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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-18.ごちゃごちゃ

「そう。ナディーヌに会ったのね」


「ツムギは知ってたの?」


「ええ。

 とはいえあまり会ったことは無かったけれど。

 父様も、基本的にあの部屋には人を近づけさせたがらないから」


「なんでまた?

 いくら病弱だからって、誰とも会わずに居れば増々弱ってしまうじゃない」


「理由はわからないわ。

 とはいえ、父様がナディーヌの事を大切にしているのは間違いないの」


「そんな状態で、よりによってなんでアニエス許したの?」


「許し?お祖父様の?

 貰ったこと無いよ?

 お城を冒険してたら偶然あの部屋に辿り着いただけだもん」


「「……」」


「アルカ様。

 それより何故、アニエス殿下と共にお戻りになられたのですか?

 第一王女殿下の下へお送りになられたはずでは?」


「「あっ……」」


「忘れてたのね。

 まったく。アルカまで一緒になって」


「続きはアニエスを帰してからにしましょうか。

 今度こそ間違いなく送り届けてくるわ」


「待ってよ!

 違うでしょ!お母様と話するんでしょ!」


「それより王様と話した方が手っ取り早そうだし」


「アルカ様ぁ!!」


「取り敢えず私の方で父様への面会を申し入れておくわ。

 アルカはアニエスを頼むわね」


「わかったわ。

 お願いね、ツムギ」


「ベアトよ。今は」


「なんで?

 今更隠さなくていいのに」


 まあ正直私もそう思わなくもないけど。

とはいえ、気を付けてないと何時ボロを出すかわからないもの。

この城の中ではベアトとアルカで通す事にしたのだ。



「ほら、行くわよアニエス。

 今なら最後のチャンスをあげるわ。

 お母様の下へ辿り着く前に私を口説き落とせたら、アニエスも受け入れてあげる」


「良いよ!その挑戦受けて立つ!」


 ちょろい。



『ぷっふふ』


 なによ~。



『笑わせてきたのはアルカじゃない。

 そんなわざわざ丁寧に墓穴掘ることないでしょ。ふふ』


 私が負けると思ってるの!?

流石にアニエスは無いでしょ!



『本当に?

 ナディ受け入れたら、アニエスもセットじゃなきゃ可哀想じゃない?

 ナディにとって、アニエスは唯一の友達っぽいわよ?』


 うぐっ……。

卑怯よイロハ!

なんでアニエスの援護してるのよ!



『だって面白そうじゃない』


 こんにゃろ!


 ハルちゃん!ハルちゃんは私の味方よね!?



『……』

『ごめん』


 ハルちゃん!?



『アニエス』

『おもしろ』


『ハル』

『ほしい』


 ハルちゃんのタイプだったかぁ!!

そういえばクルルの時もゴリ推してたわよね!

ハルちゃん子供っぽい子供好きなのね!?



『その割にはクルルの事構ってなくない?』


 ハルちゃんは気まぐれだから……。



『手に入れたら興味が薄れるのって良くないと思うわ』


『ちがう』

『クルル』

『すき』


『けど』

『クルル』

『ハルにがて』


 あ~。なるへそ。

それで避けられていると。



『それで、何時までもこんな話してて良いの?』


 ダメよ。

もう行かなきゃ。



『アニエス』

『こうりゃくよろ』


 え~。

結局そうなるの~?



『というか必要ないじゃない。

 アニエスに落とされたフリしてやれば良いだけよ。

 むしろ問題は、第一王女の説得でしょ』


 うぐ……。

それもそれで気が重い……。



「アルカ、ちょっと」


 離宮を出ようとしたところで、ツムギに小声で呼び止められた。


 私はアニエスを残して、ツムギの側に寄る。



「出来ればアニエスの事、前向きに考えてあげてくれる?」


「ベアトは受け入れたいの?」


「ええ。元々アニエスも私に懐いてくれていたの。

 けれど色々あって最近疎遠気味でね。

 本当はあの子の事気がかりだったのよ」


「こう言うのもあれだけど、別にアニエスの友達はツムギだけじゃないんでしょ?

 趣味はお茶会だって言っていたし」


 ナディさんもいるし。



「あの子そんな事言ってたの?

 ならもう大丈夫なのかなぁ……でもなぁ……」


「アニエス避けられてるの?」


「まあ、そこまででもないとは思うんだけど……。

 ただ、私と同じように変わり者扱いされてて……。

 それで私の所へも遊びに来づらくなっちゃったみたいなの」


 あれ?

もしかしてツムギは、追い返していたのがステラだとは知らないの?


 むむむ。

こっちもこっちで何だか妙な事になってるわね。


 一旦整理してみよう。


 元々変わり者扱いされて敬遠されていたツムギの所に、アニエスが入り浸っていたって事かしら。


 それからアニエスも敬遠されるようになって、原因がツムギとつるんでいた事かもしれないと。

少なくとも、ツムギはそう思ってるみたい。

取り敢えず、セクハラ被害が原因ではないようだ。


 ツムギがアニエスを連れていきたいのも、そういう罪悪感によるものなのだろう。


 とはいえ実際はステラが追い返していたからって話だし、ステラからも話を聞いてみた方がいいのかも。


 まあ、流石にツムギに言う事ではないだろうけど。

ステラがツムギに内緒で行っていた事なら、その行動には理由があるはずだ。

ツムギとアニエスが直接話せば内緒にしきれる事でも無いのだから、それ程深刻なものではないとも思うけど。


 というか、ツムギはもしかしたら察しているのかも。

今内緒話を持ちかけてきたのは、アニエスに対してというより、ステラに対して内緒にしたいからじゃ無いかしら。

なら、少なくともステラがアニエスをツムギから遠ざけたいと思っている事には気付いていそうよね。


 うむむ。

なんてややこしい。

いっそ全員揃えて話し合わせた方がよくないかしら。


 と言うか何で私、この城の人達の人間関係に首突っ込んでるの?

ツムギに関する事なら必要なのもわかるけど、ナディさんの件までとなると、手を伸ばしすぎな気もする。


 まあでも。

既に知り合ったのだし、今更手を引く気にもならないけど。


 ぶっちゃけ絡まった紐を解いていくのは、全員受け入れた後でも構わない。

どうやら、そう深刻な話でもないようだし。

単に面倒くさくなってきたのもあるけど。


 何にせよ、取り敢えず方針は決まった。



「わかった。アニエスの事は任せておいて」

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