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6-10.多忙

「なんでセレネがいるんですか?」



「久しぶり!ノア!」


「久しぶりって三日前に会ったでしょう!」


「そうなの。最近忙しくて、

せっかく来てもらったのに会えなくてごめんね?

ほんの数日でも会えなくて寂しかった!」


「そうですね。私も寂しかったです。

じゃなくて!!教会はどうしたんですか?

忙しかったんじゃなかったんですか?」


「そうなんだけどね・・・

アルカからこの宿の話を聞いたら私も来たくなっちゃって」


「アルカ?いつの間にセレネの所に行ったんですか?

なんで私を連れて行ってくれなかったんですか?」


本気マジギレモードのノアちゃんが私に向き直る。



「違うのノアちゃん!違うからそんな本気で怒らないで!!」


「何が違うって言うんですか?

私に内緒でセレネを連れて来たからここにいるんでしょう?」


「そうじゃないの!あのね、これなの!」


私は手のひらサイズくらいの小さな転移門を開いて見せる。



「これが?」


「これをね、セレネの近くに開いておくと何時でもお話できるの。

ここ数日セレネが忙しくて会えなかったから、我慢できなくて・・・」


「ふーん?つまり私に内緒でセレネと話していたと?

私もセレネと会えなくて寂しがってたのを知っていながら?」


「あっ・・・」



「あってなんですか!?

どうしてアルカはいつもいつも!」



そのままいつものお説教タイムが始まった。

この旅に出てから何度叱られたのだろうか・・・

私が悪いんだけども・・・



「久々に教会の外で三人揃ったのだから、

ノアも何時までも怒ってないで仲良くしよう?

私もそんなに長くここにいるわけにはいかないんだよ?」


「そうですね。

続きはセレネが帰ってからにします」


「続きあるんだ・・・」


「なにか?」


「いえ、何でもございません」



セレネはしばらく部屋を観察しながら、

三人で話をして帰っていった。


一緒に食事でもどうかと思ったけど、

それよりこの部屋で少しでも一緒に話をしていたいと言うので、

セレネの希望通りにすることにした。



「さて、アルカ」


「その前に!ノアちゃん!

もう晩ごはんの時間だよ!

この宿のご飯も美味しいから食べてみよう!」


「まあ、良いでしょう。

あんまり遅くなると宿の人にも迷惑ですしね」




「さあ、たっぷりお食べ!」


女将さんの言う通り山盛りの料理が現れた。


「ありがとうございます!頂きます!」


ノアちゃんは礼儀正しく返すが、

少し顔が引きつっている。



ノアちゃん!ノアちゃんが頼りだよ!

私少食だから戦力にならないよ!


そんな事関係ありません。

絶対に残さず食べきりますよ!



私達はそんな感じにアイコンタクトを交わして、

料理に手を付ける。


「美味しいです!アルカの言うとおりですね!」


「そうかい。それは良かった

アルカもそう思ってたのかい!

何も言ってくれないから初めて知ったよ!」


「美味しい」


「アハハハ」


女将さんは大声で笑ってから裏に戻っていった。


「アルカ。ちょっとどうかと思います」


「うぐぅ・・・」



二人で頑張ってなんとか料理を平らげた。





「続きは・・・無理そうですね」


ベットで大の字になってそう言うノアちゃん。

忘れていなかったのか・・・



「ノアちゃん・・ちょっと詰めて・・私も横になりたい・・・」


二人共限界以上に詰め込んでほうぼうの体だ。


この部屋は私が昔使っていた部屋だ。

当然ベットは一つしかない。


まあ、ノアちゃんまだ小さいし、

私もこの世界では小柄な方だし問題はない。



私達は満腹のお腹を抱えて並んで横になる。


「ごめんねノアちゃん。

自分の事ばっかりで、ノアちゃんの事考えて無かった」


「いえ、気持ちはわかるのでもう良いです。」


「セレネ元気そうで良かったね。

会えないって言われてびっくりしちゃったから」


「そうですね。でもそれだけ頑張ってくれてるのですから、

私達も我儘言わないでおきましょう」


「そうね・・・」


「明日は依頼行きますよ。

絶対にちゃんと起きてくださいね。

起きなかったら一人で行っちゃいますから」


「わかったわ。ちゃんと起きるから

一緒にいきましょう」



そうして私達はそのまま眠りに落ちていった。

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