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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-20.作戦会議

「そっかぁ。

 それであんな質問してきたんだ」


 この際だからと、第一王女の下へ向かう道すがら、アニエスに諸々気になっている事を話して相談に乗ってもらう事にした。


 子供に何をと思わなくもないけれど、なんだかアニエスって話やすいのよね。



『精神年齢が近いからじゃないかしら』


 イロハはいい加減お仕置きが必要みたいね。



『やれるもんならやってみなさいな。

 同化を解かない限り、アルカは手出し出来ないじゃない』


 ぐぬぬ。



『ハルがやる?』


 何が出来そう?



『止めておきなさい。

 今の私は融合に干渉しているのよ?

 即ちそれは、あなた達の魂を掌握していると同義なの。

 下手なことをすれば、力加減を間違えてしまうかもしれないわ』


 なにそれ!?ガチの脅しじゃん!!



『ふふ。もちろん冗談よ。

 何もしないわ。何もね』


『がくぶる』


 めっちゃ匂わせてくるじゃん!

もうからかいたいだけなんでしょ!



『だからそう言ってるじゃない。

 本気なわけ無いでしょ。

 愛しい愛しいアルカを自らの手で壊してしまうわけがないじゃない』


 もうヤンデレ系のやつにしか聞こえないよ!



『精々私を裏切らない事ね。

 裏切りさえしなければ、永遠に愛し続けてあげるわ』


 悪ノリしてるだけなのか本気なのかわからないわ!



「アルカ様、全部気にしなくて良いと思うよ?」


 え?イロハの事?

んなわけないか。

さっき私がアニエスに話した事だ。



「お祖父様がナディ姉に人を近づけさせたくないのは、それだけ深刻だからだよ。

 今日のナディ姉は最初から調子が良かったくらいだもの。

 本当ならもっとずっと早くに亡くなっているはずだった。

 それくらい、ナディ姉の身体はもう……」


「安心して……って言うのはあれだけど、王様とナディさん自身の許可を得たら、私が責任持ってナディさんの病気を治してみせるわ」


「ほんとに!?」


「ただし悪い魔女から力を貰うには、対価が必要なの。

 対価はナディさん自身よ。

 ナディさんに健康な身体を与える代わりに、ナディさんには国を捨てて私の下へ来てもらう。

 それが認められるならという条件がつくけどね」


「それは……無理かも」


「なんでそう思うの?」


「お祖父様はそれを避ける為に私を差し出したかったんじゃないかな?

 私はナディ姉の身代わりでもあるんだと思う」


「あの王様がそんな考え方するかしら。

 それに、アニエスは事件解決の褒美なんでしょ?

 それでは、対価が足りていないじゃない」


「そうかな……そうかも……」


「なにか思う所があるの?

 アニエスが避けられていた事と関係あるの?」


「それは……私が悪いの……」


「何をしたの?」


「うっ……少しは遠慮してくれないの?」


「アニエスなら良いかなって」


「アルカ様はやっぱり意地悪だぁ」


「アニエスが接しやすいからよ。

 私達、相性が良いのかもね」


「えへへ」


 あら?

いつもの気持ち悪い笑顔じゃないのね。

珍しく下心無しで本気で照れてる?



「私ね。

 前にナディ姉に求婚した事があるの」


 突然真顔になったアニエスが妙な事を言い出した。

どうやら真面目な話のようだ。



「お祖父様にも直談判して大騒ぎして。

 当然許しては貰えなかったけれど、ナディ姉と引き剥がされる事も無かった。

 けどそれ以来色々変わってしまったの。

 周りの人の目も、ステラ姉の態度も。

 いや、そうでもないかな?

 ステラ姉は元々あんな感じだったかも。

 でも追い出されるようになったのはその時期からだね。

 どうしてベア姉に会わせて貰えなくなったのかはよくわからないけど、多分関係があるんだと思う」


「普通にベアトの貞操を守るためじゃなくて?」


「違うと思う。

 その前から叱られはしても、何だかんだ許してくれてたし」


 その口ぶりだと、何度もツムギの貞操を奪おうとしてたって事なの?



「ベアトはその事件自体を知らないのね?」


「そうかも」


「ならステラは裏切られたと思ったのかしら。

 ベアトにだけ懐いているアニエスなら許したけど、他の人にも手を出している事がバレてしまったから?」


「ナディ姉に手を出したりしないよ!

 ただ幸せにしたかっただけだよ!」


「そういう話をしているんじゃないわ」


「わかってるよ……」


「まあ普通に考えるなら噂のせいよね。

 アニエスの悪評がベアトに影響する事、もしくはアニエスがそういう行動に出たのはベアトのせいだと思われる事、このあたりを危惧したからじゃないかしら」


 元々、離宮にお気に入りのメイドと二人きりで住まうツムギだ。

そこに入り浸っていたアニエスがナディさんに求婚した、なんて噂が広まれば、アニエスとツムギの関係が疑われるのも無理からぬ事だ。

ツムギがアニエスをその道に誘い込んだのだと考えた者達もいたのだろう。



「たぶんそういう事だと思う。

 それならステラ姉が理由を教えてくれない事も納得できるし。

 ステラ姉の事だから、そうやって自分が勝手にやった事にして、自分だけ悪者になるつもりなんだと思う」


「アニエス、ステラの事も本当に大好きなのね」


「当然だよ。ステラ姉はとっても優しいんだから」


「そう。良かったわね。

 これからは気兼ねなく二人とも話せるわよ」


「うん。嬉しい。

 けど、本当にそれで良いのかな……」


「この城の人達は、やっぱりって思うかもね」


「……」


「さっき王様が認めないかもって言っていたのはそういう事なのね。

 ナディさんが私の下へ来て、悪い噂だけが残るのは避けたいのね」


「たぶん。そう考えると思う」


「でもそれって、ベアトにも言える事よね?」


「ベア姉は……強いから。とっても」


 そうね。

たしかに。



「ナディさんにだけ、過剰な心配を向けてしまうのね。

 ならそこをどうにかしなきゃね」


「そもそもナディ姉がその対価は認めないと思うよ?」


「どうして?」


「ナディ姉はきっとこう考えると思うの。

 自分をここまで育ててくれたこの国に、何の恩も返せずに捨ててしまう事は出来ないって」


「そっか。

 そうかもね。

 わかった。なら条件も少し調整してあげましょう。

 対価を支払うのは、ナディさんが十分に国に恩を返せたと判断した時でも構わないわ。

 健康な身体は、前払いで授けてあげる。

 何れ対価を支払うなら、猶予をあげましょう。

 アニエスは人質に貰っていくけどね」


「ふふ。なにそれ。

 人質って事は、後で返しちゃうの?」


「返さないわよ。もちろん」


「なら素直に事件解決のご褒美って事にしておいたら?」


「それだと問題があるのよ」


「ああ。そっか。噂の事だね。

 それで私とナディ姉が無理やり連れていかれたって事にしたいんだ」


「アニエスってたまに賢くなるわよね」


「アルカ様!ひどいよぉ!」


「アルカでいいわよ。様はいらないわ」


「アル姉!」


「姉でいいの?

 婚約者なのに?」


「良いの!今だけ!」


「そう。好きになさいな」


「うん!アル姉!大好き!」

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