよ」


 あっさりと言いづらそうな事を口にするアレクシアさん。

既に遠い昔の事だから気にする必要は無いと、軽い調子で教えてくれた。



「他の兄弟姉妹は皆側室の子供達ね」


 今度はツムギが言葉を続けた。



「それじゃあ、アニエスとマノンを引き抜くのって滅茶苦茶不味いんじゃないの?

 どころか、ベアトだって……」


「どうかな。お母様、私の事はあまり……」


「ダメよ、ベアト。

 そんな事を言ってわ。

 サンドラ様は間違いなくあなたを愛しているわ」


「うん……」


 ツムギは何か気がかりがあるようだ。

前世の記憶を持っていた事で、何かすれ違いでもあったのだろうか。


 何にせよ、また随分と複雑な家庭環境だ。


 アニエスもマノンも共に前王妃の孫にあたるとはいえ、二人の扱いには随分と差があるように感じる。

まあ、その辺り関係なく二人とも私が引き抜く事になりそうなんだけど。


 その上で現王妃の子供達は、共に子を成す事はなくなってしまった。

一人は既に没しており、もう一人は同性の冒険者に嫁いでいる。


 その辺り全てに関わっている私は、王妃からすれば自分の留守中に国を掻き乱した極悪人に映るのではなかろうか。


 これでアニエスとマノンが姫ではなく王子だったら、いよいよ本格的に国を傾ける存在として討伐されていたかもしれない。


 化け狐かな?



『きゅうびもーど』

『かっこよ』


 それは止めて、ハルちゃん。

割と洒落になってないわ。



「ちなみに、参考までになんだけど。

 サンドラ王妃ってどんな方なの?」


「「マノンと似てるわね」」


 アウト!!



『ふふ。着々と地雷を踏み抜いていってるわね』


『だいばくはつ』

『びょうよみ』


 笑い事じゃないってば!!



「それで、二人は何かこの状況を上手く落ち着かせる策はあるの?」


「ふふ。大丈夫よ。

 そんなに不安がらなくても。

 全ては私と父様が始めた事なんだから」


「代わりに責任取ってくれるって事?」


「この件でアルカに責任なんて無いって事よ。

 けどまあ、アルカの協力は必要よ。

 それに私達は伴侶だもの。

 責任も一緒に分かち合いましょうね♪」


「それはまあ、勿論そのつもりだけどさ」


「私達の当面の目標は二つ。

 一つは弱気になった父様の目を覚まさせる事。

 もう一つは、アニエスとマノンを手に入れる事。

 これだけを考えてくれれば良いわ」


「ベアト、アルカさんとアニがその気になったのは、あなたの目論見でもあったのね?」


「ごめん、姉様。

 アニエス頂戴♪

 あの子、可愛くって堪らないの♪」


「許すわけ無いじゃない。

 ダメよ。絶対」


「そこを何とか!」


「ダ~メ。

 こればかりはベアトの頼みだって聞けないわ。

 妙な根回ししてないで、アルカさんみたいに直球で来なさいな。

 その方がまだ好感も持てると言うものだわ」


「ならまあ、やっぱり予定通りアニエスの事はアルカに任せるわね」


 うん?予定通り?



「私の眼の前で、堂々と共有するとか言わないでくれる?」


「アニエスはきっと喜んでくれるわ♪」


「はぁ~。

 そればかりは否定できないのよね……。

 どうしてこうなってしまったのかしら」


「姉様の娘だからじゃない」


 え?



「ゴホン。それじゃあ、父様の話を進めましょうか」


「待って!その前に!

 アレクシアさんとベアトの過去について詳しく!」


「私だけじゃないわ。

 マリ姉とだって、」


「ベアト!」


「あはは~。

 ごめんね。姉様が怖いからこれ以上は話せないわ」


「アルカさん。

 それ以上踏み込むのなら、アニエスの事は忘れて貰うわ」


「はい……ごめんなさい」

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