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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-11.家族と主従

「ステラ、今からツムギ達を迎えに行くけど、一緒にどうかしら?」


「お供致します」


 ステラは、シルヴァン王子の葬儀の為に国に帰ったツムギ達にはついていかなかった。


 というか、ツムギが頼んできたのだ。

ステラは、なにやら城に入り辛い理由があるらしい。


 ツムギが殆ど離宮から出る事が無かったらしいのも、ステラのためだったのだろうか。


 とはいえ主家の葬儀にまで顔を出せないとなると、どんな理由なのだろうか。

流石に聞く気にはなれなかった。

二人もわざわざ話すつもりが無いようだったし。

少なくともあの次点では。


 何れ二人が話してくれる時を待つとしよう。


 なんだか改めて不思議な感覚だ。

セフィ姉も未だ私に話し辛い事があるようだし。

ノアちゃんやセレネも秘密で動いている。


 家族が増えて、それぞれに秘密を抱えて。

いつか袂を分かつ時すら来てしまうのだろうか。


 いや。よそう。

こんな事、考えるべきじゃない。

そもそも秘密なんてあって当然なんだ。

特別不安になるような事じゃない。



「なら早速出発するね」


「アルカ様、その前に一点よろしいでしょうか?」


「なに?

 なんでも聞いて♪」


「私にはいつお手を出される御予定でしょうか」


 ……?



「いえ。べつに。

 ステラがその気になればともかく、私から無理やり迫ったりはしないよ?」


「……そうですか」


 なんぞこの反応。

忙しかったからって、少し放置しすぎてしまったかしら。

サナと仲良くしていたから、安心していたけど。



「でももし、ステラが私と仲良くしたいと思ってくれるなら、今度二人きりでデートに誘わせてもらうね♪

 もちろん、ツムギが許可してくれたらだけど」


「お戯れを。

 どうか今は姫様のお側に」


「ええ。そうするわ。

 ツムギには色々悪巧みに付き合ってもらうつもりだから。

 もちろんステラもね。

 ツムギと一緒に手伝ってくれる?

 忙しすぎてあっちこっち手が回ってないの」


 ツムギの研究の件もあるから、その辺り予定を決めてからになるだろうけど。

何れにせよ、忙しくしていれば悲しみも和らげられるかもしれない。



「ご随意に。

 元よりこの身は姫様のものです。

 姫様の伴侶であらせられるアルカ様にも、変わらぬ忠誠を誓います」


「それはお断りするわ。

 ここはお城じゃないもの。

 そうね。やっぱり気が変わった。

 ステラも私の伴侶にするわ。

 だから、ここでは全員家族よ。

 上下関係は認めないわ」


「……」


「無理やり迫らないと言ったばかりで悪いけど、やっぱり少し強引にいかせてもらうわね。

 ステラにはその方がよさそうだし」


「……そうですか」


「とりあえず、この話はまた後で落ち着いてからにしましょう。

 そろそろ出ましょう。先ずはマリアさんのところよ」


「はい」


 私とツムギはお城にも顔出すけど、ステラはどうするのかしら。

やっぱり、お城にまでは付いてこないのかな。

それでも迎えに行きたいって事は、それだけ早くツムギと会いたいのだろう。

何だかんだ、数日顔を合わせる事が出来なかったのだし。


 私はツムギの手を握ってから転移した。

別に今更転移の為に接触は必要無いけど、なんとなく繋ぎたかったからだ。

付き合いの浅い今ならまだ、誤魔化されてくれるだろう。



「ス~テ~ラ~~~~!!!!!」


 ツムギは一目散にステラに飛びついた。

私よりステラとの再会の方が待ち遠しかったようだ。

ちょっと残念。



「クレアは来てくれないの?」


「ばぁ~か」


 抱き寄せ魔法でクレアを引き寄せて抱きしめる。



「やめろ!このバカ!」


 さっきと全然違う。


 クレアを離して、今度はエリスを抱きしめる。



「たく。どいつもこいつも。

 たかが数日で大げさすぎんだろ」


 まあそうね。

少し燥ぎすぎたわ。

このタイミングでやる事じゃないわね。



「お義姉ちゃん、少しは眠れたみたいね。

 先日よりは顔色良さそう」


「ああ。クレアとエリスが休めとしつこくてな」


「人手は足りてるの?

 まだ暫く、クレア貸しておこうか?」


「いや。

 その必要は無い。

 既に殿下の件で私に出来る事はそう多くはない。

 それに、マルセルが正式にこの家に仕える事になった。

 こちらはまだ少し先の事だがな」


「そう。良かった。

 マルセルさんもあまり重い罪にはならなかったのね」


「ああ。

 ……そうだな」


「……本人は不服そう?」


「無論だ。

 主をみすみす見殺しにしておいて、その主の温情で生き続ける事を命じられたのだ。

 マルセル程の忠臣にとって、これほど残酷な罰もない」


「だからって後追いなんてさせるわけにはいかないものね。

 誰より、シルヴァン王子本人がそう望んだのだから」


「うむ」


 王様は、マリアさんにマルセルさんの見張りも頼みたいのだろう。


 マリアさんの気が休まるのは、もう少し先になりそうだ。

私達も出来る限り顔を出すようにしよう。



『止めておくべきじゃないかしら。

 マリアは大丈夫よ。

 それよりマルセルを刺激する事にもなりかねないわ。

 大人しく、エリスに任せておきなさい』


 そっか。

そうだね。イロハの言う通りかも。

私とクレアは暫くこの家から距離を置くようにしよう。

また落ち着いたら、会いに来れば良いんだし。



「小春、父様のところに行く前に一度離宮に寄りたいの。

 ステラも連れて行くわ」


「うん。わかった。

 それじゃ行こっか。

 マリアさん。またね。

 色々落ち着いた頃にでも、また遊びに来るから」


「ああ。楽しみにしている」


「クレアは先に家に送るわね。

 エリスはどうする?

 明日からにする?」


「うん。

 また明日。

 アルカ様」


「ええ。またね。エリス」


 私はクレアを転移させてから、ツムギとステラと共にマリアさんの家を出て、城の敷地にある離宮へと向かった。

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