表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

915/1414

34-21.連鎖フラグ

「そういえば、マノンの事はどう思う?

 アニエスと同じように、ベアトの所に通っていると思うのだけど」


「マノ姉?

 マノ姉とも会ったの?」


「いえ。そういうわけではないわ。

 ただ、ベアトから話を聞いたことがあっただけよ」


「そっか。

 マノ姉はまあ、心配要らないよ。

 ベア姉以上に強い、というか強烈な人だから。

 自分の事噂してる人がいたら、襟首掴んで抑えつけてから問いただすと思う」


 あれ?

なんか思ってたのと違う?

ベアトの弟子で、寂しがりだって聞いたんだけど?

しかも襟首なの?胸元じゃなくて?



「!?」


 その直後、突如生じた殺気に反応して私の体が勝手に動いた。



「イッたぁ~~!!

 な~にすんのよ!!」


 気付いたら少女を組み伏せていた。

歳は十二くらいだろうか。

どうやらアニエスの襟首に手を伸ばそうとしていたようだ。



「あなた、もしかしてマノン?」


「そうよ!この泥棒猫!

 私のベア姉さま返しなさいよ!」


 なんでツムギはこれと私の気が合うと思ったのかしら。

しかもこの子、王妃からも気に入られてるのよね。

気性の激しさはともかく、能力とかは優秀なのかしら。



『セレネに似てるからじゃない?』


 いや、セレネこんな野蛮じゃないよ?


 取り敢えず、既に私の正体は知っているらしい。

あの式典にも混ざっていたのかしら。


 それにしてもツムギったらモテるのね。

アニエスとマノン、それにステラもぞっこんみたいだし。

年下キラーなのかしら。

まあ、気持ちはわからんでもない。

お菓子作りと実験が得意なおもしろお姉さんとか、子供達には引く手数多だろう。


 私はマノンを開放して助け起こした。


 マノンはすぐさま私の下を飛び退いて、シャーっと威嚇を始めた。



「はじめまして、マノン。

 良かった。出来れば一目会ってみたいと思っていたの。

 こんな出会い方になってしまったけれど、仲良くしてくれると嬉しいわ」


「誰があんたなんかと!!」


「私と仲良くなれば、ベアトとも会いやすくなるじゃない」


「卑怯者!!

 よりによってベア姉さまを人質にするなんて!!」


「あれれ~?

 良いのかな~?

 そんな事言うなら、二度とベアトと会わせてあげないわよ~?」


「くっ!!」


『なに子供虐めて遊んでんのよ』


 いや、なんかつい。

この子、アニエスとは別ベクトルで弄りがいがありそう。



「ほら、わかったのなら仲直りの握手でもしましょう?」


「ーーーー!!!!」


 真っ赤になって奥歯を食いしばりながら怒りを堪えるマノン。

流石に煽りすぎたかしら。


 少し逡巡したものの、マノンはバシンと叩くようにして、私の手を取った。



「はい、握手握手。

 これで仲直りね。

 アニエスも良いわよね?」


「は!?え!?私!?」


 突然話を振られて狼狽えるアニエス。

どうやらマノンの事は苦手なようだ。



「さっきマノンはあなたに手を伸ばしていたのよ。

 噂話をしてしまったからね」


「あ!?ごめん!マノ姉!

 別にマノ姉の事悪く言うつもりじゃなかったの!」


「別にいいわよ。

 アニの迂闊さは今に始まった事じゃないし。

 けど気を付けなさい!

 次もこの泥棒猫が守ってくれるとは限らないんだから!

 というかあんた何時まで握ってんのよ!離しなさいよ!」


 私の握力の前では、マノンの力など無力に等しい。

足まで使って引っこ抜こうとするマノン。

はしたないから止めなさいな。


 私が手を離すと、マノンの体は勢い余って後ろに倒れ込みそうになる。

私は転移でマノンの体を前後に入れ替えて、後ろから抱きとめるようにして倒れるのを防いだ。



「え!?」


 マノンからしたら、突然後ろに私が現れたように見えたのだろう。

驚き過ぎて硬直してしまった。



「大丈夫?」


「えっええ。ありがとう」


 律儀にお礼を言ってから離れるマノン。



「ごめんね。驚かせてしまったわよね。

 よかったら少し話をしない?

 マノンにも教えて欲しい事があるの」


「アル姉!?

 まさかマノ姉まで引き込むの!?」


「第三者の視点は大切でしょ。

 アニエスが周りからどう思われているかなんて、アニエス自身にはわからない事だってあるんだから」


「あ、なんだ。そっちか。

 私はてっきり……」


「お嫁さんにすると思った?

 流石にありえないわよ」


 もう今日だけで、二、三人増えそうになってるし。

おかしい。

私は新しいお嫁さんと挨拶に来ただけだったのに。



「なんですって?」


 あれ?

なんでマノンがまた切れてるの?



「私では不服だと?」


「不服も何も、マノンは私の事嫌いなんでしょ?」


「当然じゃない!

 私のベア姉さまを奪ったんですもの!」


「マノンのものではないわ。

 ベアトは私のよ」


「こんのぉ!!!」


「すぐに手を出すのは止めなさい。

 あなたもお姫様でしょ?」


 手どころか足まで出てるし。

しかも随分と様になってる。

動き的に、マリアさんに教わってるっぽい感じがする。

何にせよ、お姫様が城の通路でする事じゃないけど。


 この国の姫様達、曲者揃いすぎない?

教育体制の見直しが必要じゃないかしら。



「くっ!!!

 ちょっと強いからって!!」


「ちょっとじゃないわ。

 世界で二、いえ、三……十番以内に入るくらいは強いわよ」


 おっかしいなぁ。

力の総量だけなら、世界一なんだけどなぁ。



「!!良いわ!あなたの質問に答えてあげる!

 その代わり私を弟子にしなさい!

 必ずベア姉さまはこの手で奪い返してみせるわ!!」


 武力で?

しかもそれでなんで私に弟子入り?

と言うかあなた、ツムギの弟子でしょ?


 色々ツッコミたいのを抑えて、言葉を返す。



「ならいいや。

 またね、マノン。

 今度ベアトと一緒に会いに来るね」


「は!?え!?」


「アニエス、行こ。

 この調子じゃ、何時まで経っても辿り着けないわ」


「うっうん」


 私は戸惑うアニエスの手を今度は自分から握り直して、歩き始めた。



「……ちょっと待ちなさいよ!!」


 結局マノンからも逃げられないのかしら。



『三連覇ね』


『ちがう』

『よん』

『ステラとも』

『けさだから』


『今日だけで四人も落とすのね。

 ついでだから、もう一人誰かいないかしら。

 マノンまで含めても二十九人で中途半端なのよね』


『さんじゅうにん』

『きねん』

『せいだいに』


『お祝いね』


 叱られるわよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ