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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-12.挨拶

 離宮に辿り着くと、ツムギは話があると言ってリビングに向かった。



「小春。

 改めて、兄様の件で尽力してくれてありがとう。

 そしてこれからも、どうか末永くよろしくね」


「ええ。こちらこそ」


 ツムギは穏やかな笑みを浮かべている。


 良かった。

一先ず悲しみに潰されているような事はないようだ。


 そんな私の心配を他所に、ツムギは茶化すように質問を続けてきた。



「それで、ステラとはどこまでいったの?」


「なんでツムギまでそんな事聞くのよ。

 何もしてないわ。

 私、そんなに見境ないと思われてる?」


「それはまあ、そうでしょ。

 ノア達とそういう関係を始めてからまだ一年も経ってないそうじゃない。

 だってのに、既に二十人以上も手を出してるんでしょ?」


「あ、はい。仰るとおりでした」


「ふふ。別に問い質そうってんじゃないわ。

 むしろ逆よ。逆。

 ステラの事も可愛がってあげてね。

 もう察しているかもしれないけど、この子、私以外に友達がいないのよ」


「その……、ご家族は……」


「おりません」


「そう……。ごめんなさい」


「どうかお気になさらず」


「うん……」


「大丈夫よ。小春。

 代わりに私がうんと愛情を注いできたから。

 私の大切な愛娘の事もどうかよろしくね」


「姫様の娘になった覚えはありません」


「私はそのつもりってだけよ。

 私にとって、ステラは娘で親友なの。

 その二つって最強の組み合わせだと思わない?

 誰よりも、ステラの事を大切に思ってるって事だもの」


 ああ。そっか。

ツムギは前世の記憶があったからか。

娘のように思ってきたのは、紛れもない本心なのだろう。



「今姫様が一番大切に想うべきは、アルカ様です」


「もちろん小春も一番よ。

 それとこれとは話が別ってだけの事じゃない」


「……仕方ありません。

 今は何を言っても無駄のようです。

 どうぞ姫様のお好きになさって下さいませ」


「ええ。そうさせてもらうわ。

 という事で、小春。

 私がステラにいっぱい愛情を向けていても、あまり嫉妬しないでね♪」


「それはまあ、私がとやかく言えることじゃないけど。

 色んな意味で」


「良いじゃない。

 きっと小春がそういう人だったのは、私にとって都合が良かったのよ。

 お陰でステラとも変わらずにいられるんだから」


「それが話したかった事?」


「うん。今はこれだけ。

 気になってる事もあるだろうけど、少しだけ時間を頂戴。

 何れ、ステラの方から話してくれると思うから」


「……」


「うん。わかった」


「そろそろ時間も丁度良さそうね。

 父様のところへ行きましょうか。

 ステラは荷造りお願いね。

 私の分はもう終わってるから、自分の事だけでいいから」


「また姫様はそのような事を……。

 何でもかんでもご自身で済まされてしまっては、私のいる意味がありません」


「ちょっと手を動かしたかったの。

 今回は大目に見て」


「……失礼致しました」


「大丈夫よ、ステラ。

 私はもう、大丈夫。

 だからそんな顔をしてはダメよ」


「はい。姫様」


「うん。良い感じ。

 出来ればもう少し笑ってほしいけど」


「そのような事より、陛下をお待たせしてはいけません」


「そうね。

 じゃあ、行ってくるから」


「はい。帰りをお待ちしております」


 私とツムギは、今度は城内に向かった。


 そのままツムギに案内されて、何故かお客さん向けの休憩室のような部屋に連れてこられた。



「少しここで待っていて」


 そう言い残し、ツムギが部屋を出る。

王様に会う前に、服でも着替えるのかしら。

でもそれなら、離宮で着替えてもよかったんじゃない?

荷造りしちゃって、服が残って無かった?

いや、まさか。そんな。



『ふふ。やられたわね』


『ふいうち』


 説明ぷりーず。



『きっとすぐにわかるわ』


『よそうがい』

『でも』

『じゅんとう』


 なんのこっちゃ?


 結局イロハとハルちゃんは答えてくれなかった。

そうこうしている内に、メイドさんが呼びに来た。


 そのままメイドさんに連れられて、大きな扉の前に辿り着いた。


 あ、うん。私も察したわ。

帰っていいかしら?



『ダメに決まってるじゃない』


『かんねん』


 いや、でもだよ?

普通ここまでの流れ考えたら、もっとこっそり嫁にくれるもんだと思うじゃん?


 だってのに、なんか扉の向こうからめっちゃ大勢の気配感じるんだけど!


 どう考えても大々的に私の事を喧伝して、褒美に娘をやろう的なやつじゃん!!


 おかしいでしょ!

私もツムギも女の子よ!

こちとら一応気遣ってんのよ!

なに国中に私達の関係広めようとしてんのよ!


 だいたい先に言ってよ!

そんな空気に相応しい服じゃないわよ!

いやまあ、それなりにはしっかりした服装だけどさ!

あくまでも、お義父様への挨拶にって感じの格好よ!

どう考えても、大勢の前で表彰される系の服じゃないよ!


 内心パニックになりかけたところで、容赦なく大扉は開かれた。

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